口座凍結に備える株式管理サービス「たくす株」で、もしもの時の手続きの代理人や財産の受取人として指定できるご家族の範囲を拡大しました。この機会に「たくす株」がどんなサービスか知っていただきたく、グループ会社のマネックスSP信託が「たくす株」を解説します。
※たくす株はマネックスSP信託のサービスです。マネックス証券はマネックスSP信託の代理店としてご案内しています。
人生100年時代とは?
この言葉のきっかけとなったのは、英国のリンダ・グラットン教授の「LIFE SHIFT(ライフシフト)」という著書です。2015年時点で、60歳の約4分の1の方の寿命年齢が95歳というという試算もあり、100歳まで全うする時代が到来しようとしています。
2015年推計 | 1995年推計 | |
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80歳 | 78.1% | 67.7% |
85歳 | 64.9% | 50.0% |
90歳 | 46.4% | 30.6% |
95歳 | 25.3% | 14.1% |
100歳 | 8.8% | - |
出典:国立社会保障・人口問題研究所「将来人口推計」(中位推計)
2019年6月3日付け金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」参照
一方、健康寿命と平均寿命に乖離があります。寿命は続くのに健康上の問題で生活を制限される期間が約10年※です。この間、お金の面では、介護費用など特別の費用による支出の増大といった家計の影響のほか、金融機関の窓口へ出向くことが困難になるなど金融サービスの利用にも支障が出ます。
※厚生労働省の資料によれば男性の平均寿命は80.98歳 健康寿命は72.14歳。
女性の平均寿命は87.14歳 健康寿命は74.79歳と言われています。
認知症の高まり
介護が必要となった原因として最も多いのが「認知症」です。以前は脳血管疾患(脳卒中)が最多でしたが、近年は認知症となっています。2025年には認知症の有病者が約700万人前後まで増加すると推計され、高齢者(65歳以上)の約5人に1人が該当すると考えられています。
また、認知症は75歳を超えた辺りから発症する割合が大きく上昇する傾向があります。
【介護が必要となった主な原因】
出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」
認知症となると、株式を保有していることを忘れるといった記憶障害に加えて、判断能力の低下で、将来の蓄えを消費してしまう、目先の利益を追ってしまうといった行動が「資産寿命の短期化」につながるとの指摘もあります。
たくす株の誕生
マネックスも創立20年を超え、この間、お客様の年齢層の幅も広がり、多くのシニア層のお客様にお取引いただいています。
それに伴い、お客様が認知症を患われて口座を凍結せざるを得ない事態に接することも増えました。ご家族からのご相談に対しては、成年後見制度の申請を案内して参りましたが、その利用は広がりませんでした。
お元気なうちは自由に資産運用を楽しんでいただき、万が一、認知症となっても、円滑にご家族に財産の管理権が移って「凍結されない口座」、それがたくす株です。お客様のお持ちの株式をたくす株専用口座に移管することで、たくす株のサービスが始まります。
株式投資家は、趣味として、社会との接点の一つとして資産運用を続けたいものです。私たちはその想いを支援したいと考えています。ただ、健康寿命はいつどうなるか分かりません。お客様が「ずっと、自分らしく」資産運用を続けていただければと思い、たくす株を開発しました。
※万が一の際、財産の管理権等を持つご家族として、次の①または②に該当する方をご指定いただけます。
- ① お客様の配偶者か、四親等以内の人(血族または姻族)
- ② お客様(将来、相続が開始した場合に相続人となるべき人)のうち、マネックスSP信託が指定する人の全てから同意を得た人
たくす株の利用をおすすめしたいお客様
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「最近もの忘れが多くなってきた。」
たくす株でお客様ご自身もご家族も「安心」。
加齢に伴い、もの忘れは生じます。ただ、もし脳の記憶機能の低下が原因であったなら、認知症と診断され、判断能力がなくなった後に講じられる対策は、成年後見制度などに限定されます。将来の豊かで安心な暮らしのために殖やしてきた財産ですから、このようなときのためにこそ活用していただきたいです。 -
「これからも資産運用を楽しみたい。生涯株式投資家でありたい。」
たくす株で資産運用と財産管理を両立できて「便利」。
たくす株のご利用後もお元気なうちは、証券総合取引口座に残した株式は従来通りオンライン取引が可能で、たくす株専用口座に移管した株式も電話注文になりますが売却が可能です。また、たくす株専用口座に移管した株式を、後日、証券総合取引口座(一般口座に限定)に戻し入れることもできますし、少しずつたくす株専用口座に追加することも可能です。証券総合取引口座とたくす株専用口座を併用して、殖やす株式と遺す株式に分けて管理することができます。 -
「いずれはこの株式をそのまま相続させたい。」
「簡単」な相続対策。
わざわざ遺言書を書かなくても、ウェブサイトで指定いただければ、たくす株専用口座の株式を特定のご家族に相続できます。思い入れのある株式を自分が選んだ方に引き継いでいただきましょう。
※たくす株は日経経済新聞社が主催する「2021年日経優秀製品・サービス賞」において、「日経ヴェリタス賞」を受賞しました。
むすび
人生100年時代では、殖やした資産をどのように活用し、いかに減らさないかという「資産活用」を考える必要性に直面しています。ある一定の年齢に達したら安全資産に、というだけで良いのでしょうか。シニア世代の資産活用に合わせた財産の組み合わせとそのツールを選択し、豊かなシニアライフを過ごしていただきたいと思います。ご家族が今後のことで不安がないというのも重要です。
私たちは皆さまと一緒に、これからの資産活用を考えて参ります。是非お気軽にご相談ください。
※ マネックスSP信託のホームページに遷移します。