相場環境が不安定な昨今、投資する銘柄にお困りのお客様も多いかもしれません。本コンテンツではマネックス証券の銘柄分析ツール「マネックス銘柄スカウター」を活用し様々なテーマで銘柄をご紹介します。今回のテーマは「円安のメリットを受けやすく業績が好調な銘柄」です。
円安のメリット・デメリット
円安とは、日本円の価値が他の通貨と比べて低くなることを言います。円安のメリットは日本から海外へ輸出している商品の売上げが増加したり、投資している海外資産の価値が上昇することです。円安のデメリットは日本が海外から輸入している商品の値段が高くなったり、輸入にかかるコストが上昇することです。今回はそんな円安のメリットを受けやすい海外売上高比率の高い銘柄を抽出していきます。
円安のメリットを受けやすく業績が好調な銘柄
円安のメリットを受けやすく業績が好調な銘柄を「マネックス銘柄スカウター」の10年スクリーニング機能を使って抽出しました。具体的なスクリーニング条件および抽出された銘柄は以下のとおりです。
スクリーニング条件
10年スクリーニングの「条件を追加する」ボタンから詳細条件を設定して抽出します。
【詳細条件】
- 直近の通期海外売上高比率:50%以上
- 直近の通期売上高:3%以上増収
- 直近の通期営業利益:3%以上増益
- 過去10年間の通期売上高の増収回数:8回以上
- 過去10年間の通期営業利益の増益回数:8回以上
- 直近の四半期売上高:3%以上増収
- 直近の四半期営業利益:3%以上増益
- 今期売上高の会社予想:3%以上増収
- 今期営業利益の会社予想:3%以上増益
- 会社予想PER:35倍以下
スクリーニング結果
銘柄(銘柄コード) | 終値(05/20) | 海外売上高比率(通期) | 売上高増収率(通期) | 営業利益 増益率(通期) |
10年間の売上高増収回数(通期) | 10年間の営業利益増益回数(通期) | 売上高 増収率 (四半期) |
営業利益 増益率 (四半期) |
海外売上高比率(会社予想) | 売上高増収率(会社予想) | 会社予想PER |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アウトソーシング(2427) | 1,207円 | 55.6% | 55.9% | 81.4% | 10回 | 9回 | 25.5% | 7.8% | 22.1% | 32.3% | 8.2倍 |
トリケミカル研(4369) | 2,412円 | 69.3% | 18.1% | 10.6% | 9回 | 9回 | 23.8% | 28.3% | 17.5% | 14.2% | 17.4倍 |
太陽H(4626) | 3,125円 | 59.4% | 21.0% | 28.8% | 8回 | 8回 | 18.6% | 18.9% | 11.7% | 5.8% | 13.7倍 |
荏原製作所(6361) | 5,640円 | 59.0% | 15.5% | 63.4% | 8回 | 8回 | 13.0% | 15.9% | 9.4% | 7.5% | 11.3倍 |
ダイキン工業(6367) | 19,725円 | 76.5% | 24.7% | 32.6% | 9回 | 8回 | 23.9% | 28.9% | 8.7% | 7.5% | 25.3倍 |
ダイフク(6383) | 8,390円 | 65.4% | 8.1% | 12.8% | 8回 | 9回 | 12.3% | 19.0% | 10.3% | 12.4% | 26.7倍 |
TDK(6762) | 4,370円 | 92.1% | 28.6% | 49.4% | 9回 | 8回 | 29.6% | 577.1% | 15.7% | 11.0% | 11.4倍 |
santec(6777) | 1,508円 | 70.5% | 18.4% | 15.6% | 9回 | 10回 | 74.4% | 186.4% | 35.0% | 27.9% | 10.4倍 |
シマノ(7309) | 21,960円 | 89.9% | 44.6% | 79.3% | 9回 | 8回 | 13.9% | 16.8% | 6.1% | 8.6% | 17.1倍 |
島津製作所(7701) | 4,745円 | 50.9% | 8.8% | 28.3% | 8回 | 8回 | 4.1% | 7.8% | 6.3% | 6.6% | 28.5倍 |
東京精密(7729) | 4,910円 | 69.9% | 37.3% | 83.5% | 8回 | 8回 | 31.0% | 48.9% | 12.5% | 8.9% | 9.1倍 |
A&DホロンH(7745) | 1,000円 | 56.9% | 6.8% | 24.8% | 8回 | 8回 | 6.6% | 42.4% | 4.0% | 9.2% | 5.2倍 |
SHOEI(7839) | 4,955円 | 78.8% | 21.9% | 27.1% | 8回 | 8回 | 22.3% | 35.1% | 11.3% | 9.9% | 28.2倍 |
東京エレクトロン(8035) | 58,390円 | 85.9% | 43.2% | 86.9% | 8回 | 8回 | 28.6% | 52.7% | 17.3% | 19.5% | 17.4倍 |
ミスミG(9962) | 2,925円 | 50.2% | 17.8% | 92.0% | 8回 | 8回 | 4.9% | 6.7% | 10.2% | 9.7% | 19.8倍 |
(出所)2022年5月23日時点のマネックス銘柄スカウター
アナリストによる銘柄解説
10年スクリーニングで抽出された銘柄の一部をマネックス証券のマーケット・アナリスト益嶋裕の解説でご紹介いたします。
空調・化学・フィルタの3事業を展開し業務用・家庭用エアコンでは世界最大手のグローバル企業。2022年3月期は新型コロナウイルスの影響で若干の減収減益となった2021年3月期から、すべてのセグメントが大幅な増収増益でV字回復・最高益更新を達成。
今期(2023年3月期)の想定為替レートは米ドル/円が116円、ユーロ/円が126円と足元の実勢レートよりかなり保守的な円高水準に置いており、業績上振れ余地は十分にあるとみられる。さらに予想PERは25倍程度と過去5年間の平均(約29倍)からしても割安な水準にある。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
1937年の創業以来、モノを動かす"マテリアルハンドリング(マテハン)"事業を手掛けており同分野の世界最大手企業。倉庫、物流センター、自動車工場、空港、半導体工場など多岐にわたるエリアで事業を展開。システムを構成する機器・ソフトウェアを自社で開発し、コンサルティングから設計・生産・据付・保守までの一貫したサポート体制に強み。売上の約65%は海外で、中でもアジア・北米地域の割合が高い。前期は最高益を更新、今期も更新見込みとなっておりさらに今期の想定為替レートは米ドル/円が117.81円と実勢レートよりかなり円高に置いており上振れ余地もありそう。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
自転車部品及び釣り具用品の世界的メーカーで売上の構成比率は自転車部品が約80%、釣具が約20%。コロナ禍で高まった自転車需要を取り込む形で、2021年12月期は44%の増収、79%の営業増益と大幅に業績が加速した。今期もさらに増収増益予想で、最高益を更新見込み。2022年4月26日に発表された今期の第1四半期の業績も14%近い増収、17%近い営業増益と堅調な推移が確認された。堅調な業績に対し予想PERは約17倍と割安な水準にあるほか、自己資本比率は90%近くと財務も非常に健全な企業。想定為替レートは非公表。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
世界トップの高級ヘルメットメーカー。オートバイ用に限らず、航空機等に向けた高級ヘルメットを製造・販売しており世界のプレミアムヘルメット市場の60%以上のシェアを占めている。メイドインジャパンの品質の高さが武器で、毎期着実な増収増益を達成してきており今期も最高益更新見込み。9月決算採用企業で、2022年4月27日に発表した中間決算では販売数量の上振れと円安進行により、従来予想から営業利益が34%も上振れた。今期の想定為替レートは米ドル/円が105円、ユーロ/円が125円と昨年11月に発表した水準を据え置いており、大幅な円安が進行していることからも、第3四半期以降の業績上振れ可能性もかなり高いと言えそう。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
機械加工部品のメーカー兼商社。部品の標準化とオンラインカタログ、部品の半完成品である「半製品」の活用により、顧客企業へ非常にスピーディーに部品を納品可能な点が強み。2021年3月期は一部材料や部品等の不足による供給制約による業績へのマイナス効果もあるなか、世界的な自動化への強いニーズを掴み業績は過去最高益を更新。今期も着実な増収増益で連続で最高益を更新見込み。さらに今期の想定為替レートは、米ドル/円を120円、ユーロ/円を132円と置いており足元の実勢レートからはやや円高(保守的)に置いている。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
銘柄スカウター「10年スクリーニング」の使い方
マネックス銘柄スカウターとは
マネックス銘柄スカウターとは、2017年10月の提供開始以来数多くのご好評をいただいている銘柄分析ツールです。「10年スクリーニング」「アナリスト予想」「通常発表されない3ヶ月に区切った企業業績」「セグメント業績」「業績予想修正履歴」「理論株価」など投資判断に役立つ様々な情報をご提供しています。
マネックストレーダー株式スマートフォンからもアクセス可能です。詳細はご利用方法をご覧ください。
「10年スクリーニング」の使い方
「10年スクリーニング」とは、2019年4月の提供開始以来ご好評をいただいている機能です。過去10年間の業績や直近の四半期業績、アナリスト予想などで高度なスクリーニングが可能です。下記では簡単な使い方をご説明します。
銘柄スカウターを開いたら上部の黄色いメニューの「10年スクリーニング」を押す。
※スマートフォンでご利用の場合は右上の三本線のメニューよりご選択ください。
10年スクリーニングを開いたら「新規作成」ボタンを押す。
絞り込みたい条件を入力する。詳細条件を設定したい場合は「条件を追加する」を押す。
絞り込みたい詳細条件をチェックする。チェックが出来たら「決定」ボタンを押す。
条件を設定したら「スクリーニング」ボタンを押す。