業績堅調見通しの消費関連に注目

配信日：2016年5月20日

業績堅調見通しの消費関連に注目

足元のマクロ統計では消費は堅調な動きを示している。

3月の小売売上高は10.5％増で、前月の10.2％増と比べ0.3ポイント改善、市場コンセンサスを0.1ポイント上回った。

また、3月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は2.3％上昇で2月と変わらなかったものの、この約1年半の間ではもっとも高い水準となっている。

今年はオリンピックイヤーに当たり、スポーツ用品、テレビなどの需要が伸びそうである。

また、これから夏場にかけては、食品関連の需要拡大期となる。

今回は業績堅調見通しの消費関連に注目した。

（2016年5月 9日執筆）

［01070］ＴＣＬ多媒体（ＴＣＬマルチメディア）

株価: 4.74香港ドル（5/19終値）
特徴: レッドチップ／本土の大手テレビメーカー
企業動向: 本土家電大手のＴＣＬ集団傘下のテレビメーカー。2015年の世界シェアは5.56％で第3位、中国国内シェアは14.04％で第3位（第１四半期決算書より）。2016年1-3月期業績は11.2％減収、62.1％増益を達成。海外向け販売台数は2.0％減だが、国内向けが3.3％増。製品価格低下で減収となったが、原材料価格の大幅下落、高付加価値製品へのシフトが進み粗利率が向上、大幅増益となった。4Ｋ、大型化、曲面テレビの進展でシェアアップへ。

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［00288］万洲国際（ＷＨグループ）

株価: 6.00香港ドル（5/19終値）
特徴: その他香港／世界最大の豚肉食品メーカー
企業動向: 傘下に本土、アメリカでそれぞれ最大手の肉製品会社を持つ。2015年12月期業績は4.6％減収、2.6％増益。主力の肉製品の売上高が中国では数量減、アメリカでは価格下落が要因となり減収。一方、価格の上昇した中国へアメリカから肉製品を輸入、飼料価格の下落もあり粗利益率が上昇。前期発生した上場費用、買収費用の反動などから増益を確保した。本土、アメリカの子会社間で業務協力が進み、経営が効率化。増益基調持続へ。

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［02255］海昌海洋公園（ハイチャン）

株価: 1.69香港ドル（5/19終値）
特徴: その他香港／テーマパーク運営会社
企業動向: 海洋を主体とした総合公園の開発運営を行う。大連、青島、天津、煙台、武漢、成都、重慶などで、海洋公園を6カ所、アドベンチャー公園、海水浴場型公園をそれぞれ1カ所経営。2015年12月期業績は7.5％減収、20.1％増益。テーマパーク部門は二桁増収だが、不動産事業が大幅減収。不動産売却によるコスト減、公園での入園者増による利益率向上などから大幅増益達成。個人所得の伸び、消費の高度化で高成長持続へ。

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［00551］裕元工業（ユエユエンインダスト）

株価: 28.30香港ドル（5/19終値）
特徴: その他香港／台湾系の民営スポーツシューズメーカー
企業動向: ナイキ、アディダス、リーボック、アシックスなど有名ブランドスポーツシューズのＯＥＭ、ＯＤＭメーカー。本土では小売も行っている。2015年12月期業績は5.3％増収、17.9％増益。製造部門は微増収だが、小売部門が堅調。前年同期に発生したデリバティブ評価損の反動、買収資産の評価益などから二桁増益を達成。今年はオリンピックの開催年に当たり、スポーツシューズに対する需要は拡大すると予想。業績は安定成長へ。

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［00732］信利国際（トルリーインター）

株価: 2.93香港ドル（5/19終値）
特徴: その他香港／本土電子部品メーカー
企業動向: スマホなどの液晶パネル製品、自動車、工業用などのマイクロビデオ、個人医療・ヘルスケア製品などを製造。2015年12月期業績は9.3％減収、24.4％減益。主力のスマホ用液晶パネル製品の価格が下落したことが業績悪化の要因。中国移動の４Ｇネットワーク市場が徐々に成熟化するとともに、指紋認識モジュールやスマホ関連業務の拡充を図る計画。用途開発が進むことで業績は回復すると予想。

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TS・チャイナ・リサーチ代表

田代　尚機氏

1958年愛知県生まれ。1984年東京工業大学大学院理工学専攻修了後、大和総研に勤務。1994年から大和総研の代表として北京に駐在し、中国経済担当エコノミスト、中国株担当アナリストとして活動。
2003年10月から2007年2月まで内藤証券に勤務。中国部長としてプロモーションを中心に中国ビジネス全般を担当。2008年TS・チャイナ・リサーチ株式会社を設立し、現在は中国株・中国経済に関する雑誌やセミナー等への出演を中心に活躍の場を広げている。

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