米トランプ大統領がメディアのインタビューで景気後退の可能性を否定しなかったことで、2025年3月11日の日経平均株価は一時1000円超下落し、節目の3万6000円を割る場面がありました。過去のマーケットを振り返り、日経平均株価が急落したタイミングと要因、どの程度の期間で急落前の水準に戻ったか、その他金利と為替の動向などをまとめましたので、ぜひご参考としていただければと思います。
過去10年間で日経平均株価が急落したのはいつ?
過去10年間の日経平均株価の主な急落タイミングとその要因としては、2016年2月のチャイナショック、2016年6月のブレグジット、2018年12月の米国政治混乱や円高進行、2020年2月のコロナショック、2024年8月の米国景気減速懸念や円高進行などが挙げられます。

回復するまでにかかった期間は?
日経平均急落 タイミング | 主な要因 | 終値(前日比) | 直前ピーク | 直前ピーク からの 下落率 | 直前ピークの 水準まで 回復するのに かかった期間 |
---|---|---|---|---|---|
2016年2月9日 | チャイナショック | 16085.44円 (-918.86円) | 2016年2月1日 | -9.96% | 約9ヶ月 |
2016年6月24日 | ブレグジット | 14952.02円 (-1,286.33円) | 2016年5月31日 | -13.25% | 約4ヶ月 |
2018年12月25日 | 米国政治混乱や円高進行 | 19155.74円 (-1,010.45円) | 2018年12月3日 | -15.15% | 約10ヶ月 |
2020年2月28日 | コロナショック | 21142.96円 (-805.27円) | 2020年2月6日 | -11.44% | 約8ヶ月 |
2024年8月5日 | 米国景気減速懸念や円高進行 | 31458.42円 (-4,451.28円) | 2024年7月11日 | -25.50% | 約7ヶ月で50%程度まで回復中 |
2016年6月のブレグジットに伴う急落では直前ピークから比較して13.25%の下落率となりましたが、約4ヶ月で直前ピークと同じ水準を回復しています。またその他のタイミングでも最大1年程度で直前のピークと同じ水準まで回復していることが分かります。
「落ちてくるナイフはつかむな」という投資格言があるように株価急落時の取引には慎重になる必要がありますが、いわゆるパニック売り(ろうばい売り)に走ることがないよう中長期的な視点も持つことも重要と言えます。
(出所)QUICKデータよりマネックス証券作成
※「直前ピーク」は急落日の直前1ヶ月間で終値ベースでピークとなっていた日を記載しています。
金利と為替の動向は?
米連邦準備理事会(FRB)は2024年12月17日・18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標を0.25ポイント(25bps)引き下げ、4.25~4.50%としました。米ドル/円は本稿執筆時点(2025年3月11日)で147円台前半で推移しています。

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