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回復の兆しが見え始めた不動産関連銘柄に注目

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回復の兆しが見え始めた不動産関連銘柄に注目

国家統計局が発表した8月累計の全国不動産開発投資は3.5%増で、前月累計の4.3%増と比べ0.8ポイント悪化した。一般住宅投資に限っても、2.3%増で、前月累計の3.0%増と比べ0.7ポイント悪化した。

不動産投資については鈍化傾向が止まらない。

一方、一般住宅の販売面積をみると7.2%増で、前月累計の6.1%増を上回っている。2月累計時点では16.3%減であり、はっきりとした回復傾向が見られる。

さらに、国家統計局が発表した8月における70大中都市住宅販売価格変動状況をみると、新築住宅では、前月と比べ、26都市で価格が下落、35都市で上昇、9都市で横ばいとなった。既に上昇する都市の方が下落する都市よりも多くなっている。

ちなみに、7月は29都市で価格が下落、31都市で上昇、10都市で横ばいとなった。下落した都市は3都市減っており、上昇した都市は4都市増えている。

先行指標の状況をみると、不動産市場は底を打った可能性が高い。

今回は、広い意味での不動産関連銘柄に注目した。

(2015年9月28日執筆)

[00347]鞍鋼(アンガンスチール)

株価
3.59香港ドル(10/14終値)
特徴
H株/遼寧省鞍山市を拠点とする大手鉄鋼メーカー
企業動向
製品は、圧延鋼板、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、カラー鋼板、ケイ素鋼板、中板、厚板、線材、大型材、シームレスパイプなど。用途は、自動車、建設、造船、家庭用電器、鉄道線路など幅広い。2015年6月中間期業績は24.1%減収、73.1%減益。数量、価格とも不振だが、鉄鉱石価格の下落などコスト低下効果もあって、赤字を免れた。不動産市場は回復に向かっており、鉄鋼需要の拡大により、最悪期脱出へ。

[00914]安徽海螺(アンフイコンチセメ)

株価
24.95香港ドル(10/14終値)
特徴
H株/安徽省を基盤とするセメントメーカー
企業動向
生産能力、販売量などで中国建材(03323)と並び業界トップクラス。2015年6月中間期業績は15.8%減収、18.9%減益。生産能力を増強したものの、不動産投資が鈍化する中、需給が悪化し価格が下落、大幅減収となった。原材料価格の低下などから減益率は減収率をやや下回る水準に留まった。第4四半期は不動産向け、インフラ投資向けに需要は拡大、価格の上昇によって業績は回復すると予想。

[00688]中国海外発展(チャイナオーバーシー)

株価
25.70香港ドル(10/14終値)
特徴
レッドチップ/中央系の大手不動産開発
企業動向
親会社は建設、不動産関連事業を営む中央系国有企業である中国建築工程総公司。万科企業と並び、本土を代表する不動産会社である。2015年6月中間期業績は19.5%増収、20.1%増益。同社の開発物件は大都市圏を中心に競争力があり、業界に先駆け需給が回復、二桁増収、増益を達成。不動産価格は大都市圏から上昇基調に入っており、同社にとって有利。金融緩和政策の効果もあり、下期も業績好調維持へ。

[01813]合景泰富地産(KWGプロパティーズ)

株価
5.84香港ドル(10/14終値)
特徴
メインボード/民営系の中堅不動産開発
企業動向
広州、蘇州、成都、北京、海南、上海、天津、南寧、杭州、鄭州などで不動産開発を行っている。2015年6月中間期業績は27.8%減収、2.0%増益。決算計上された物件の面積が少なく、平均価格も低かったことで減収となったものの、販売費が減少、管理費が横ばい、投資先企業の業績好調などから増益を確保。収益の3分の2が不動産市況の回復が著しい一線、二線都市に集中。下期以降業績は回復へ。

[02128]中国聯塑(チャイナレッソ)

株価
6.22香港ドル(10/14終値)
特徴
H株/佛山市を拠点とする民営プラスティック樹脂メーカー
企業動向
主要製品は水、排水、電力、通信ケーブル保護管、ガス管、農業、暖房、消防などに使われるプラスティック管、継手。浴槽、厨房機器、門窓枠なども製造。2015年6月中間期業績は7.0%増収、28.4%増益。市政府プロジェクトが好調。また、2012年から始めた建材・住宅設備業務が大型不動産を中心に成長。不動産市況の回復により、建材・住宅設備業務の拡大が続く見通し。

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TS・チャイナ・リサーチ代表

田代 尚機氏

1958年愛知県生まれ。1984年東京工業大学大学院理工学専攻修了後、大和総研に勤務。1994年から大和総研の代表として北京に駐在し、中国経済担当エコノミスト、中国株担当アナリストとして活動。
2003年10月から2007年2月まで内藤証券に勤務。中国部長としてプロモーションを中心に中国ビジネス全般を担当。2008年TS・チャイナ・リサーチ株式会社を設立し、現在は中国株・中国経済に関する雑誌やセミナー等への出演を中心に活躍の場を広げている。

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順位 銘柄コード 銘柄名 特色
1 00700 騰訊控股
(テンセント)
中国最大手のインターネットサービス企業。主に、インターネット向け、携帯電話向けの付加価値サービスとオンライン広告サービスの提供。また、「微信」・「騰訊遊戯」など、SNSやオンラインゲームを含むその他多くのサービスを展開。
2 02318 平安保険
(ピンアンインシュラ)
中国の生命保険大手。主な事業は、生命保険、損害保険、銀行業務、及びその他金融サービス。
3 01055 南方航空
(サウスタンエアライン)
航空事業、関連サービス(航空機メンテナンス、航空ケータリングサービス)を行う。
4 00750 興業太陽能
(チャイナシンギーズ)
主な事業は、従来型カーテンウォール、建物一体型太陽光発電(BIPV)システムの設計・製造・販売・設置。その他、太陽光発電製品の製造・販売を手がける。
5 06889 ダイナムジャパン
(ダイナムジャパン)
顧客にパチンコとパチスロという2タイプのゲームをする会場を提供する日本のパチンコホール運営会社。異なるプレー料金のパチンコとパチスロゲームを提供する「既存店」、「ゆったり館」及び「信頼の森」という3タイプの店を運営する。
6 03393 威勝
(ワション)
電力計、データ収集端末の製造、開発などを行う。
7 01398 中国工商銀行
(インダコマシャルバン)
中国四大商業銀行の一角。総資産・預り残高では中国最大を誇る。
8 06030 中信証券
(チュウシンショウケン)
中国本土の大手証券会社。中国中信集団公司(CITIC)が筆頭株主。証券委託売買、引受、アセット・マネジメント、アドバイザリーなど幅広く業務を展開。
9 06837 海通証券
(ハイトンセキュリティ)
証券仲介、投資銀行業務、資産管理、自己売買、直接投資などを総合的に手掛け、子会社の海通国際証券(00665)を通じて国際業務を展開。
10 01044 恒安国際
(ヘンガンインター)
中国でのナプキン、紙おむつなど個人衛生品の生産・販売。

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