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政策期待のかかる環境関連、バイオ医薬などに注目

マネックスの今が旬の注目5銘柄 中国株

政策期待のかかる環境関連、バイオ医薬などに注目

国家統計局は15日、2016年4-6期における実質経済成長率は6.7%と発表した。これは1-3月期と同じで、市場コンセンサスである6.6%と比べ、0.1ポイント上振れした。

四半期データを見る限り、安定成長が続く中国経済であるが、6月の月次データを見る限りでは、心配な点も多い。

生産は予想以上に増加したものの、消費が大きく回復したからであり、外需は低迷、設備投資は急速に鈍化している。

特に設備投資の悪化が深刻である。これは、一面では供給側改革の成果である。素材、エネルギーを中心に、供給過剰産業の設備投資が抑えられている。この点は評価できるのだが、肝心なのは新規産業の育成や、不足するインフラ投資の拡大など、設備投資のけん引役が力不足であることだ。

前回に続き、政策の恩恵を受けるセクターに注目したい。今回は、環境関連や医薬バイオセクターに絞り注目銘柄をピックアップした。

(2016年7月25日執筆)

[00175]ジーリーオート (吉利汽車)

株価
5.69香港ドル(8/9終値)
特徴
その他香港/本土系民間自動車メーカー
企業動向
民営の中堅自動車メーカー。自社ブランドでSUV、セダンなどを生産。スウェーデン・ボルボ社は親会社の傘下企業。2015年12月期は38.6%増収、58.0%増益。積極的な新車投入により販売数量が増加、平均価格も上昇。減税政策などの効果もあり、業績は急回復。上半期の販売台数は約11%増と好調持続。今期販売計画の47%を消化。自動車販売支援策の継続、新エネルギー自動車政策などに期待。

[00968]シンイソーラー (信義光能)

株価
3.33香港ドル(8/9終値)
特徴
その他香港/太陽光発電用のガラスメーカー
企業動向
太陽光発電パネルのほか、太陽光発電所の建設、運営も行っている。2015年12月期は97.1%増収、144.6%増益。設備能力の拡大、中、日、米での太陽光パネル用ガラスの需要拡大、太陽光発電業務の急増が加わり、売上高はほぼ倍増。製品構成の改善などから粗利益率が上昇、増益率は増収率を大きく上回った。2016年6月中間期について会社側は70~90%増益を見込む。政策により太陽光パネル、太陽光発電所の需要拡大が続く見通し。

[00392]ベイジンエンタープラ (北京控股)

株価
46.60香港ドル(8/9終値)
特徴
レッドチップ/北京市政府傘下のコングロマリット
企業動向
都市ガス供給が主要業務で、ビール製造、汚水処理・水道水供給なども行っている。2015年12月期は25.5%増収、17.3%増益。電力会社向け、個人向けともに事業規模が拡大、ガス販売量が31.1%増加した。ビール事業の不振を都市ガス供給事業が補い、二桁増収増益を達成。中央政府は天然ガス価格改革を実施。川上市場の価格自由化を段階的に進めている。川下市場では、企業はコスト低下の恩恵を受けることで、収益拡大が続くと予想。

[01099]シノパーム (国薬)

株価
40.75香港ドル(8/9終値)
特徴
H株/中国最大の薬品卸会社
企業動向
全国に張り巡らせたサプライチェーン網を通じ、国内外の薬品、医療機器、消耗品などを販売。2016年1-3月期は13.5%増収、13.9%増益。中国政府が推し進める医薬衛生改革の効果により、中国の医療設備が充実、薬品需要が増加。積極的な規模拡大戦略により二桁増収増益を達成。同社は混合所有制改革のテスト企業に選ばれている。改革案の策定が進んでおり、下期にも批准される見通し。事業の効率化により収益力が向上へ。

[00658]チャイナハイスピード (高速伝動設備)

株価
6.43香港ドル(8/9終値)
特徴
その他香港/風力発電用ギアボックスを製造
企業動向
風力発電用に用いられるギアボックスを中心に、船舶、高速電気機関車や、鉄鋼、建材、発電など産業用の動力伝動装置も製造。2015年12月期は20.8%増収、395.7%増益。中国政府による再生エネルギー産業支援策や、風力発電の電力網接続問題が解消に向かったことなどから売上好調。利益率の高い風力用が大きく伸びたことで大幅増益を達成。今期は前期業績急回復の反動があるものの、本土、海外とも高水準の販売数量が続くと予想。

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TS・チャイナ・リサーチ代表

田代 尚機氏

1958年愛知県生まれ。1984年東京工業大学大学院理工学専攻修了後、大和総研に勤務。1994年から大和総研の代表として北京に駐在し、中国経済担当エコノミスト、中国株担当アナリストとして活動。
2003年10月から2007年2月まで内藤証券に勤務。中国部長としてプロモーションを中心に中国ビジネス全般を担当。2008年TS・チャイナ・リサーチ株式会社を設立し、現在は中国株・中国経済に関する雑誌やセミナー等への出演を中心に活躍の場を広げている。

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※2016年7月1日~ 7月31日のマネックス証券における売買代金上位10銘柄を集計

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順位 銘柄コード 銘柄名 特色
1 01818 招金砿業
(ジャオジンマイニング)
金、銅の探査、採掘、精錬を行う。
2 00700 騰訊控股
(テンセント)
中国最大手のインターネットサービス企業。主に、インターネット向け、携帯電話向けの付加価値サービスとオンライン広告サービスの提供。また、「微信」・「騰訊遊戯」など、SNSやオンラインゲームを含むその他多くのサービスを展開。
3 01211 BYD
(ビーワイディー)
自動車メーカー。自動車・関連製品、充電式電池、携帯電話部品の研究開発、製造、販売。その他、組立サービスも手掛ける。
4 01928 サンズチャイナ
(サンズチャイナ)
アメリカの「ラスベガス・サンズ」の子会社で、マカオでカジノや多目的リゾートエリアの開発・経営を行う。
5 01336 新華人寿保険
(ニューチャイナライフ)
宝鋼集団や神華集団などが発起人となり1996年に設立。生命保険や医療保険、傷害保険、投資型保険商品などを取り扱い、14年の生保市場シェアは8.7%で国内3位(13年は9.6%で3位)。
6 02899 紫金砿業
(ズージンマイニング)
福建省上杭県を本拠とする中国の大手金鉱会社。金採掘のほか精錬・合金加工や銅、亜鉛などの非鉄金属も採掘・生産している。
7 00902 華能国際電力
(ホァネンパワーイン)
大型発電所の開発、建設、運営、管理を行う。
8 01766 中国中車
(CRRC)
鉄道車両の製造、メンテナンス、改良、改修などを行う。
9 00005 HSBC
(エイチエスビーシー)
世界最大級の金融グループ。本社はロンドン。日本にも展開している。
10 02333 長城汽車
(グレートウォールモタ)
自動車及び自動車部品の製造。

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