相場環境が不安定な昨今、投資する銘柄にお困りのお客様も多いかもしれません。本コンテンツではマネックス証券の銘柄分析ツール「マネックス銘柄スカウター」を活用し様々なテーマで銘柄をご紹介します。今回のテーマは「インバウンド消費の回復が追い風になる銘柄」です。
いよいよ訪日観光客の受入れが再開
6月1日から新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、1日当たりの入国者数の上限が1万人から2万人に引き上げられました。6月10日からは外国人観光客の受入れも再開し、当面は感染リスクが低い国・地域からの添乗員付きのパッケージツアー客に限定して受け入れる方針です。
新型コロナ影響下では旅行・ホテル業界や百貨店、化粧品業界などのインバウンド関連銘柄が大きく打撃を受けました。訪日観光客の受入れ再開が進めばインバウンド消費の回復が期待できます。今回はそのようなインバウンド消費の回復が追い風になる銘柄を抽出していきます。
訪日外国人観光客数と年間旅行消費額の推移
(出所)「日本政府観光局(JNTO)」及び観光庁発表からマネックス証券作成
インバウンド消費の回復が追い風になる銘柄
インバウンド関連銘柄のうち、コロナ禍前を含む過去10年間で業績の伸びが見られ、今期も増収増益の会社予想が出ている銘柄を「マネックス銘柄スカウター」の10年スクリーニング機能を使って抽出しました。具体的なスクリーニング条件および抽出された銘柄は以下のとおりです。
また、ご参考としてキーワード検索を使用したスクリーニング方法もご紹介します。詳細条件設定との併用も可能ですので、ぜひご利用ください。
スクリーニング条件
10年スクリーニングの「基礎条件」でオリジナル業種を、「条件を追加する」ボタンから詳細条件をそれぞれ設定して抽出します。
【基礎条件】
オリジナル業種:ディスプレイ企画・施工・運営、百貨店、ドラッグストア、家電量販店、旅行、ホテル・リゾート、レジャー施設、総合化学、家電メーカー、化粧品、航空、航空関連サービス、空港施設
【詳細条件】
- 過去10年間の通期売上高の増収回数:5回以上
- 過去10年間の通期営業利益の増益回数:5回以上
- 今期売上高の会社予想:5%以上増収
- 今期営業利益の会社予想:5%以上増益
スクリーニング結果
銘柄(銘柄コード) | 終値 (06/08) |
オリジナル業種 | 10年間の売上高 増収回数(通期) |
10年間の営業利益 増益回数(通期) |
---|---|---|---|---|
Jフロント(3086) | 1,140円 | 百貨店 | 7回 | 6回 |
マツキヨココカラ(3088) | 5,170円 | ドラッグストア | 7回 | 8回 |
ウエルシアH(3141) | 2,604円 | ドラッグストア、調剤薬局 | 10回 | 9回 |
アイスタイル(3660) | 236円 | 美容・エステ、化粧品、コミュニティ | 9回 | 6回 |
フォーシーズH(3726) | 465円 | 美容・エステ、化粧品 | 6回 | 6回 |
ファンケル(4921) | 2,375円 | 化粧品 | 5回 | 6回 |
ハーバー研究所(4925) | 2,420円 | 化粧品 | 5回 | 5回 |
ノエビアH(4928) | 5,790円 | 化粧品 | 6回 | 8回 |
ヤーマン(6630) | 1,260円 | 美容・エステ、化粧品 | 6回 | 7回 |
富士通ゼネラル(6755) | 2,524円 | 家電メーカー | 8回 | 6回 |
H2Oリテイリ(8242) | 1,054円 | 百貨店 | 6回 | 6回 |
近鉄百貨店(8244) | 2,493円 | 百貨店 | 5回 | 5回 |
ANAH(9202) | 2,570円 | 航空 | 7回 | 7回 |
エージーピー(9377) | 610円 | 航空関連サービス | 7回 | 7回 |
スペース(9622) | 947円 | ディスプレイ企画・施工・運営 | 7回 | 6回 |
東急レクリエ(9631) | 5,060円 | 映画・興行、レジャー施設 | 6回 | 8回 |
日本空港ビル(9706) | 5,710円 | 空港施設 | 8回 | 7回 |
帝国ホテル(9708) | 1,848円 | ホテル・リゾート | 8回 | 7回 |
藤田観光(9722) | 2,745円 | ホテル・リゾート | 6回 | 5回 |
KNT-CTH(9726) | 1,776円 | 旅行 | 5回 | 5回 |
丹青社(9743) | 859円 | ディスプレイ企画・施工・運営 | 7回 | 8回 |
(出所)2022年6月9日時点のマネックス銘柄スカウター
※スクリーニング項目が多いため一部の項目を省略して表示しています。
ご参考1:「インバウンド」でキーワード検索
10年スクリーニングの 基礎条件 > キーワード に「インバウンド」と入力してスクリーニングすると、企業概要に「インバウンド」を含む銘柄が表示されます。
(出所)2022年6月9日時点のマネックス銘柄スカウター
ご参考2:「ホテル」でキーワード検索
10年スクリーニングの 基礎条件 > キーワード に「ホテル」と入力してスクリーニングすると、企業概要に「ホテル」を含む銘柄が表示されます。
(出所)2022年6月9日時点のマネックス銘柄スカウター
アナリストによる銘柄解説
10年スクリーニングで抽出された銘柄の一部をマネックス証券のマーケット・アナリスト益嶋裕の解説でご紹介いたします。
「ウエルシア薬局」を展開し売上高が1兆円を超える国内最大手のドラッグストアチェーン。イオン(8267)が約半数の株式を保有する大株主。積極的なM&Aの効果もあって、長期的に増収増益の成長を続ける。前期は衛生関連商品の反動減もあり物販がやや低調だった一方で、調剤が堅調で増収増益を達成。ドラッグストアはインフレ進行下でどのように価格転嫁を進めるかが課題となるが、外国人観光客による買い物需要を取り込むことができれば業績の大きなプラスとなるため期待したい。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
主に無添加化粧品を販売する化粧品メーカー。栄養補助食品の販売等も手掛ける。直営店舗とともに、百貨店への卸販売も手掛ける。コロナ禍に伴って在宅時間の増加やマスク着用による化粧品の利用が逆風となる中前期は営業赤字転落も今期の会社予想は黒字転換見込み。2019年3月期には売上高192億円、営業利益30億円と16%程度の高営業利益率を叩き出した実績あり。外国人観光客による百貨店利用が増加すれば同社の業績にも追い風になるとみられ、業績のV字回復に期待したい。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
航空輸送・国内路線トップ。コロナ禍で国内旅行・海外旅行ともほとんどなくなるなか、厳しい業績が続いてきたが徐々に売上高は回復中。2021年10-12月期には四半営業期黒字を回復するなどコストカットを進めている。国内旅行の回復に加えて外国人観光客の増加も重なれば、コストカット効果と相まって業績が大幅改善する可能性もあり期待したい。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
羽田空港の国内線・国際線旅客ターミナルビルのオーナー企業。コロナ禍で売上は激減し2期連続の大幅営業赤字で今期も営業赤字予想となっている。しかし羽田空港の権益を持っている点は他社に真似できるものではなく、旅行需要の復活が業績回復に直結するとみられる。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
業界2位の大手ディスプレイデザイン会社。様々な施設内外の展示ディスプレイや都市再開発、商業施設の空間づくりなどを手掛ける。コロナ禍での対面イベントの減少やオリンピックの無観客化など大きな逆風があり2期連続で営業減益中ながらしっかりと黒字は確保。対面イベントの復活に加えて外国人観光客関連イベントなども将来的には徐々に増えていくと見られ一段の業績回復を期待したい。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
銘柄スカウター「10年スクリーニング」の使い方
マネックス銘柄スカウターとは
マネックス銘柄スカウターとは、2017年10月の提供開始以来数多くのご好評をいただいている銘柄分析ツールです。「10年スクリーニング」「アナリスト予想」「通常発表されない3ヶ月に区切った企業業績」「セグメント業績」「業績予想修正履歴」「理論株価」など投資判断に役立つ様々な情報をご提供しています。
マネックストレーダー株式スマートフォンからもアクセス可能です。詳細はご利用方法をご覧ください。
「10年スクリーニング」の使い方
「10年スクリーニング」とは、2019年4月の提供開始以来ご好評をいただいている機能です。過去10年間の業績や直近の四半期業績、アナリスト予想などで高度なスクリーニングが可能です。下記では簡単な使い方をご説明します。
銘柄スカウターを開いたら上部の黄色いメニューの「10年スクリーニング」を押す。
※スマートフォンでご利用の場合は右上の三本線のメニューよりご選択ください。
10年スクリーニングを開いたら「新規作成」ボタンを押す。
絞り込みたい条件を入力する。詳細条件を設定したい場合は「条件を追加する」を押す。
絞り込みたい詳細条件をチェックする。チェックが出来たら「決定」ボタンを押す。
条件を設定したら「スクリーニング」ボタンを押す。