相場環境が不安定な昨今、投資する銘柄にお困りのお客様も多いかもしれません。本コンテンツではマネックス証券の銘柄分析ツール「マネックス銘柄スカウター」を活用し様々なテーマで銘柄をご紹介します。今回のテーマは「業績が好調なのに理論株価に比べて割安な銘柄」です。
銘柄スカウターの「理論株価」機能で割安な銘柄を探す
マネックス銘柄スカウターでは2021年10月から「理論株価」という機能をご提供しています。投資指標を統計処理したデータをもとに算出した理論株価や想定株価レンジ等をご確認いただけます。
理論株価とは
理論株価とは、過去75日間のPERやPBRの平均値等のデータをもとに妥当と考えられる株価を算出したものです。データの分布の度合を示す数値である標準偏差を表すσ(シグマ)を使って割安か割高かを表示します。平均値から標準偏差だけ離れていれば±1σ、標準偏差の2倍離れていれば±2σとなります。分布のしかたが正規分布である場合、全体の68.3%が平均±1σの範囲に収まり、95.4%が平均±2σの範囲に収まるとされています。
(出所)マネックス銘柄スカウター
想定株価レンジとは
想定株価レンジとは、過去75日間のPERやPBRのレンジ等をもとに算出した、想定される株価の上値目途・下値目処です。例えば下図の場合、株価は濃い緑色の線と濃い紫色の線の間に収まると想定されるため、現在の株価が濃い紫色の線に近い場合は割安であると言えます。
※統計処理したデータをもとにした理論値であり、将来的な株価動向を予測・保証するものではございません。
(出所)マネックス銘柄スカウター
長期的に業績好調なのに理論株価に比べて割安な銘柄
長期的に業績が良く今期業績も好調であると予想を出している銘柄のうち、対想定レンジ株価位置が低い銘柄を「マネックス銘柄スカウター」の10年スクリーニング機能を使って抽出しました。具体的なスクリーニング条件および抽出された銘柄は以下のとおりです。
スクリーニング条件
10年スクリーニングの「条件を追加する」ボタンから詳細条件をそれぞれ設定して抽出します。
【基礎条件】
なし
【詳細条件】
- 対想定レンジ株価位置(会社予想PER基準):-1.0σ以下
- 対想定レンジ株価位置(PBR基準):-1.0σ以下
- 直近の通期売上高:5%以上増収
- 直近の通期営業利益:5%以上増益
- 過去5年間の通期売上高の平均成長率:5%以上
- 過去5年間の通期営業利益の平均成長率:5%以上
- 今期売上高の会社予想:5%以上増収
- 今期営業利益の会社予想:5%以上増益
- 今期売上高の会社予想:過去10年間の最高を更新
- 今期営業利益の会社予想:過去10年間の最高を更新
スクリーニング結果
銘柄(銘柄コード) | 終値(08/03) | 対想定レンジ株価位置 (会社予想PER) |
対想定レンジ株価位置(PBR) | 売上高増収率(通期) | 営業利益 増益率 (通期) |
---|---|---|---|---|---|
ドーン(2303) | 1,756円 | -1.8σ | -1.80σ | 9.2% | 18.0% |
エスプール(2471) | 1,048円 | -1.0σ | -1.28σ | 18.3% | 19.7% |
バリューコマース(2491) | 2,697円 | -2.0σ | -2.20σ | 15.0% | 27.1% |
cotta(3359) | 480円 | -1.2σ | -1.05σ | 17.8% | 57.3% |
コムチュア(3844) | 2,449円 | -1.3σ | -2.58σ | 19.7% | 26.9% |
CTS(4345) | 769円 | -1.5σ | -1.50σ | 5.8% | 18.0% |
石原ケミカル(4462) | 1,261円 | -1.1σ | -1.21σ | 12.2% | 38.1% |
太陽H(4626) | 2,817円 | -1.1σ | -1.65σ | 21.0% | 28.8% |
AGC(5201) | 4,720円 | -2.3σ | -3.06σ | 20.2% | 172.1% |
東京製鐵(5423) | 1,351円 | -1.8σ | -1.09σ | 91.5% | 695.3% |
アドテックPテク(6668) | 1,806円 | -1.7σ | -1.41σ | 12.2% | 26.1% |
新光電気工業(6967) | 3,475円 | -1.2σ | -1.21σ | 44.6% | 206.0% |
いすゞ自動車(7202) | 1,467円 | -1.0σ | -1.26σ | 31.8% | 95.5% |
シマノ(7309) | 23,010円 | -1.2σ | -1.23σ | 44.6% | 79.3% |
日本MDM(7600) | 1,465円 | -1.5σ | -2.19σ | 14.7% | 22.7% |
丸和運輸機関(9090) | 1,371円 | -1.1σ | -1.51σ | 18.6% | 7.9% |
BB太田昭和(9658) | 1,391円 | -1.3σ | -1.12σ | 10.9% | 24.8% |
(出所)2022年8月4日時点のマネックス銘柄スカウター
※スクリーニング項目が多いため一部の項目を省略して表示しています。
アナリストによる銘柄解説
10年スクリーニングで抽出された銘柄の一部をマネックス証券のマーケット・アナリスト益嶋裕の解説でご紹介いたします。
長野県に本社を置く建設ICT会社で、建設業に特化したデジタルデータサービスや測量計測システムなどを提供。2012年3月期以降全て増収増益と長期に渡り成長継続中。7月末に発表した第一四半期決算も増収増益となったが物足りないとの受け止めからか発表後に株価は調整しており、銘柄スカウターの理論株価との比較で株価は大きく割安な水準。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
世界最大手のガラスメーカー。建築用ガラス、自動車用加工ガラス、ディスプレイ用ガラスなどを手がける。製品販売価格の上昇や円安進行の恩恵を受け今期の業績も好進捗で、第二四半期決算発表時に業績予想を上方修正。今期の売上高は初めて2兆円の大台を超える見込みとなり営業利益も大幅増益の見込みとなっている。予想PERは9倍程度、PBRは1倍割れと各指標は非常に割安な水準。銘柄スカウターの理論株価と比較しても大きく割安で投資妙味ありか。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
トラックやバスの商用車メーカー。大小様々なバスやトラックを製造しており、ディーゼルエンジンでは世界トップクラス。昨年トヨタ自動車(7203)と資本業務提携を行う。海外売上はタイや中国を中心としたアジアに強み。今期は過去最高の生産・販売台数を計画しており、本決算発表時点での会社計画では売上高は3兆円、営業利益は2,000億円といずれも過去最高を更新する見込みと発表。一方で株価は6月以降調整しており銘柄スカウターの理論株価に比べると割安圏にある。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
自転車部品及び釣り具用品の世界的メーカーで売上の構成比率は自転車部品が約80%、釣具が約20%。コロナ禍での自転車需要を取り込み絶好調だった前期から継続して今期も業績は好調に推移。4-6月期の売上高は前年同期比15.5%増の1,596億円、営業利益は14.8%増の428億円といずれも四半期として過去最高を更新。円安の影響から通期の経常利益予想や当期利益予想を上方修正するなど業績の不安感は少ない。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
整形外科を中心とした医療機器の開発や輸入販売などを手掛ける。様々な製品を手がける中でも骨接合材料関連製品は国内トップクラスの実績。長年着実に成長しているとともに前期の営業利益率は14%近くと高利益率な点も魅力。第一四半期は円安に伴うコスト増で増収減益となった。銘柄スカウターの理論株価では、会社予想PER基準、PBR基準ともマイナス2σを割り込む割安水準に。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
銘柄スカウター「10年スクリーニング」の使い方
マネックス銘柄スカウターとは
マネックス銘柄スカウターとは、2017年10月の提供開始以来数多くのご好評をいただいている銘柄分析ツールです。「10年スクリーニング」「アナリスト予想」「通常発表されない3ヶ月に区切った企業業績」「セグメント業績」「業績予想修正履歴」「理論株価」など投資判断に役立つ様々な情報をご提供しています。
マネックストレーダー株式スマートフォンからもアクセス可能です。詳細はご利用方法をご覧ください。
「10年スクリーニング」の使い方
「10年スクリーニング」とは、2019年4月の提供開始以来ご好評をいただいている機能です。過去10年間の業績や直近の四半期業績、アナリスト予想などで高度なスクリーニングが可能です。下記では簡単な使い方をご説明します。
銘柄スカウターを開いたら上部の黄色いメニューの「10年スクリーニング」を押す。
※スマートフォンでご利用の場合は右上の三本線のメニューよりご選択ください。
10年スクリーニングを開いたら「新規作成」ボタンを押す。
絞り込みたい条件を入力する。詳細条件を設定したい場合は「条件を追加する」を押す。
絞り込みたい詳細条件をチェックする。チェックが出来たら「決定」ボタンを押す。
条件を設定したら「スクリーニング」ボタンを押す。