はじめてのテクニカル分析

用語集

足(あし)
価格推移の足取記録のこと。日足(ひあし)、週足(しゅうあし)、月足(つきあし)などは、1本の足に記録された値動きの単位時間を表している。また、ローソク足、鉤足(かぎあし)、新値足などは、値動きの表現方法を表している。この他、「長い足」「短い足」などは単位時間における変動幅を意味しており、「上げ足」「下げ足」などはトレンドを意味している。さらに、表現方法や1本の足を指して「足形(あしがた)」という場合もある。
アノマリー
合理的な説明が難しい経験則のこと。例えば、週初めの月曜日には新たに買いポジションを持つ投資家が多いため価格が高くなりやすく、週末の金曜日にはポジションの整理が行われるため価格が安くなりやすい傾向がある。また、1年の中では年初の1月、年度初めの4月が高くなりやすいなど。また、月初の1日が日曜日で2日から取引が始まる月は相場が荒れやすいとして「2日新甫(しんぽ)は荒れる」などといったりする。
アルゴリズム取引(あるごりずむとりひき)
相場状況をコンピュータに判断させて、適切な条件が揃った時に発注する自動売買手法のこと。コンピュータ・プログラムの処理手順をアルゴリズムということに由来する。元々は、機関投資家が大口注文を執行する時などに、自らの発注によって相場が変動することが少ないように、他者の注文状況を勘案しながら自らの注文を小口に分けて発注する手法を指したが、現在はコンピュータを利用して発注する方法の総称として使うことが多い。
α(あるふぁ)
投資対象の収益率と市場全体の収益率の差のこと。投資対象固有の収益率であり、プラスであれば市場全体の収益率(β[ベーた]という)を上回っており、マイナスであれば下回っていることを意味する。市場を上回る投資収益を狙うことを「αを取りに行く」といい、ファンダメンタル分析とテクニカル分析のどちらを用いるにせよアクティブ運用はαの獲得を目指している。アクティブ運用の反対語はパッシブ運用という。
板(いた)
個別の投資対象において、価格別に売り買いの注文状況を示した一覧表のこと。買いの注文株数が多ければ、その後の価格上昇が予想され、売りの注文株数が多ければ、その後の価格下落が予想されるが、実際にはその反対に動く場合も多い。以前は、売買注文を出す時に注目されたが、現在の証券取引所では1/1000秒単位で注文が執行される一方、液晶などの表示更新は1/60秒毎なので、正確な板状況を把握することは事実上不可能になった。
一目均衡表(いちもくきんこうひょう)
一目山人氏が昭和初期に考案した相場観測法。時間論、波動論、値幅観測論で構成され、節目となる価格変化が起こった日から基本数値や対等数値の日数を数えて将来の変化日を予測する。チャート分析では、実線(株価)、基準線、転換線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパンを用い、2本の先行スパンに囲まれた領域を雲と称して抵抗帯とする。海外でも英文の解説書が出版されるなど、認知が広がりつつある。
移動平均線(いどうへいきんせん)
過去一定期間の価格を平均して連続させた線のこと。価格は、種々雑多な材料を織り込んで細かく上下するが、これはいわば雑音のようなもので、価格推移の傾向を隠して分かりにくくしている。そこで、価格を平均することによって細かい上下動を取り除き、本質的な傾向を明確にしようとしたもの。単純移動平均は、計算は簡単だが実際の価格推移からの遅行が大きい。遅行性を改善したものに指数平滑移動平均、加重移動平均などがある。
陰陽足(いんようあし)
陰線と陽線の区別があるチャートのことで、現在はローソク足のこと。終値が始値よりも安い足を陰線、終値が始値よりも高い足を陽線というが、昔は両者の区別があるものはすべて陰陽足と呼んだ。江戸から明治にかけての時代には、相場の陰陽は、陰陽五行(十干と同じ甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸)が関係していると考えられており、陰陽五行の暦と合わせて相場の予測が行われるなど、陰陽は特別の意味を持っていた。
上影(うわかげ)
ローソク足において、実体の上端(始値と終値のいずれか高い方)から高値まで引かれる縦線のこと。上影は、買い方が高値まで買い上がったものの、最終的には売り方に押し戻されたことを意味するので、売り方優勢と判断されることが多い。しかし、実際には、上陰線(うわかげせん=下影よりも上影の方が明確に長い線)は上昇局面において多く観察されることから、買い方が敵陣へ攻め込んだ痕跡という見方ができるかもしれない。
エリオット波動(えりおっとはどう)
R. N. エリオットが1938年に出版した「波動原理」で提唱した広範な相場観測法。価格推移は上昇・下落・上昇・下落・上昇の5波動で上昇し、下降・上昇・下降の3波動で下降する8波動で構成される。この中の上昇と下落はより小さい8波動で構成される一方、全体はより大きなサイクルの上昇と下降の2波に相当し、価格推移はフラクタル構造になっているとする考え方。現在でも一部に根強い支持者がいる。
押目(おしめ)
価格推移が上昇基調にある中で一時的に価格が下落する場面のこと。「悪目」と書く場合もある。下落しても直ぐに反発して元の上昇基調に戻るので買いの好機とされ、この場面で買うことを「押目買い」という。しかし、押し目を作らずに上昇することもあり、好機を待って投資機会を逸してしまうことを「押目待ちに押目なし」と冷やかしていう。さらに、下降に転じた初期場面が押し目に見える場合もあり、十分な注意が必要である。
オシレーター
ある水準を基準として上下動を繰り返す性質のあるテクニカル指標のこと。基準値に戻る性質があることから、基準値から大きく外れた場合には、いずれ基準値に戻ることが想定される。そこで、そのような場合には、価格推移が反転することを前提として、ポジションを持つ準備をする。現在の価格推移とは反対方向の投資を狙うことから「逆張り指標」ともいわれる。1950年代以降、コンピュータの普及と共に欧米で開発が進んだ。

※日本テクニカルアナリスト協会 「はじめの一歩 テクニカル分析 ハンドブック4(用語集)」より転載