テクニカル分析をする上で欠かせない、チャートについてご案内します。そもそも一口にチャートと言っても種類がいくつかあります。最もポピュラーなのがローソク足チャートで、他には欧米でよく使われるラインチャート、バーチャートなどがあります。
日本の代表するチャートです。4本値(始値・終値・高値・安値)を一本の棒状で示し、ローソクの形に表したチャートです。
日経平均株価(日足)
出所:マネックストレーダー
高値・安値・終値の3本値の推移を示すチャート。高値と安値を結んだ棒足に、終値を示す横線がそれぞれあります。
日経平均株価(日足)
出所:マネックストレーダー
足種ごとに終値のみをつなげた最もシンプルなチャート。
日経平均株価(日足)
出所:マネックストレーダー
価格が安い時に買い、高い時に売ることこそが、投資で成功するコツですが、高いか安いかはどのように判断するのでしょう。その判断材料の一つとして、チャートによって大きなトレンドを読む方法があります。チャートに基づき、過去の一定期間における株価の動きを分析し、将来のトレンドを予測します。
価格の方向性のことを「トレンド」といいます。また、トレンドにはいくつか種類があり、価格の方向性によって上昇トレンド・下降トレンド・横ばいトレンドの3つがあります。トレンドには方向性によって分類する他、期間によって分類する方法もあります。一般的に、1年から数年程度を長期トレンド、3週間から3ヶ月を中期トレンド、3週間未満を短期トレンドと分類します。
日経平均株価(月足)2001年6月~2015年9月
出所:マネックストレーダー
分類 | 期間 |
---|---|
長期トレンド | 1年~数年程度 |
中期トレンド | 3週間~3ヶ月 |
短期トレンド | 3週間未満 |
気になる銘柄が見つかったら、実際にチャートでトレンドを確認してみましょう。トレンドを確認するにあたって、チャートが描画している期間が大切です。一般的に使われるのは、月単位の値動きを示す月足チャート・週単位の値動きを示す週足チャート・日単位での値動きを示す日足チャートです。期間の取り方が長いチャートは、長期的な価格の動き、短いチャートは短期的な価格の動きを示します。
一般に、長期投資は月足チャート、短期投資は日足チャートと、投資スタイルで参照するチャートを使い分ける場合が多いですが、実際の売買判断の際は、それぞれのチャートを参照し、総合的に判断するほうがよいでしょう。チャートの描画する期間によって、驚くほど違ったトレンドを描いていることもしばしばです。複数のチャートを用いて、より精度の高い投資判断をしましょう。
取引ツール等でチャートを参照する際に出てくるのが、ローソク足。ローソク足とは何のことでしょうか。ローソク足とは、「始値」、「高値」、「安値」、「終値」の4本値を用いて一本の足を生成する日本独自のチャートです。値動きや相場の強弱を把握しやすいので、海外でも広く親しまれています。また、ローソク足には、「陰線」と「陽線」の2種類があります。始値より終値が高い場合を「陽線」と言い、始値より終値が低い場合を「陰線」と言います。
「始値」と「終値」が同じで、上下にヒゲがあるものを、寄引同事線といい、流れの変化を暗示いたします。
特に、上下の両ヒゲが共に長い場合は、「寄せ線」と呼ばれ、相場の転換点となることが多いと言われています。
ローソク足は、そのヒゲの付き方や形状によって、呼び名が付いており、解釈も異なります。例えば、始値が安値で、高値が終値の場合を「大陽線」または「陽の丸坊主」と言い、非常に強く先高感を示していると言われています。
また、ローソク足が一本の形状で判断する場合だけでなく、前後の2本以上を組み合わせて、今後の相場の方向性や強さを判断することもあります。 「酒田五法」と呼ばれるパターン分析方法は、ローソク足分析の中でも特に有名です。
相場の値動きの傾向を見極めようとするためのテクニカル分析の一つとして、トレンドラインがあります。上昇トレンドで安値と安値を結んだ線をサポートライン、下降トレンドで高値と高値を結んだ線をレジスタンスラインと呼びます。サポートラインは、「これ以上価格が下がりにくい」と予想されるラインで、レジスタンスラインは「これ以上価格が上がりにくい」と予想されるラインです。そのため、サポートライン付近まで下がったら買い、レジスタンスライン付近まで上がったら売りと判断します。
トレンドラインは、上昇トレンド時にはサポートラインとして機能し、価格がサポートラインを下回った場合は、トレンドの終了や転換の最初のシグナルと見なされます。逆に、下降トレンド時にはレジスタンスラインとして機能し、価格がレジスタンスラインを上回った場合は、トレンドの終了や転換の最初のシグナルと見なされます。なお、トレンド転換後には、サポートとレジスタンスの役割が逆転することが多く、特に横ばいトレンドを逸脱した場合にその傾向が多く見られます。
日経平均株価(週足) 2011年7月~2015年9月
出所:マネックストレーダー
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