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2017年度下半期 日本株展望(広木 隆)

2017年度下半期 日本株展望(広木 隆)

2017年度下半期、果たして株価はどう動くのか。マネックス証券のアナリスト陣が2017年度下半期の株式市場の見通し、注目テーマ解説、そして注目銘柄などをお伝えいたします。ぜひご参考ください。

広木 隆

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

広木 隆

上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。青山学院大学大学院(MBA)非常勤講師。
テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、ラジオNIKKEI、ストックボイス等、メディアへの出演も多数。

著書
『9割の負け組から脱出する投資の思考法』
『ストラテジストにさよならを 21世紀の株式投資論』
『勝てるROE投資術』

下半期 日本株式市場の見通し~日経平均は2万2000円へ~

日経平均は2018年3月に2万2000円に達すると予想

日経平均は2018年3月に2万2000円程度に達すると予想する。その根拠は上場企業の業績が好調であることだ。今期の上場企業の利益は2年連続で最高益を更新する見通しである。日経平均をひとつの「企業」と捉えて1株当たり利益を算出すると現在は約1,410円である。過去平均と同等のPER15倍で評価すれば株価は2万1000円を超える。今後、企業業績の見通しは上方修正される可能性があり、PER15倍水準の株価はさらに切り上がる。

年度末には2年連続最高益更新の確信度が高まるだけでなく、すでに9%程度となっている日本企業のROE(自己資本利益率)が、いよいよ2桁にのせる期待も出てくるだろう。利益率の改善を伴うROE10%となれば外国人投資家から評価されるだろう。コーポレートガバナンスの強化やESGへの取り組みが進展していることも日本株が見直される材料となる。そういう状況下では現在極端に冷え込んでいる市場センチメントが改善してPERが上昇することも期待できる。少なくとも平常時のPERに近づくくらいのことは想定してもいいだろう。業績の上方修正、PERの拡大、そのいずれか、もしくは両要因をもとに日経平均2万2000円はじゅうぶん射程距離の範囲である。

米国で税制改革が行われ、米金利が上昇。FEDの金融正常化と相まって、ドル高となる。レパトリ減税も決まれば、ドル円は125円程度はいくだろう。日本企業の業績上振れが来年も期待できる。9月第2週の外国人の先物(合計)買い越し額は1兆2千億円強と今年最大となり2014年11月第1週以来の大きさだ。すでに外国人は日本株を買ってきている。

2014年11月第1週も1兆4千億円、先物を買い越した。それは衆院選の約1ヶ月前。今回の外国人の先物大幅買い越しもまた衆院選の約1ヶ月前。タイミングも金額も符合する。2014年年末の総選挙で与党が勝って以降、株高の流れが鮮明となり、翌2015年の夏まで上がり続けた。今回も与党が勝てば年度末まで上昇相場が続くだろう。

日経平均と予想PERレンジの推移

(出所)QUICKデータよりマネックス証券作成

リスク要因は円高と北朝鮮情勢、米国の財政問題

日本企業の業績が好調という前提が崩れかねない懸念は円高であろう。下期を展望すれば円高リスクは少なくない。例えば米国の金融政策の先行き不透明感などだ。物価上昇率の鈍さやハリケーンによる経済への打撃などが足かせとなり年内の利上げ観測が後退している。しかし、FRBのバランスシート縮小は10月から開始される。実際にマネーの量を絞るという政策が金利や為替レートにどう影響するかは始めてみないとわからない部分もある。ECBの量的緩和縮小も年内に決定・公表されるだろう。いずれにせよ主要国の中銀の中で日銀だけが出口政策から取り残されている状況に変わりはなく、積み上がった円売りポジションの調整が済めば再度円安となる可能性もある。

日銀短観による大企業・製造業の想定為替レートの平均は109円程度であり、また下期の業績を保守的に見積もっている企業も多いことから、現状水準の為替レートでは大きな業績の下振れはないだろう。そもそも、日本企業は海外生産や原材料のドル建て調達を拡大するなど円高抵抗力をつけてきている。多くの企業の収益構造が円安頼みでなく利益を稼げる体質に変化している。また、為替に左右されない内需企業の業績も好調なものが目立つ。最近、株式相場と為替の動きに連動性が薄らいできているのは、市場もそれらの点を理解していることの現れであろう。

読みにくいリスクは北朝鮮を巡る国際情勢と米国の財政問題である。12月8日まで債務上限を凍結し、かつ同日までの暫定予算を含む一体化法案が議会で可決されたが、問題を先送りしただけに過ぎない。今回、電撃的に法案が通ったのはトランプ大統領が与党・共和党の案ではなく民主党の案を丸飲みしたからだ。目先の政府閉鎖・デフォルトリスクは回避されたが、12月の期限までに、今度は待ったなしの議論となるだろう。トランプ大統領がメキシコの壁建設予算に固執すれば交渉は難航が予想される。暫定予算で梯子を外された共和党指導部と大統領の間で溝が広がる恐れもある。市場が期待する税制改革が暗礁に乗り上げるリスクもあり、そうなった場合は米国株安・ドル安を通じて日本株の下落につながるため警戒したい。北朝鮮情勢は真の不確実性なので予見不能。予断を持つことは慎むべきであろう。

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