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円満な相続のカギを相続のプロ永井氏に聞きました

多くのシニア世代が関心をもつ「相続」について、当社の財産管理・相続に関するオンラインセミナーでおなじみの「相続のプロ」である資産承継コンサルタントの永井勝己氏へインタビューしました。二回に分けてお送りする第一回目は、永井氏のこれまでのキャリアや円満な相続がテーマです。

資産承継コンサルタント 永井 勝巳 氏

資産承継コンサルタント

永井 勝巳 氏

1975年 三井信託銀行入社 中央信託・住友信託との合併を経て
2016年 三井住友信託銀行 プライベートバンキング部 上級主席財務コンサルタントを最後に退職。
同年よりファイナンシャルプランナーとして相続を中心にコンサルタント活動開始。

成蹊大学 経済学部 非常勤講師 「信託の理論と実際」
著書 「財コン!円満相続への案内人!」(幻冬舎)他

これまでのキャリア

-これまでのご経験の中から「円満相続」のヒントをお聞きしたいと考えています。まず、永井さんのこれまでのキャリアを教えていただけますか。

永井氏:

大学卒業後に、信託銀行に入社して43年間、勤務しました。そのうちの後半は財務コンサルタントとして、財産管理や資産の承継等の相談を受けて、遺言作成から執行まで包括的に解決策をご案内してきました。
退職後は、大学で信託の非常勤講師もしましたし、相続をテーマにした小説も出版したんですよ。「財コン!円満相続への案内人!」というタイトルです。タイトルの「財コン」とは財務コンサルタントの社内での略称です。

-財務コンサルタントとして行っていたことは?

永井氏:

「遺産整理」、「遺言の執行」それから、「遺言の作成支援」。この3つがメインでしたね。
「遺産整理」というのは、遺言がない場合の相続にあたって、「手続きがよく分からないのでやって下さい」というお客様のために相続手続きを代行するものです。相続人の遺産分割協議の相談にも乗りながら分割協議書を完成させ、相続人の意向に沿った配分を実現させていきます。
「遺言の執行」も相続の手続きをするのは同じですが、こちらは遺言に基づいて行います。どちらも相続発生後の手続きのお手伝いをするものですね。
「遺言の作成支援」は、生前の相続対策です。遺言以外の対策も含めてご提案をしますが、相続対策としては遺言による解決が一番多いです。

-これまでに非常に多くのお客様の相続に関するお手伝いをされてこられたのですね。

永井氏:

そうですね。信託銀行43年間の勤務のうち、15年くらいは相続対策のお手伝いをしていました。私が財コンとして支店勤務した後はプライベートバンキング業務を行う部署にもいきまして、そこはどちらかと言うと生前の相続対策が主でした。
支店では、1年間に20件くらいの遺言を作ったり変更したりするんです。相続の手続きも年間十数件。1つの案件が、半年から1年間くらい続きますから、複数の案件が並行します。10件同時となるとちょっと大変だったという思い出がありますね。
今は分業制になっているので、支店の財コンは生前の相続対策に専念して、相続発生後の遺産整理の手続きは本部の担当に任せるようになっているようです。

-相続発生後の遺産整理までやった経験があると、生前対策の方にも経験が生きてくるということもあるのですか。

永井氏:

そうですね。遺言を形式を整えて作るだけなら簡単ですけど、実際に相続が起こって、自分がその遺言の内容を実行する、(遺言の「執行」といいます)
その実務を知らない人が作ると、ちょっと心配ですよね。執行の実務をやり易くして、トラブルにならないよう「こういう遺言を作った方がいいですよ。」という風にリードできなければ、一人前とは言えませんね。揉めない遺言を作るには、揉めた経験がないと分からないというのは、現実的なところなんですよ。

マネックス証券でのオンラインセミナーの撮影前の永井氏

円満な相続のために

-「円満な相続」のためにやっておいた方がいいとか、これまでのご経験を踏まえた持論なんかはありますか。

永井氏:

信託銀行時代には、色々と相続対策をお手伝いをしてきましたが、円満な相続というのは家族の気持ちにわだかまりなく、仲違いなく相続を終えられるということだと思います。
単に「円滑」な相続となると、財産の名義書換の手続きがスムーズになるようにしておく、とか、そういう手続き上の円滑化なんです。「円満」につながるけれど、それだけで十分ではないと思います。

円滑な相続はいろんな対策を組むことで実現できますし、私たちもお手伝いが出来ますが、やっぱり、家族の仲がそもそも良いかどうかというところが大事なんだと思うんです。

揉める要因は遺産の分け方ですね。あとは、お墓を誰が守ってやっていくかとか、そういう問題で揉めたりするのもあります。いろんな相続をみてきて、やはり家族間のコミュニケーションがないといけないということだと思いますよね。

-家族の仲が良いというのが「争族」対策なんですね。逆にいうと、家族の仲が良ければ相続対策は何もしなくてもいいということになりませんか。

永井氏:

仲が良いといっても、普通に生活していればの話で、それがいざ相続となるとお金が絡んで、どっちが多いとか少ないとかで揉めだすと、争いに発展してしまうみたいなことが結構あるんですよ。
私個人でも、親しい人同士のやり取りしているのを聞いて、「えっ、この人がこんなことを言うんだ。」みたいなことも沢山ありましたからね。普段のお付き合いでは楽しくやっていたのに、利害が対立したら言うことや態度が変わってくるっていうことも、実際、感じたことはあります。

-なるほど。損得が絡んだ時には人間は争いやすい、ということを念頭に置かないといけませんね。

永井氏:

それから、そもそも難しいご家庭というのもあります。例えば、先妻と後妻の関係とかそのお子さんとか、仲良くやろうと思っても最初から難しいケースもあるわけなので、そういう場合には、ひびを大きくしないように、準備をしておかないといけない。

-仲が良ければそれを継続できるように、仲が悪いところは、必ず、相続対策を考えたい、ということなんですね。

永井氏:

そういうことです。

-これまでのコンサルタントのご経験で円満な相続となった家庭の共通点なども知りたいです。

永井氏:

繰り返しになりますが、家族の仲が良いことが共通点。逆に上手くいかないケースはやはりコミュニケーション不足でしょう。
例えば、長男夫婦が母親と同居して介護をしている、というケース。母親が、たまに来た次男夫婦に、「お嫁さんが冷たい。」とか「折り合いが悪い。」とか、つい愚痴を言ってしまうと、どうなるでしょう。
相続になって、悪口を聞かされていた次男は長男を良く思わないので、「実家の相続は、自分にも半分権利があるから、兄ちゃん出て行ってよ。」みたいなことになって揉めてしまう。

また、こんなこともよくあります。長男が母親の財産管理をしていて、今まで母親が貯めたお金が3,000万円あったのに、長男が同居し始めてからお金がどんどん減って、「お兄ちゃんが使い込んだんじゃないか?3,000万円の定期預金があったのに1,000万円しかないじゃないか。」と言い出して、揉めてしまう。

私がアドバイスできる立場にあれば、母親の財産を管理するなら、きちんと帳簿をつける等して次男にも知らせておくように言います。「今回、こういうことでお金を使うぞ。」と兄弟でコミュニケーションをする。そして、残高を定期的に伝えておくのが一番大事かなと思います。よく「争続」と言われますが、こういうケースが多いものなんです。

-使い込みを疑って揉めてしまう、ということですね。一度疑いだすと正当に抗弁しても、言い訳に聞こえてしまって、元の関係に戻らなそうですよね。

永井氏:

例えば、裁判所等の第三者が仲裁に入っても、はっきりとした証拠があれば分かってもらえるけれど、普通はそういうはっきりとしたものがないんですよね。
ですから、通帳の記載を見て、「何でここで50万円出しているんだ。」とか、「弱ってる母親がこんなにお金を使うはずがない。」とか言ったりする訳ですよね。そのときに、母親が寄付した領収書があるとか、医療に高額な費用がかかったと分かれば、いいんです。そういうものが無いとどうなるかと言うと、どんなに長男が説明しても疑ってかかるから「冗談じゃないよ。」といったことになる。円満な相続の為には相続の前から兄弟も努力しておかないといけないってことですね。

-なるほど、情報を共有しておくとなると、中心はお金を何に使ったかというところですね。

永井氏:

そうです。相続関係で揉めるのは財産のことが多いので、母親の財産管理をしているのであれば、内容を兄弟にも知らしめておくというところでしょうね。それで、「介護が大変なんだよ。」と訴えておいた方がいいと思いますね。

永井氏のセミナーのご案内

円満な相続のために、「家族間のコミュニケーション」の大切さや、どういう内容を伝えておくと良いのか等、経験に裏打ちされた実践的なお話をしていただきました。
相続のプロ・永井勝巳氏インタビューは、第二弾に続きますのでご期待ください。

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