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マネックス証券のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略

マネックス証券はブローカーモデルからアセマネモデルへという大きなビジネス転換を目指しています。その実現のためには、幅広い品ぞろえと使いやすいサービスを低いコストで提供することが必要であり、以下に示すDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略がその鍵を握ります。

内製化された基幹システムを最大の強みとする

当社は1999年の設立以来、インターネットを通じた証券取引サービスを提供してきました。その事業の成り立ちから、ITは常に経営の根幹をなすものでしたが、2017年初頭に実現した総合的なオンライン証券サービスに対応する基幹システム「GALAXY」の内製開発は、戦略の大きな転換点となりました。証券業界の歴史において、巨大な基幹システムをゼロベースから再構築するのは前例のない取り組みでした。当社は、基幹システムはオンライン証券にとっての生命線、競争力の源であるとの考えの下、5年の開発期間をかけ、金融とITの両方に精通した高度な知識を有する人材を多数投入し、「GALAXY」をリリースしました。内製化後は、外部のシステムベンダーに依存せずにシステム開発が行えるようになり、顧客ニーズに沿ったスピーディーな新商品開発やきめ細かなサービス向上が可能になりました。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を強く意識し始めましたが、DXの実現で求められるのは事業環境の変化に素早く、柔軟に対応できるシステム開発体制です。当社は10年前からそのような意識を持ち、組織体制をつくってきました。

アセマネモデルへの転換を実現する

「GALAXY」のリリースから2019年度までは、まずは従前からある基幹システムと同等程度の性能を備えることを目指してシステム開発を行う、「土台作り」のフェーズでした。2020年度からは、ブローカーモデルからアセマネモデルへという大きなビジネス転換を実現するための、「攻め」のフェーズに入りました。

アセマネモデルとは、売買回数などの取引量に依存する従来型の証券ビジネスのモデルと異なり、お客様の資産を増やすことを目標とするビジネスモデルです。投資信託の積立投資による投資の時間分散、日本株だけでなく米国株などを加えた投資の地域分散、リスク許容度に応じた信用取引・レバレッジ取引の活用などを組み合わせ、お客様にとって最適なポートフォリオを構築し、資産を増やすことを目指します。これを実現するためには、幅広い品ぞろえと使いやすいサービスを低いコストで提供することが必要であり、DXがその鍵を握ります。
システム基盤の整備からマーケティングに至る幅広い業務をDXにより変革するため、当社では以下の取り組みを開始しています。

① 内製化モデルの確立

アセマネモデルの転換に合わせ、企画設計/開発/保守の分業体制から、プロダクト毎のグループに再編成したことで、システム部門とユーザー部門との距離感を縮め、サービス構築や、保守作業を含め、システム部門、ユーザー部門一体となった開発、運用を推進しています。

② 基幹システム「GALAXY」のマイクロサービス化

基幹システム「GALAXY」の段階的なマイクロサービス化を進めています。マイクロサービスとは、ビジネス機能ごとの独立した小さな単位で開発を行う手法であり、新たな問題への対応や機能追加をスピーディーかつ柔軟に行うことができます。常に最先端のサービスを提供できるためシステム全体が陳腐化することなく、また大規模な改修も必要ないことから投資額を低く抑えることができます。

③ 優れたアーキテクチャの積極活用

GALAXY以外の公開システム・社内システムの開発においても、優れたアーキテクチャを積極的に活用しています。具体的には、システム投資負担を軽減するクラウドコンピューティング、開発を迅速化させるアジャイル開発、セキュリティと開発スピードを両立するDevSecOpsなどです。

④ マーケティング領域のデジタル化

システム基盤の開発にとどまらず、マーケティングの領域でもデジタル化を推進しています。新顧客開拓や取引活性化などの営業施策を検討するための機械学習の活用、人手による作業の省力化や業務効率を向上させるためのRPA(自動化ツール)の活用などがすでに始まっています。

大切なものに投資をしよう

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