シリコンバレーのIT企業を4社訪問し、各企業のIR担当者に強みや今後の展望などを聞いてきました。本コンテンツでは日本での愛好者も多いフィットネス機器メーカーのFitbitをご紹介します。説明していただいたのはFitbit本社でIRを担当するThomas Hudson氏です。
セキュリティ関連事業が成長の柱に Juniper Networks
本コンテンツはシリコンバレーに本社を置く米国企業4社に行ったインタビューを紹介するもので情報提供が目的であり、投資その他の行動を勧誘する、あるいは、コンテンツ中の個別銘柄を勧誘、推奨するものではございません。また、過去の実績は将来の投資成果を保証するものではありません。銘柄の選択などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断にてお願いいたします。
業績の苦戦と今後の戦略
-本日はよろしくお願いします!まず最近のビジネス状況について教えてください。
よろしくお願いします。ご存知の通りFitbitはIPO以降なかなか業績が伸びず苦戦していますが、それを打開するために4つの観点から改善に取り組んでいます。1つ目が「変動の大きいウェアラブルマーケットへの適応」2つ目が「ヘルスケアの世界に踏み込んでいくこと」3つ目が「機器だけでなくソフトウェアの開発に力を入れること」4つ目が「業務の効率化をあげること」です。
Fitbitの株価推移
(出所)Bloombergデータよりマネックス証券作成
-「ウエアラブルマーケットへの適応」とは具体的にはどういったアクションでしょうか?
これが米国で2週間前に発売したばかり(インタビュー当時)の新製品です。バッテリー寿命が長くなり4日以上充電なしで使えます。音楽が聞けて、クレジットカードを登録すれば買い物もできます。第1週から記録的な売上を達成しています。
新製品のfitbit versa(マネックス証券撮影)
-ユーザーに評価されているポイントはどういった点ですか?
やはり価格に対する価値だろうと思います。米国での販売価格は200ドルくらいです。競合他社の製品と比べて非常に競争力のあるクオリティ、価格だと考えています。GPSのような高コストの部品を外したことなどで競争力のある価格を実現することができました。また、最初に製品を出した際には専用のソフトウェアをいちから作ったのでコストが多く必要でしたが、現在は一度作ったプラットフォームをベースに作っているのでコストをおさえることができています。
-新製品を購入しているのは新規顧客または過去の購入顧客のどちらが多いですか?
両方ですが、40%は再購入の方です。そして面白いことにそのうちの半分はもともと持っていた端末を使っていなかった人なのです。新製品の発売をきっかけにまた使ってみようと考えたようですね。
-端末以外で力を入れているポイントについても教えてください。
今後はソフトウェアによる健康意識への動機づけが鍵を握ってくると考えています。そしてそういった人々のコミニティを醸成していくことが大切です。現在のソフトウェアは例えば自分がランニングした距離がランキング表示されるなどの機能を備えています。睡眠、血糖値、心臓に関連したデータなどを取ることができます。今後はこういったデータを医療に有効利用していきたいと考えています。以前は端末を売るということだけにフォーカスしすぎていたのかもしれません。
-これまで業績が低迷してしまっていた理由をどのように考えていますか?
先ほどもお話したとおり端末を売ることのみにフォーカスしすぎていたということと、製品自体の魅力にも足りない部分がありました。まず大きすぎたこと、そして価格が高すぎたこと、女性にアピールできる点が少なかったことなどが挙げられます。これらの分析を元に新製品を作りました。新製品は販売価格を下げることができましたが、それによって利益率が下がっているわけではありません。
Fitbitの業績推移
(出所)Bloombergデータよりマネックス証券作成
-Googleとの提携を発表されました。その意図はどのようなものですか?
3つの焦点があります。1つ目は「データインフラをグーグルのプラットフォームにのせることで我々の運用コストが下がること」2つ目は「我々のデータを使いAIなどを活用しながら医療用のアプリケーションの開発を志向していくこと」3つ目は「電子医療記録との連携を模索すること」です。Googleに限らず、大小の企業と連携しながらスケール効果を発揮してコストを下げながら新技術の開発などに取り組んでいきたいと考えています。
-最後に日本の投資家にメッセージをお願いします。
新製品の滑り出しは非常に好調ですし、まもなく日本の皆様にもお届けできる予定です(2018年6月から日本で販売開始)。ぜひ今後のFitbitに期待してください。
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