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FXのスキャルピングとは?基礎知識から実践方法まで網羅的に解説

「FXのスキャルピングに挑戦してみたいが、そもそもどんなものかよくわかっておらず、何から始めていいかわからない」
「スキャルピングで安定して勝てるようになるにはどうすればいい?」

FXのスキャルピングに興味を持った際、このような疑問を感じる方は多いのではないでしょうか。

スキャルピングとは、短い時間で売買を繰り返して収益を狙うFXの取引手法のことです。

スキャルピングの基本情報
取引期間 数秒~数分
1日あたりの取引回数 数十回~数百回
利幅の目安 1~10pips※

pipsとは「percentage in points」の略で、為替取引の際に為替が変動する最小単位のことを示しています。1pipがいくらを表しているかは通貨ペアごとに異なります。

短時間で小さな収益をコツコツ狙うトレードスタイルですが、実践する前に知っておかなければならないのが、「人によって向き不向きが分かれる手法である」という点です。

スキャルピングに
向いている人
スキャルピングに
向いていない人
  • ある程度FXの経験がある人
  • 短時間で集中してトレードしたい人
  • 集中力が高い人
  • 感情に左右されず機械的な判断ができる人
  • FX未経験~始めたばかりの人
  • 注意力が散漫になりやすい人
  • 感情に流されやすい人
  • 通信環境が整っていない人

人によっては他のトレードスタイルの方が向いている可能性もあるため、

  • スキャルピングがどのようなものか知る
  • 自分の環境や性格がスキャルピングに向いているか診断する
  • スキャルピングの具体的なやり方を学ぶ

といった順に情報収集していくのが、効率の良い方法です。

本記事では、これからFXでスキャルピングに挑戦したいと考えている方に向けて、

  • FXのスキャルピングとは
  • FXのスキャルピングのメリット・デメリット
  • FXのスキャルピングに向いている人・向いていない人の特徴
  • FXのスキャルピングのやり方
  • FXのスキャルピングで収益を狙うコツ
  • FXのスキャルピングをやる際の注意点

といった情報をわかりやすく解説します。

この記事を読むことでFXのスキャルピングに関する基本的な知識が頭に入り、実践に移ることができると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

すでにスキャルピングがどのようなものか知っていて、今すぐ具体的な実践方法を知りたいという方は、「5.【6ステップ】スキャルピングのやり方」をご確認ください。

1. FXのスキャルピングとは

まずは、FXのスキャルピングとはどのようなものか、次の順に解説していきます。

  • FXのスキャルピングとは短時間で売買を繰り返す手法
  • 他のトレードスタイルとの違い

これらはスキャルピングを実践するにあたって欠かせない知識であるため、「挑戦してみたいとは思っているものの、実際はどのような手法かよくわかっていない」という方は特に確認しておきましょう。

1-1. FXのスキャルピングとは短時間で売買を繰り返す手法

FXのスキャルピングとは、短時間で売買を繰り返す手法です。

数秒~数分の極めて短い時間でトレードを行い、それを1日数十回~数百回程度繰り返して小さな収益を積み重ねていきます。

FXのスキャルピングイメージ

取引1回あたりの収益は1~10pipsと少ないものの、回数を重ねることでまとまった収益を狙うことができます。

スキャルピングで収益を得る仕組みは、ファストフードなどの「薄利多売ビジネス」をイメージするとわかりやすいです。

高級レストランが「時間をかけて単価の高い料理を作り、1つ売れるごとに大きな収益を得る」のに対して、ファストフードの飲食店は「安価な料理をスピーディーに作ってたくさん売る」ことで収益を得ます。

高級レストラン厚利少売、高価な料理を時間をかけて少量作り一度で大きな利益を得る。ファストフード薄利多売、安価な料理を速く・大量に作り小さな利益を重ねる。スキャルピングに近いのはこちら

ハンバーガー1つあたりの収益が数十円だとしても、1日に1,000個売り上げれば数万円の収益になります。

これと同じように、スキャルピングで得られる1回あたりの収益が5pipsだったとしても、短期売買を繰り返し、1日20回分の収益を積み上げることができれば、100pipsもの収益を獲得できます。

ここまでお読みいただいて、スキャルピングの「短時間で売買を繰り返して収益を得る」という仕組みがイメージできたのではないでしょうか。

1-2. 他のトレードスタイルとの違い

FXのトレードスタイルには、スキャルピング以外にも

  • デイトレード
  • スイングトレード
  • ポジショントレード

といったものがあり、それぞれの主な違いは、以下の表のとおりです。

スキャルピングとその他のトレードスタイルとの違い
トレード
方法
取引期間 1日あたりの取引回数 利幅の
大きさ
スキャルピング
(超短期)
数秒~
数分
数十回~
数百回
1~
10pips程度
デイトレード
(短期)
数十分~
1日
数回~
数十回
10~
100pips程度
スイングトレード
(中期)
数日~
数週間
1回未満 100~
数百pips程度
ポジショントレード
(長期)
数週間~数年 -
(多くても数週間に1回)
100~
1,000pips程度

スキャルピングは、FXのトレードスタイルの中で、最も短期的に取引を繰り返す手法です。

そのため、上の表を見てわかるとおり、他のトレードスタイルと比べて

  • 1回あたりの取引期間が最も短い
  • 1日あたりの取引回数が最も多い
  • 1回の取引に対する収益が最も小さい

といった特徴があります。

他のトレードスタイルとの違いを表すグラフ

ファストフードのように、「スピーディーに小さな収益を繰り返し狙う」のがスキャルピング、高級レストランのように「時間をかけて一度で大きな収益を狙う」のがポジショントレード、と覚えておきましょう。

【「どの取引スタイルを選べば
収益を出せるのか」は人によって違う】

数あるFXのトレードスタイルのうち、「どの取引スタイルを選べば比較的収益を出しやすいか」は、人によって違います。

スキャルピングのようなスピード感のある取引が向いている人もいれば、ポジショントレードのようにじっくり長期的な取引が向いている人もおり、「全ての人にとってベストなトレードスタイル」というものは存在しません。

そのため、次章以降で解説する

  • スキャルピングのメリット・デメリット
  • スキャルピングに向いている人と向いていない人

をよく読んで、「スキャルピングが自分にとってのベストなトレードスタイルなのか」を吟味しましょう。

2. FXのスキャルピングのメリット3つ

FXのスキャルピングのメリット・短期間で効率良く取引ができる。・大きく負けるリスクが低い。・取引経験が積める。

ここからは、FXのスキャルピングのメリットとして代表的なものを3つご紹介します。

2-1. 短時間で効率良く取引ができる

FXのスキャルピング最大のメリットとも言えるのが、短時間で効率的な取引ができることです。

数秒~数分という短い時間で1回の取引が完結するため、まとまった時間が取れない人でもFXに挑戦することができます。

例えば、

  • 仕事の昼休みに、昼食を取った後の30分を活用してトレードを行う
  • 家事の合間など、10分~15分の空き時間を活用してトレードを行う

といったスタイルも、スキャルピングなら可能です。

このように、隙間時間にサッと始めてサッと終わる、効率の良い取引ができるというのは、スキャルピングならではのメリットと言えるでしょう。

2-2. 1回の取引で大きく負けるリスクが低い

他のトレードスタイルと比較すると、1回の取引で大きく負けるリスクが低いというのも、スキャルピングのメリットです。

スキャルピングはポジションを保有する時間が数秒〜数分と短く、エントリーから決済までの間、基本的にチャート画面から目を離すことはありません。

そのため

「目を離した隙に急激な価格変動が起きて大損した」
「相場が反転することを期待して様子見していたら、損失がどんどん拡大してしまった」

といった事態が起こる確率を軽減することができます。

【スキャルピングの損失が拡大しない仕組み】上昇トレンドに乗ると予想して買いでエントリー、予想が外れて相場が急降下すぐに決済して損失を最小限に、保有時間が長いと損失がどんどん拡大してしまう

損失が膨らむ前に決済するのがスキャルピングの基本なので、大きく負けるのが怖いという人には嬉しいメリットです。

1回1回の損失が小さくても、積み重なると大きな損失になる場合がありますのでご注意ください。

2-3. 取引経験が積める

FXのスキャルピングには、取引経験が積めるというメリットがあります。

1日あたり数十回~数百回の取引を行うため、単純にツールの操作に慣れるだけではなく、勝ちやすいパターン・負けやすいパターンを見極める目を養うことができます。

FXは、多くの場数を踏んで実践に基づいた知識を蓄えることが上達の鍵です。

ただし、やみくもにエントリーと決済を繰り返すだけでは勝率は上がらないため、まったくのFX初心者がゼロから経験を積む手段に適しているとは言えません。

3. FXのスキャルピングのデメリット3つ

FXのスキャルピングのデメリット・1回の取引で得られる利益が少ない。・取引コストが高くなる。・気力・体力を消耗しやすい。

続いて、FXのスキャルピングのデメリットを3つご紹介します。

メリットとデメリットを比較し、あなたにとってどちらの側面が大きいかを検討しましょう。

3-1. 1回の取引で得られる収益が少ない

FXのスキャルピングのデメリットとして挙げられるのが、1回の取引で得られる収益が少ないという点です。

スキャルピングで得られる収益は1回の取引につき1~10pips程度で、他のトレード方法と比べて非常に少ないです。

トレード方法別・1回の取引で得られる収益
トレード方法 1回の取引で得られる収益
スキャルピング
(超短期)
1~10pips程度
デイトレード
(短期)
10~100pips程度
スイングトレード
(中期)
100~数百pips程度
ポジショントレード
(長期)
100~1,000pips程度

スキャルピングはエントリーから決済までの時間を数秒~数分と短くすることで大損のリスクを回避できる手法ですが、同時に収益が膨らむ前に決済してしまうため、中長期のトレードのように1回の取引で大きな収益を狙うことは難しいです。

スキャルピングで大きな収益を得るためには、回数を重ねることが必要であり、1日に数百回の取引を行うトレーダーもいます。

「空いた時間で手軽にできるが、大きな収益を出すにはそれなりの時間と労力がかかる」ということを頭に入れておきましょう。

3-2. 取引コストが高くなる

取引コストが高くなるというのも、スキャルピングのデメリットのひとつです。

これは、スキャルピングの取引回数の多さと、1回の取引ごとに発生するスプレッドが原因です。

1日のうちに何十回・何百回とトレードを繰り返すことで、都度スプレッド(売値と買値の差額)が発生し、どうしても中長期のトレードと比べてコストがかさみやすくなります。

【取引回数の数だけコスト(スプレッド)がかさむ】スキャルピング(超短期売買)1日に何度もコストがかかる。ポジショントレード(長期売買)数週間に1回かかるだけ。

スプレッドが広い証券会社等でスキャルピングを行うと、せっかくトレードで収益を獲得しても手元に残る金額が減ってしまうため、できるだけスプレッドの狭い証券会社等・通貨ペアを選びましょう。

3-3. 気力・体力を消耗しやすい

気力・体力を消耗しやすいというのも、スキャルピングのデメリットのひとつです。

スキャルピングは1回あたりの取引時間が短く、保有したポジションを翌日以降に持ち越さないため

「余計な心配やストレスなくできるのでは?」

と思うかもしれませんが、売買のタイミングを見逃さないために高い集中力が必要です。

チャートに張り付いてトレードを何度も繰り返すことで、短期売買ならではのストレスがかかります。

具体的には

  • 取引回数が多い分、何度も負けが続くこともある
    (トータルでは収益が出ていても、気持ちが落ち着かない)
  • 欲が出そうになるのをコントロールしなければならない
    (感情ではなく機械的な利確・損切りが必要)

といった形で気力・体力を消耗します。

「仕事終わりの空き時間でスキャルピングに挑戦したい!」という方も多いかもしれませんが、頭も体も疲れた状態で行うには、それなりの負担がかかる手法だということを覚悟しておきましょう。

4. FXのスキャルピングに向いている人・向いていない人の特徴

FXのスキャルピングに向いている人の特徴:ある程度FXの知識・経験がある。短時間で集中してトレードしたい。集中力が高い。感情に左右されず機械的な判断ができる。低リスクで取引の経験を積みたい。FXのスキャルピングに向いていない人の特徴:FX未経験者・始めたばかり。注意力が散漫になりやすい。感情に流されやすい・優柔不断。通信環境が整っていない。少ない手間で大きく利益を出したい。

ここからは、FXのスキャルピングに向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。

冒頭でもお話ししたように、スキャルピングは人によって向き不向きが大きく分かれるトレードスタイルです。

メリットとデメリットを比較するだけではなく、自分の環境や性格がスキャルピングに合っているかチェックしたうえで、挑戦するかどうかの判断を下しましょう。

4-1. スキャルピングに向いている人の特徴

スキャルピングに向いている人の特徴には、次のようなものがあります。

スキャルピングに向いている人の特徴
ある程度FXの知識・経験がある 売買の操作やトレンドの読み方といった基礎ができていると素早い判断がしやすく、効率的に収益を上げられる
短時間で集中してトレードしたい 数秒~数分で取引が完結するため、隙間時間の活用に向いている
集中力が高い 一瞬のチャンスを逃さず取引できる集中力が必要
感情に左右されず機械的な判断ができる 思うように収益が出なくても淡々と取引を続けられる冷静さが求められる
低リスクで取引の経験を積みたい 損失が少なく取引回数が多いため、FXの経験値アップに適している

FXのスキャルピングでは、何よりも瞬間的な集中力や判断力が求められます。

そのため、FXの基本操作ができるのはもちろんのこと、余計な感情を挟まずに理性でトレードを行える人に向いている手法です。

「時間的な制約があまりない」というスキャルピングのメリットを活かすのであれば、

「今日は昼休みに30分だけ」
「今夜は時間に余裕があるから1時間集中」

といった空いた時間での取引を求めている人におすすめです。

4-2. スキャルピングに向いていない人の特徴

スキャルピングに向いていない人の特徴は、以下の表のとおりです。

スキャルピングに向いていない人の特徴
FX未経験者・始めたばかり 知識や経験の無さが迷いに繋がり、エントリー・決済のチャンスを逃して勝てない
注意力が散漫になりやすい チャートを見ながら別のことを考えていると瞬発的な判断ができず、収益を出すべきところで出せない
感情に流されやすい・優柔不断 一時的な損失に引っ張られたり、利確・損切りのタイミングが遅れたりすることで安定した収益が出せない
通信環境が整っていない 回線が遅いと売買注文の遅れで相場が逆転してしまうリスクがある
通信速度が10Mbpsを下回る、頻繁に通信が切れる場合は要注意
少ない手間で大きく収益を出したい 「一攫千金」を目指す人には不向き

ここぞというタイミングでエントリー・決済することが重要なスキャルピングは、動揺・不注意・迷いといった余計な感情が割り込みやすい人には向いていません。

例えば

  • スマートフォンを見ながら食事などの「ながら◯◯」が習慣化しており、小さなことで気が散ってしまう
  • ダイエットや貯金など、一度決めたルールをコロコロ変更してしまう

といった人の場合、利確や損切りのルールをしっかり守れず、安定して収益を出せない可能性が高いです。

5. 【6ステップ】FXのスキャルピングのやり方

STEP1.取引する時間を決める。STEP2.取引する通貨ペアを決める。STEP3.時間足を決める。STEP4.エントリーのルールを決める。STEP5.決済のルールを決める。STEP6.決めたルールのとおりに取引を行う。

ここからは、FXのスキャルピングのやり方を、6つのステップで解説します。

ルールの決め方から実際の取引まで、すぐに実践に活かせるよう具体的に説明しているので、上から順にしっかりと確認していきましょう。

5-1. 【STEP1.】取引する時間を決める

STEP1.取引する時間を決める

まずは、取引する時間を決めます。

スキャルピングは短い時間で売買を繰り返す手法のため、効率良く収益を狙うには、値動きがある程度活発な時間帯に行う必要があります。

値動きが活発になる時間帯は、世界三大市場と呼ばれる東京市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場の開始後2~3時間で、具体的には日本時間で

  • 9~12時
  • 16~19時
  • 22~翌1時

のいずれかです。

以下の表を参考に、「スキャルピングに適している時間帯」「自分の自由な時間帯」をすり合わせて、FX取引を行う時間を決めましょう。

※できるだけ青く塗りつぶされた時間帯の近くで取引する。※冬時間のロンドン・ニューヨーク市場は1時間後ろ倒しになる。

取引に費やす時間は、「平日30分間」など、生活に無理のない範囲で設定すると良いでしょう。

多くの人にとって、1日のうちに自由に過ごせる時間は限られており、さらにその時間帯は人によって違います。

まずはあなたがスキャルピングを行うのにベストな時間を選び、それからその時間帯の取引に適した通貨ペアを選ぶのがおすすめです。

5-2. 【STEP2.】取引する通貨ペアを決める

STEP2.取引する通貨ペアを決める

続いて、取引する通貨ペアを決めます。

通貨ペアを決める際のポイントは、「5-1.【STEP1.】取引する時間を決める」で選んだ時間帯に値動きが活発になる通貨ペアを選ぶことです。

あなたが取引を行う時間帯と相性が良い通貨ペアを選んでみましょう。

「選択肢が多くて選べない」
「日によって自由に使える時間が変わるため、その都度ベストな通貨ペアを選ぶのが難しい」

といった場合は、いずれの時間帯も活発に取引されていて流動性の高い「米ドル/円」を選ぶのがおすすめです。

5-3. 【STEP3.】時間足を決める

STEP3.時間足を決める

続いては、チャート画面の時間足を決めます。

スキャルピングでは

  • 1分足
  • 5分足

のどちらかに設定するのが一般的であり、それぞれの特徴は次のとおりです。

【1分足スキャルピングと5分足スキャルピングの特徴比較】
1分足 5分足
トレードのスピード感 速い 遅い
トレードの機会 多い 少ない
ダマシ※ 多い 少ない

ダマシ:テクニカル分析等で導き出されたセオリーとは反対の方向に相場が動くこと

どちらか一方が勝ちやすいというものではないため、まずは5分足で挑戦してみて、スピード感に慣れてきたら1分足で挑戦といったやり方がおすすめです。

メインで使用する時間足が決まったら、トレンド把握のために表示させる上位足も選びましょう。

  • メインの時間足が1分足の場合:1時間足~4時間足
  • メインの時間足が5分足の場合:4時間足~日足

こちらもメインの時間足と同じように絶対的な正解はないため、慣れないうちは色々な組み合わせを試してみて、相性の良い方法を探していくのがベターです。

5-4. 【STEP4.】エントリーのルールを決める

STEP4.エントリーのルールを決める

続いて、エントリーのルールを決めます。

一口にスキャルピングと言ってもそのやり方はさまざまで、ベストなエントリーのタイミングもやり方によって異なります。

ここでは、数あるスキャルピングのやり方の中でも最もシンプルな「順張り」のエントリーポイントを

  • 水平線を使ったスキャルピングの場合
  • 移動平均線を使ったスキャルピングの場合

の2つの視点から解説します。

自分にとって取り入れやすそうな方を選んで、実際の取引に活かしましょう。

5-4-1. 水平線を使ったスキャルピングの場合

水平線を使ったスキャルピングの場合、エントリーのルールは

  • 直近の高値を超えたら買い
  • 直近の安値を切ったら売り

です。

水平線を使ったスキャルピング:エントリーのルール①直近の高値を超えたら「買い」でエントリー(赤丸のタイミング)。エントリーのルール②直近の安値を切ったら「売り」でエントリー(青丸のタイミング)。

上昇トレンドの場合は直近の高値に、下降トレンドの場合は直近の安値に水平線を引き、相場が水平線を越えたタイミングでエントリーします。

5-4-2. 移動平均線を使ったスキャルピングの場合

移動平均線を使ったスキャルピングの場合、エントリーのルールは

  • ゴールデンクロスで買い
  • デッドクロスで売り

です。

移動平均線を使ったスキャルピング:エントリーのルール①短期線が長期線を下から上に突き抜けたら「買い」でエントリー(のタイミング)。エントリーのルール②短期線が長期線を上から下に突き抜けたら「売り」でエントリー(のタイミング)。

一定期間の平均価格を線で繋いだ「移動平均線」をツールでチャート上に表示させ、

  • 短期線が長期線を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」
    →上昇トレンドが続くと予測して「買い」をエントリー
  • 短期線が長期線を上から下に突き抜ける「デッドクロス」
    →下降トレンドが続くと予測して「売り」をエントリー

といったルールで運用します。

5-5. 【STEP5.】決済のルールを決める

STEP5.決済のルールを決める

エントリーのルールを設定したら、続いては決済のルールを決めましょう。

トレードに慣れるまでの間に損失が膨らんでしまわないか不安な場合は、できるだけ小さい数値に設定しておきましょう。

決済ルールを決める際には、次のようなポイントを意識することも重要です。

決済ルールを決める際のポイント
ポイント 理由
決済のルールは明確な数値(pips)で定める 感覚やその時の気分に左右されず、冷静な判断がしやすくなる
「読みが外れたと思ったらできるだけ早く損切り」といった曖昧なルールはNG
利確幅が損切り幅よりも大きくなるように設定する 勝率が低くてもトータルの収益が出やすくなる
金額ではなくpipsでルールを決める 手元にいくら残るかを気にすると欲が出やすくなり、機械的な判断がしづらくなる

これで、あなたがスキャルピングを行う際の基本ルールが整いました。

5-6. 【STEP6.】決めたルールのとおりに取引を行う

STEP6.決めたルールのとおりに取引を行う

基本ルールが固まったら、いよいよ実践です。

これまでのステップで設定した

  • 時間帯
  • 通貨ペア
  • 時間足
  • エントリーのタイミング
  • 決済のタイミング

のルールを厳守し、実際に取引を行いましょう。

ここで重要なのが、一度決めたルールを簡単に崩さないことです。

思うように収益が出ないからといって途中でルールを変更してしまうと、「なぜ勝ったのか」「なぜ負けたのか」といった考察がしづらくなり、いつまでたっても勝率が上がりません。

一度ルールを決めたら、「まずは1週間実践して、収益が出なければルールの見直し」といったように、慎重に勝てるパターンを探っていきましょう。

6. FXのスキャルピングで収益を狙う5つのコツ

続いては、FXのスキャルピングで収益を狙う5つのコツを紹介します。

FXのスキャルピングで利益を狙う5つのコツ・事前に決めたルールを徹底して守る・得意な手法を見つけたらそれ一本に絞る・スプレッドが狭い環境で行う・テクニカル分析を身につける・約定力の高い証券会社等を選ぶ

ここまでで説明したスキャルピングのやり方を覚えただけでは、FXで安定的に収益を狙うことはできません。

「利益を狙うコツ」を学んで、スキャルピングの勝率を上げましょう。

6-1. 事前に決めたルールを徹底して守る

FXのスキャルピングで収益を狙うには、事前に決めたルールを徹底して守ることが重要です。

1日数十回~数百回の売買を行うスキャルピングでは、1回ごとの収益や損失は気にせず、トータルの収支がプラスになることを目指して淡々とこなさなければいけません。

「本来なら利益確定するタイミングだが、このままもう少し持っていれば収益を膨らませられるのではないか」
「損切りのタイミングが来ているが、損失を出したくないから相場が反転するまで待つ」

といったように欲を出してペースを崩してしまうと、その後も素早く動き続ける相場に判断がついていかなくなり、全体を通しての勝率は下がりやすくなります。

スキャルピング初心者のうちは、一度運用上のルールを決めたら、ルール外のエントリーや決済はしないよう徹底しましょう。

6-2. 得意な手法を見つけたらそれ一本に絞る

得意な手法を見つけたらそれ一本に絞るというのも、スキャルピングで収益を狙うのに重要なコツです。

スキャルピングの手法には数多くの種類があり、

  • 順張りか逆張りか
  • 水平線を使うのか移動平均線を使うのか
  • トレンドとレンジどちらを見るか

など、選択肢を挙げればきりがありません。

「基本は順張りで、こういう局面だけは逆張り」と複数の手法を組み合わせてルールを複雑にしてしまうと、操作ミスや判断が遅れるリスクがあります。

自分が得意でやりやすいと感じる手法を見つけたら、それ一本に絞って取引するようにしましょう。

6-3. スプレッドが狭い環境で行う

スプレッドが狭い環境で行うのも、スキャルピングで収益を狙うコツのひとつです。

3. FXのスキャルピングのデメリット3つ」でもお話ししたとおり、スキャルピングは他のトレードスタイルと比べて取引回数が多いため、都度発生するスプレッドによって取引コストがかさみやすくなります。

スプレッドによるコストを下げるためには、スプレッドが狭い通貨ペア・証券会社等を選んでスキャルピングを行うことが重要です。

具体的にスプレッドが広い環境と狭い環境でスキャルピングを行った場合、コストにどのくらいの差が出るのか、シミュレーションしてみましょう。

  • A社 米ドル/円のスプレッドが0.2銭
  • B社 ユーロ/円のスプレッドが1.5銭

の2社で、同じ10,000通貨で取引した場合、取引1回(往復)あたりにかかるコストは以下のとおりです。

  • A社:20円
  • B社:150円

→130円の差額

「130円くらいの差額なら問題ない」と感じるかもしれませんが、この取引を1日に100回行った場合、スプレッドの差額は1万3000円にもなります。

スプレッドが積み重なって手元に残るお金が少なくなってしまわないよう、できるだけスプレッドの狭い環境で取引しましょう。

6-4. テクニカル分析を身につける

スキャルピングで収益を狙うためには、テクニカル分析を身につけることも非常に重要です。

【テクニカル分析とは?】

チャートを見てトレンドやパターンを把握し、未来の値動きを予想すること

テクニカル分析を身につけることで、迷いのない根拠に基づいたトレードができるようになり、スキャルピングに欠かせない「精度の高い瞬時の判断」が可能になります。

スキャルピング初心者の場合は、テクニカル指標に移動平均線を用いる手法がおすすめです。

価格の平均値を繋いだ「移動平均線」を取引ツールで引き、トレンドに乗ったタイミングで決済します。

移動平均線を使ったスキャルピングの一例・短期線が長期線を下から上に突き抜けたら「買い」でエントリー。・短期線が長期線を上から下に突き抜けたら「売り」でエントリー。・利益(損失)があらかじめ設定していた数値に達したら決済。

このように、まずはルールがシンプルなものからテクニカル分析を学んでいくことで、スキャルピングでの勝率を上げられます。

ただし、テクニカル分析は過去の値動きから将来の価格を予測するもので、必ずしもルールどおりに相場が動くとは限らないことを覚えておきましょう。

6-5. 約定力の高い証券会社等を選ぶ

約定力の高い証券会社等を選ぶというのも、スキャルピングで収益を狙うコツです。

【約定力とは?】

新規注文や決済注文が狙ったタイミングどおりに成立する能力のこと。

約定力が低い証券会社等の場合

  • 注文を入れても通らない(約定拒否)
  • 注文を入れてから成立するまでに時間がかかって約定に価格差(スリッページ)が生じる

といったように、思い通りに取引できないケースがある。

スキャルピングは、狙った瞬間に新規注文・決済注文を入れ、決済する、それをスピーディーに繰り返すことで収益を狙うトレードスタイルです。

約定力が低い証券会社等でスキャルピングを実践すると

  • なかなか注文が通らず取引回数そのものが減ってしまう
  • 注文のタイムラグによって相場が反転し、本来収益を狙える局面で損失が出てしまう

といった事態が発生し、スピーディーに収益を重ねられない可能性があります。

約定力は

  • 約定率(注文が拒否されず通る確率)
  • 約定のスピード
  • スリッページの発生率
  • スリッページの幅

といった複数の視点から総合的に判断するものであるため、簡単に測ることはできませんが、約定力の高い証券会社等ほど調査結果などの客観的なデータを用いて公表する傾向にあります。

すでに開設しているFX口座がある場合は、運営元の公式ウェブサイトや調査結果のデータなどで、約定力をチェックしてみるのがおすすめです。

7. 過度なスキャルピングは禁止されている証券会社等もあるので要注意

スキャルピングは、程度によって禁止されている場合もあるため、注意が必要です。

利用規約に「短時間の頻繁な注文禁止」などの記載がある証券会社等で該当する取引を行った場合、ルール違反と判定される可能性があります。

なぜ一部の会社では過度なスキャルピングが禁止されているかというと、

  • サーバーに負荷がかかる
  • 証券会社等に損失が出る可能性がある

といった他のトレーダーや証券会社等への悪影響を防ぐためです。

違反と判定された場合、証券会社等から警告されるだけではなく

  • 新たに取引できなくなる

といったペナルティが課せられることもあるので、通常の範囲を逸脱し、過度な利用とならないよう注意しましょう。

8. 新たに口座を開設するならマネックス証券「FX PLUS」がおすすめ」

出典:マネックス証券|FX PLUS公式ページ

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既にマネックス証券の口座をお持ちの方は、以下のページよりログインし、新たにFX PLUS口座の開設手続きを行ってください。

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FX PLUS(外国為替証拠金取引)をはじめるには

FX PLUSは、マネックス証券の「証券総合取引口座」と「FX PLUS口座」の2つの口座を開設すると、ご利用いただけます。もちろんどちらも口座開設・維持費は無料です。

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外国為替証拠金取引は、全てのお客様の投資運用に適合するものではございません。お客様によっては、投資商品として適合しない場合がございますのでご注意をお願いいたします。お客様の本商品・取引の性格・リスク・費用に対する正確なご理解を前提とし、現在の収入金額や金融資産額の状況、ご投資資金の運用期間や目的を十分にご考慮のうえ、お取引の決定のご判断をお願い申し上げます。

また、FX PLUS口座の開設には一定の審査がございます。審査の結果によっては開設できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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外国為替証拠金取引は、全てのお客様の投資運用に適合するものではございません。お客様によっては、投資商品として適合しない場合がございますのでご注意をお願いいたします。お客様の本商品・取引の性格・リスク・費用に対する正確なご理解を前提とし、現在の収入金額や金融資産額の状況、ご投資資金の運用期間や目的を十分にご考慮のうえ、お取引の決定のご判断をお願い申し上げます。

また、FX PLUS口座の開設には一定の審査がございます。審査の結果によっては開設できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

9. まとめ

最後に、本記事の重要ポイントのおさらいです。

▼ FXのスキャルピングとは

  • 短時間で売買を繰り返す手法のこと
  • デイトレード・スイングトレードといった他の手法と比較し
    • 1回あたりの取引期間が最も短い
    • 1日あたりの取引回数が最も多い
    • 1回の取引に対する収益が最も小さい

→数あるFXのトレードスタイルの中で、最も短期的に取引を行う手法

▼ FXのスキャルピングのメリット・デメリット

【メリット】
  • 短時間で効率良く取引ができる
  • 1回の取引で大きく負けるリスクが低い
  • 取引経験が積める
【デメリット】
  • 1回の取引で得られる収益が少ない
  • 取引コストが高くなる
  • 気力・体力を消耗しやすい

→大きく負けるリスクが低いが、大きく勝てるチャンスも少ない

▼FXのスキャルピングに向いている人・向いていない人

【向いている人】
  • ある程度FXの知識・経験がある
  • 短時間で集中してトレードしたい
  • 集中力が高い
  • 感情に左右されず機械的な判断ができる
【向いていない人】
  • FX未経験者・始めたばかり
  • 注意力が散漫になりやすい
  • 感情に流されやすい・優柔不断
  • 通信環境が整っていない

→向き不向きの要素が強い手法なので、向いていない人の特徴に多く当てはまる場合はおすすめしない

▼FXのスキャルピングのやり方

  • STEP1.取引する時間を決める
  • STEP2.取引する通貨ペアを決める
  • STEP3.時間足を決める
  • STEP4.エントリーのルールを決める
  • STEP5.決済のルールを決める
  • STEP6.決めたルールのとおりに取引を行う

→一度ルールを決めたら一定期間は変更せずに運用する

▼FXのスキャルピングで収益を狙うコツ

  • 約定力の高い証券会社等を選ぶ
  • テクニカル分析を身につける
  • 事前に決めたルールを徹底して守る
  • スプレッドが狭い環境で行う
  • 得意な手法を見つけたらそれ一本に絞る

→最善な取引環境を探し、決めたルールを元に分析力を高める。

本記事の内容が、あなたがFXでスキャルピングを始める際の参考になれば幸いです。

当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。

FX PLUS(店頭外国為替証拠金取引)に関する重要事項

<リスク>

FX PLUSでは、取引対象である通貨の価格の変動により元本損失が生じることがあります。また、取引金額が預託すべき証拠金の額に比して大きいため(具体的な倍率は当社ウェブサイトをよくご確認ください)、取引対象である通貨の価格の変動により、その損失の額が証拠金の額を上回る(元本超過損)ことがあります。 さらに、取引対象である通貨の金利の変動により、スワップポイントが受取りから支払いに転じることがあります。FX PLUSは、店頭取引であるため、当社・カバー先の信用状況の悪化等により元本損失が生じることがあります。FX PLUSでは、損失が一定比率以上になった場合に自動的に反対売買により決済されるロスカットルールが設けられていますが、相場の急激な変動により、元本超過損が生じることがあります。加えて、相場の急激な変動により、意図した取引ができない可能性があります。

<手数料等>

FX PLUSでは、取引手数料はかかりません。当社は、通貨ペアごとにオファー価格(ASK)とビッド価格(BID)を同時に提示します。オファー価格とビッド価格には差額(スプレッド)があり、オファー価格はビッド価格よりも高くなっています。流動性の低下、相場の急激な変動により、スプレッドの幅は拡大することがあります。

<証拠金>

FX PLUSでは、取引通貨の為替レートに応じた取引額に対して一定の証拠金率以上で当社が定める金額の証拠金(必要証拠金)が必要となります。一定の証拠金率とは以下のとおりです。ただし、相場の急激な変動等の事由が発生した場合には当社判断により変更することがあります。
(個人口座)
原則4%(一部の通貨ペアでは8%、詳細は当社ウェブサイトをご確認ください)
(法人口座)
金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号の定める定量的計算モデルにより金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率です。ただし、金融先物取引業協会の算出した為替リスク想定比率が、当社が通貨ペアごとに定める最低証拠金率(原則1%、一部の通貨ペアでは8%、詳細は当社ウェブサイトをご確認ください)を下回る場合には、当社が通貨ペアごとに定める最低証拠金率を優先させることとします。

<その他>

お取引の際は、当社ウェブサイトに掲載の「契約締結前交付書面」「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」を必ずお読みください。