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【中国株】混合所有制改革関連銘柄に注目

マネックスの今が旬の注目5銘柄 中国株

混合所有制改革関連銘柄に注目

国有企業集団の資本構造を多様化し、活力を与える目的で行われる混合所有制改革に投資家の関心が集まっている。

2016年9月28日、国家発展改革委員会は東航集団、聯通集団、南方電網、ハルピン電力集団、中国核建、中国船舶などを第一弾のテスト企業として選定した。

各社はそれぞれ独自に計画案を作り、実行の準備を進めている。これらの中央系国有企業集団は傘下に上場企業を有しており、その上場企業を含めて、資産注入や増資などの形で影響を受けることになる。

今、株式市場で注目されているのは第二弾、或いは既に選定の始まったとされる第三弾のテスト企業がどこかという点である。それに関しては、2016年12月16日の中央経済工作会議において、電力、石油、天然ガス、鉄道、民間航空、電信、軍事工業といった産業が具体的に示されており、3月に開かれた全人代でも活動報告書の中に同様な記載がある。これらの産業において今年重点的に改革がおこなわれることがはっきりしている。

5月9日、電力産業再編に関する観測記事がマスコミに掲載されたことで、関連企業の株価が動いている。今回は、電力会社を含め、混合所有制改革で恩恵を受けそうな銘柄に注目した。

(2017年5月29日執筆)

[00991]ダータンインターナ(大唐国際発電)

株価
2.56香港ドル(6/19終値)
特徴
H株/5大電力グループの一角を占める中国大唐集団傘下の電力会社
企業動向
石炭火力発電を中心に水力、天然ガス、風力、太陽光発電などを行う。北京・天津・河北省が最大収益基盤。2017年1-3月期業績は16.4%増収、7.7%減益。主力の火力発電について設備能力、稼働時間が増加したことで、全体の発電量が23.0%増加、売電価格は下落したものの、二桁増収確保。石炭価格の上昇などから減益。電力は混合所有制改革の重点産業に指定されている。産業再編が行われる可能性が高い点に注目。

[00902]ホァネンパワーイン(華能国際電力)

株価
5.78香港ドル(6/19終値)
特徴
H株/5大電力グループの一角を占める中国華能集団傘下の電力会社
企業動向
2017年12月末現在、中国最大規模の電力会社。江蘇、山東、浙江、上海、北京など国内22の省・市・自治区で発電所を経営。2017年1-3月期業績は7.5%増収、87.0%減益。親会社から資産注入を受けて規模が拡大、増収を確保したものの、石炭価格の上昇などから減益となった。電力は混合所有制改革の重点産業に指定されている。産業再編が行われる可能性が高い点に注目。

[00753]エアチャイナ(中国国際航空)

株価
7.73香港ドル(6/19終値)
特徴
H株/中国のナショナルフラッグキャリア
企業動向
北京が中核拠点。2016年12月末の総資産額では業界第1位。2017年1-3月期は9.8%増収、39.8%減益。航空券価格は国内線ではわずかに低下、国際線では幅は縮まったが依然としてマイナス。輸送能力の拡大、搭乗率の向上などから主力の客運が好調、9.8%増収を確保。一方、原油価格の上昇から大幅減益を余儀なくされた。中航集団による航空貨物物流混合所有制改革により、同社も一部業務を再編へ。

[01055]サウスタンエアライン(南方航空)

株価
6.43香港ドル(6/19終値)
特徴
H株/広州市を本部とする中国3大航空会社の一角
企業動向
2016年12月期の営業収入では業界第1位。国内線に強みを持つ。2017年1-3月期は10.6%増収、42.4%減益。国際線売上高は航空券価格の下落で伸び悩んだものの、国内線では回復が顕著なことから二桁増収。一方、原油価格の上昇から大幅減益を余儀なくされた。5月25日、同社は戦略的投資家としてアメリカン航空からの資本を受け入れると発表。混合所有制改革の一環であり、今後、インタネット関連企業などの資本を受け入れる可能性あり。

[01072]ドンファンエレクトリ(東方電気)

株価
6.84香港ドル(6/19終値)
特徴
H株/中央系国有企業の電力設備会社
企業動向
主力製品は火力、水力、原子力、風力などの発電設備、ガスタービン、環境保護設備など。2017年1-3月期業績は39.9%減収、1億5300万元の黒字。電力需要が伸び悩む中、火力発電設備投資が低迷し、大幅減収。コストダウン、資産売却などで黒字を確保。混合所有制改革による戦略的投資家の受け入れに期待。当局は原子力発電を重視しており、改革テスト企業に認定される可能性あり。一帯一路戦略加速で海外業務に活路。

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TS・チャイナ・リサーチ代表

田代 尚機氏

1958年愛知県生まれ。1984年東京工業大学大学院理工学専攻修了後、大和総研に勤務。1994年から大和総研の代表として北京に駐在し、中国経済担当エコノミスト、中国株担当アナリストとして活動。
2003年10月から2007年2月まで内藤証券に勤務。中国部長としてプロモーションを中心に中国ビジネス全般を担当。2008年TS・チャイナ・リサーチ株式会社を設立し、現在は中国株・中国経済に関する雑誌やセミナー等への出演を中心に活躍の場を広げている。

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順位 銘柄コード 銘柄名 特色
1 00700 騰訊控股
(テンセント)
中国最大手のインターネットサービス企業。主に、インターネット向け、携帯電話向けの付加価値サービスとオンライン広告サービスの提供。また、「微信」・「騰訊遊戯」など、SNSやオンラインゲームを含むその他多くのサービスを展開。
2 00698 通達集団
(トンダ)
電子機器及び電子部品、付属品の設計、製造販売に従事し、セットトップボックス、スポーツ用品の生産を手がける。
3 02777 富力地産
(グァンジョウアール)
広東省広州市の不動産デベロッパー。ホテル経営も。北京や天津、瀋陽などにも進出している。
4 02318 平安保険
(ピンアンインシュラ)
中国の生命保険大手。主な事業は、生命保険、損害保険、銀行業務、及びその他金融サービス。
5 02018 瑞声科技
(AACテクノロジー)
動的コンポーネント(レシーバー、スピーカー含む)、マイク、ヘッドホン、その他製品(変換器、振動器含む)の製造を行う。
6 01478 丘タイ科技
(Qテク)
スマートフォンやタブレットに搭載されるカメラ部品を中国で製造する。
7 06889 ダイナムジャパン
(ダイナムジャパン)
顧客にパチンコとパチスロという2タイプのゲームをする会場を提供する日本のパチンコホール運営会社。異なるプレー料金のパチンコとパチスロゲームを提供する「既存店」、「ゆったり館」及び「信頼の森」という3タイプの店を運営する。
8 03888 金山軟件
(キングソフト)
オンラインゲーム、携帯電話用ゲーム、レジャーゲームの研究開発、運営と卸売、インターネットセキュリティ、辞書及びオフィスソフトの研究開発、運営と卸売などを行う。
9 02382 舜宇光学
(サニーオプティカル)
光学機器の設計・研究開発・製造・販売。
10 00027 銀河娯楽
(ギャラクシーエンター)
マカオのカジノ大手。主な事業は、カジノ施設運営。その他、ホテル経営、建材の生産・販売なども手掛ける。

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