信用取引で成果を上げるためには、銘柄選びが重要なポイントとなります。本ページでは、テクニカルアナリストであり株式会社インベストラスト代表取締役の福永博之氏が、トレンドを軸とした銘柄選びのコツと注意点をわかりやすく解説します。初心者の方にも実践しやすい内容です。
※本コンテンツは情報提供が目的であり、掲載している銘柄の取引を推奨するものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。
銘柄選びのお悩み解決!?
信用取引を始めるにあたって、どのような銘柄を選べばよいか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。ここでは銘柄選びのコツと注意点について解説したいと思います。
まずは、信用取引の仕組みから簡単におさらいしましょう。
信用取引は「買い」からでも「売り」からでも取引することができます。そのため、上昇相場では買いから取引を行って値上がり益を狙うことが可能です。
一方、下落相場の時は、売りから取引を行って値下がりによる利益を狙うこともできます。したがって、信用取引は上昇相場でも下落相場でも利益を狙えることが特徴になります。

では、どのような銘柄が、値上がりまたは値下がりすると考えられるでしょうか。そこで銘柄選びのコツとしてお話ししたいのが株価のトレンドです。
トレンドとは「株価の方向性」のことを言いますが、このトレンドを重視することで、パフォーマンスが大きく変わってくると筆者は考えています。
ではなぜトレンドが銘柄選びで重要なのかを解説します。
銘柄選びでトレンドが重要な理由とは?
信用取引には、制度信用取引と一般信用取引の2種類があります。制度信用取引は6ヶ月で返済する取引です。一方、一般信用取引は証券会社とお客様との間で期限を決めるもので、長いものでは「無期限」といったものもあります。
| 信用取引の種類 | 返済期限 | |
|---|---|---|
| 制度信用 | 半年 | |
| 一般信用 | 無期限 | 無期限 |
| 短期 | 14営業日 | |
| 1D・SP | 当日中 | |
※マネックス証券の一般信用には、返済期限が無期限の「無期限信用」、返済期限が14営業日の「短期信用」、返済期限が当日中の「ワンデイ信用(1D)」「スペシャル空売り(SP)」の4種類があります。
ただし、信用取引ではお金や株式を証券会社から借りて取引を行っているため、金利や貸株料といったコストがかかることを忘れてはいけません。これは現物取引との大きな違いです。そのため、信用取引で買った後、長期間ほったらかしにしてしまうと、金利でコストがかさむ場合があります。
また、信用取引で売った場合も同様に貸株料がかかるため、ほったらかしにすることは控える必要があります。
こうしたことを考えると、信用取引を上手に賢く使うためには、比較的短い間に上昇が期待できる銘柄を買う、もしくは下落すると考えられる銘柄を売るといったことが銘柄選びで必要になってくるのです。
そこで、トレンドを教えてくれるテクニカル分析の出番になります。

トレンドを教えてくれるテクニカル分析とは?
前述のように、トレンドとは「株価の方向性」のことを言います。ここでは、上昇が期待できそうな銘柄や下落しそうな銘柄を選ぶ際に使うことができるテクニカル指標について解説します。
トレンドを教えてくれるテクニカル指標で最も有名なものは移動平均線です。移動平均線はあらかじめ定められた期間の終値の平均価格を示したものになります。例えば、5日移動平均線であれば、5日間の終値の平均価格になります。5日間と言えば、1週間分となりますから、1週間の終値の平均価格としてもよいかもしれません。
また、移動平均線は複数本表示して分析するのが一般的ですが、多ければよいというものではありません。ちなみに筆者は5日、25日、75日、200日と4本を表示するようにしています。
その理由ですが、5日=1週間、25日=約1ヶ月、75日=約3ヶ月、200日=約1年といった具合に、それぞれ目安となる期間の終値の平均価格を知ることができるからです。
トヨタ自動車(7203)日足チャート

※移動平均線の期間:5日(緑線)、25日(黄線)、75日(橙線)、200日(紫線)
出所:マネックス証券
移動平均線を活用した銘柄選びのコツ
移動平均線を活用した銘柄選びのコツについて解説します。日足チャートを用意して、5日、25日、75日、200日の移動平均線を表示します。
続いて、各移動平均線の向きをチェックします。すべての移動平均線が上向きであれば、上昇トレンドと判断します。一方、すべての移動平均線が下向きであれば、下降トレンドと判断します。
[上昇トレンドの例]キヤノンマーケティングジャパン(8060)日足チャート
![[上昇トレンドの例]キヤノンマーケティングジャパン(8060)日足チャート](../image/2026/20260430_01/img03.png)
※移動平均線の期間:5日(緑線)、25日(黄線)、75日(橙線)、200日(紫線)
出所:マネックス証券
[下降トレンドの例]ゼンリン(9474)日足チャート
![[下降トレンドの例]ゼンリン(9474)日足チャート](../image/2026/20260430_01/img04.png)
※移動平均線の期間:5日(緑線)、25日(黄線)、75日(橙線)、200日(紫線)
出所:マネックス証券
このように移動平均線の向きを基準にトレンドを判断するわけです。ただ、すべての移動平均線が同じ向きであるとは限らないため、この時は判断が難しくなります。
では、向きが揃っていないときはどのように判断すればよいのでしょうか。ここで重要なことは、中長期のトレンドが上向きを続けているかどうかです。ここで言う中長期とは、25日、75日、200日移動平均線のことを指します。
仮に5日移動平均線が下向きでも、25日、75日、200日移動平均線の3本が上を向いているときは、株価が25日移動平均線に接近したり、5日移動平均線を上回ったりしたところを買いでエントリーすると、株価が反発による上昇で利益を狙える可能性があります。
[中長期トレンド上向きの例]良品計画(7453)日足チャート
![[中長期トレンド上向きの例]良品計画(7453)日足チャート](../image/2026/20260430_01/img05.png)
※移動平均線の期間:5日(緑線)、25日(黄線)、75日(橙線)、200日(紫線)
出所:マネックス証券
一方、25日、75日、200日と3本の移動平均線が下向きで、5日移動平均線だけが上向きの場合、リバウンドを狙って買いたくなる人が多いと思いますが、これらの状態は下降トレンドの一時的な反発を示していると判断されますので、25日移動平均線に接近して反落したところや25日移動平均線を上回ったあと押し返されて下回ったところを売りでエントリーするのがポイントになります。
中長期の移動平均線の向きを重視する理由は?
では、なぜ25日、75日、200日移動平均線の向きを重視するかについて解説します。その理由は、大抵の場合、中長期のトレンドがその後のトレンドを示唆していることが多いため、買いや売りのタイミングを間違っても、大きな損失につながらない可能性が高いと考えられるためです。
例えば、買ったらすぐに下がるとか、売ったらすぐに上がって損失が大きくなってしまうといった初心者にありがちな失敗を避けられる可能性が高くなると考えられます。
また、仮に買いや売りのエントリーのタイミングを間違えても、買いの場合は株価が5日と25日移動平均線を下回ったまま戻せなくなったら、ロスカットを入れると決めることができます。反対に売りの場合は、株価が5日移動平均線と25日移動平均線の両方を上回ったらロスカットするといった、それぞれのトレンド転換の兆候からロスカットのタイミングも計ることができ、これまで売買タイミングを上手く計ることができなかったという人の判断材料になるのではないかと思われます。

銘柄選びの注意点
最後に、銘柄選びの注意点について解説します。銘柄を選ぶ際には、信用取引の取組み(信用取引の買い残高と売り残高の状態)に注意する必要があると思われます。
例えば、買い残高が多い銘柄の買いは避ける、売り残高が多い銘柄の売りは避けるなどです。
その理由ですが、買い残高とは、買いの未決済残高のことを言い、売り残高とは、売りの未決済残高のことを言います。これらは決済しなければならない残高になるため、買い残高が多い銘柄は、売り物が出やすいと考えられますし、売り残高が多い銘柄は、買い戻しが入って下げにくいと考えられるからです。
こうした需給にも目を向けて銘柄を選び、その後に前述のテクニカル分析を活用して売買タイミングを計るようにすれば、初歩的な失敗は避けられるのではないかと思われます。銘柄選びに悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

株式会社インベストラスト 代表取締役
福永 博之 氏
日本テクニカルアナリスト協会副理事長、国際テクニカルアナリスト連盟、国際検定テクニカルアナリスト。勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust(アイトラスト)」を運営し、セミナー講師を務めるほか、毎日マーケットコメントを発信。また、大前研一氏のビジネス・ブレイクスルー大学資産形成力養成講座の講師を務める。
テレビ、ラジオでは、日経CNBC「朝エクスプレス」、テレビ東京「モーニングサテライト」、TokyoMX「東京マーケットワイド」、ラジオ日経「ウィークエンド株」「スマートトレーダーPLUS」などの番組にレギュラー出演中。また、「四季報オンライン」や「ダイヤモンドZAI」などのマネー雑誌にも連載を持つ。
近著に、2018年6月発売『テクニカル分析 最強の組み合わせ術』(日本経済新聞出版社)、『ど素人が読める株価チャートの本』(翔泳社)、『信用取引の基本と儲け方ズバリ! 新取引ルール対応』(すばる舎)、『FX一目均衡表ベーシックマスターブック』(ダイヤモンド社)など多数。また、『ど素人が読める株価チャートの本』は、2016年8月に台湾でも翻訳されて出版される。
テクニカル指標の特許「注意喚起シグナル」を取得、投資&ビジネスメモツールi-tool(アイツール)を提供。
信用取引をはじめるには
信用取引は、マネックス証券の「証券総合取引口座」と「信用取引口座」の2つの口座を開設すると、ご利用いただけます。もちろんどちらも口座開設・維持費は無料です。
証券総合取引口座をお持ちの方
信用取引では、元本(保証金)に比べ、取引額が大きくなる可能性があるため、価格の変動等により元本を上回る損失(元本超過損)が生じることがあります。信用取引を利用するときは、その仕組みをよく知り、お客様自身の判断と責任において行うようお願いいたします。
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