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供給側改革関連に注目

マネックスの今が旬の注目5銘柄 中国株

供給側改革関連に注目

本土情報空間では、11月に入り「供給側改革(供給側の構造改革)」といった新たな概念が頻繁に使われるようになった。

11月10日に開かれた中央財経領導小組第十一次会議がきっかけであり、12月中旬以降に開かれる来年の重要政策を決める中央工作会議の中心テーマの一つになるだろうと見られている。

本土のエコノミストたちは、「これまで中国は消費の力が充分ではなく、そのため、需要を刺激しなければならなかった。現在では消費にある程度の力が付いたが、供給する製品が消費者の欲求を満足させることが出来ず、"供給側の構造改革"を迫られる状態となっている。さらに重要なことは、需要を刺激すれば生産過剰を引き起こし、経済構造の不合理を招くなどといった問題が起きてしまう。"供給側の構造改革"はこうした問題を改善することができる」などと分析している。

"供給側の構造改革"としては、以下の5点が挙げられる。

(1)労働力、資金、土地、資源など生産要素の効率を高める

(2)技術進歩を促進し、人力・資本を引き上げ、知識を増やすなど各要素のレベルアップを行う

(3)企業、創業者、創新型地域・園区、科学院・高等教育機関、創業型政府などの主体を育成する

(4)減税、政府機能の簡素化、自由化などにより、各主体の積極性と創造性を引き出す

(5)遅れた産業を淘汰し、市場競争力のある新産業、新製品を育成する

具体的には、政府の規制緩和、金融改革、国有企業改革、土地改革、戦略的新興産業の発展育成などであり、関連するセクター、銘柄は多岐にわたる。

今回は、この"供給側改革"に関連する銘柄に注目した。

(2015年12月14日執筆)

[00763]中興通訊(ゼットティーイー)

株価
16.98香港ドル(12/22終値)
特徴
H株/総合通信機器メーカー
企業動向
通信キャリア向けのネットワーク設備、携帯電話などを製造。本土のほか欧米、オセアニア、アジア、アフリカなど海外にも事業を展開。2015年1-9月期業績は16.5%増収、42.2%増益。携帯電話事業は減収となったものの、主力のネットワーク設備事業が国内外のFDD-LTE設備投資拡大などで22.4%増収となり、業績をけん引。4Gネットワークの規模拡大、企業における効率化投資の増加、政府政策支援などから業績好調持続へ。

[00992]聯想集団(レノボグループ)

株価
8.01香港ドル(12/22終値)
特徴
レッドチップ/世界最大手のパソコンメーカー
企業動向
パソコンを中心にスマホ、サーバー事業を行う。主力のパソコンは中国を中心に、北米、欧州・中東・アフリカなどグローバルに展開。日本ではNECと合弁事業を展開。2015年9月中間期業績は9.6%増収、6億900万米ドルの赤字。モバイル、企業向け業務は増収が続いたものの、主力のPC業務が減収。事業買収や大規模な事業リストラによる経費増から赤字転落。本土農村部での事業基盤が強い点に注目。スマホ、サーバー事業好調持続へ。

[02186]緑葉製薬(ルーイェファーマ)

株価
7.81香港ドル(12/22終値)
特徴
その他香港/山東省煙台市を生産・開発拠点とする民営医薬品メーカー
企業動向
抗癌剤、心血管治療薬、消化代謝治療薬などを製造。2015年6月中間期業績は13.1%増収、37.1%増益。全体の約8割を占める癌の化学治療、放射線治療に関する薬、高脂血症治療薬、糖尿病治療薬など5品目の売上が23.1%増と好調、業績をけん引した。アメリカで臨床試験中の抗精神病薬リスペリドン注射薬が大型薬として期待される。早ければ2年後には販売開始へ。開発薬の売行き好調、増益基調持続へ。

[06030]中信証券(チュウシンショウケン)

株価
18.32香港ドル(12/22終値)
特徴
H株/本土大手証券会社
企業動向
CITIC傘下の本土を代表する総合証券会社。2015年1-9月期の業績は144.0%増収、151.2%増益。6月中旬までの大相場でブローカレッジ業務、ディーリング業務が急増、業績をけん引した。今年8月以降、同社経営陣が相次いで違法行為で当局の調査を受ける中、経営陣の一掃が予想される。騒動がひと段落しつつあることや、CITIC傘下の中央系金融機関として、金融改革ではもっとも恩恵を受けると予想。

[00268]金蝶国際(キングディーインター)

株価
3.61香港ドル(12/22終値)
特徴
その他香港/民営ソフトウエア会社
企業動向
経営資源を最適化するためのソフトウエアであるERPの開発・販売、運用サポートなどを行う。2015年6月中間期業績は1.1%増収、12.4%増益。主力のERP業務が景気減速の影響を受けて減収となったものの、クラウド業務が急拡大したことで増収を確保。粗利益率が低下したものの、研究開発費の圧縮、財務費用の減少などから2桁増益を達成。クラウド、ERPの普及は生産性向上に繋がる。政府政策の後押しで増益基調継続へ。

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TS・チャイナ・リサーチ代表

田代 尚機氏

1958年愛知県生まれ。1984年東京工業大学大学院理工学専攻修了後、大和総研に勤務。1994年から大和総研の代表として北京に駐在し、中国経済担当エコノミスト、中国株担当アナリストとして活動。
2003年10月から2007年2月まで内藤証券に勤務。中国部長としてプロモーションを中心に中国ビジネス全般を担当。2008年TS・チャイナ・リサーチ株式会社を設立し、現在は中国株・中国経済に関する雑誌やセミナー等への出演を中心に活躍の場を広げている。

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順位 銘柄コード 銘柄名 特色
1 00700 騰訊控股
(テンセント)
中国最大手のインターネットサービス企業。主に、インターネット向け、携帯電話向けの付加価値サービスとオンライン広告サービスの提供。また、「微信」・「騰訊遊戯」など、SNSやオンラインゲームを含むその他多くのサービスを展開。
2 02318 平安保険
(ピンアンインシュラ)
中国の生命保険大手。主な事業は、生命保険、損害保険、銀行業務、及びその他金融サービス。
3 01830 パーフェクトシェープ
(パーフェクトシェープ)
中国、香港、マカオで中高所得者層を対象に、「必痩站(Perfect Shape)」ブランドで痩身・美容サービスを提供する。
4 00005 HSBC
(エイチエスビーシー)
世界最大級の金融グループ。本社はロンドン。日本にも展開している。
5 00895 東江環保
(ドンジャンエンバイロ)
リサイクル製品の販売、産業廃棄物、都市ごみの回収、処理、処分、メタンガス発電事業、環境保全施設の運営、環境アセスメント、モニタリング、コンサルティング、化学製品の販売を行う。
6 01211 BYD
(ビーワイディー)
自動車メーカー。自動車・関連製品、充電式電池、携帯電話部品の研究開発、製造、販売。その他、組立サービスも手掛ける。
7 06030 中信証券
(チュウシンショウケン)
中国本土の大手証券会社。中国中信集団公司(CITIC)が筆頭株主。証券委託売買、引受、アセット・マネジメント、アドバイザリーなど幅広く業務を展開。
8 00371 北控水務
(ベイジンエンターウォ)
水処理会社。主な事業は、下水処理施設の建設、下水処理、上水道供給、下水処理技術サービス。
9 03393 威勝
(ワション)
電力計、データ収集端末の製造、開発などを行う。
10 01065 天津創業環保
(テンジンキャピエン)
下水、再生水、水道水の処理、水道管の敷設、水道水の供給、有料道路の運営などを行う。

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