通常100株単位で取引をする株式取引。投資金額が大きい銘柄は手が出しづらいというお客様も多いかもしれませんが、長期的に業績好調な銘柄も少なくありません。今回はそのような銘柄をマネックス銘柄スカウターで抽出し、マーケット・アナリストの益嶋裕がピックアップして解説します。
投資金額が大きくて手が出しづらいという銘柄も、ワン株(単元未満株)なら1株から売買できるため少ない資金での投資が可能です。
売買単位と投資金額
東京証券取引所をはじめとする全国の証券取引所では、株式の売買単位を100株に統一しており、この売買単位を単元株といいます。例えば株価が10,000円の株式を買いたい場合、単元株である100株からの取引になるため、必要な投資金額は100万円以上となります(手数料等を除く)。
投資金額が大きい銘柄の中には、長期的に業績好調な銘柄も少なくありません。以下ではマネックス銘柄スカウターを活用してそのような銘柄を抽出します。
長期的に業績好調だけど投資金額がネックになる銘柄
長期的に業績好調な銘柄のうち、投資金額が100万円以上の銘柄をマネックス銘柄スカウターの10年スクリーニングで抽出しました。具体的なスクリーニング条件および抽出された銘柄は以下のとおりです。
スクリーニング条件
【基礎条件】
- 投資金額:1,000,000円以上
【詳細条件】
- 過去10年間の通期売上高の平均成長率:5%以上
- 過去10年間の通期営業利益の平均成長率:5%以上
- 過去10年間の通期売上高の増収回数:7回以上
- 過去10年間の通期営業利益の増益回数:7回以上
スクリーニング結果
銘柄(銘柄コード) | 終値(04/07) | 投資金額 | 10年間の 売上高 成長率 (通期) |
10年間の 営業利益 成長率 (通期) |
10年間の 売上高 増収回数 (通期) |
10年間の 営業利益 増益回数 (通期) |
---|---|---|---|---|---|---|
コスモス薬品(3349) | 11,600円 | 1,160,000円 | 10.5% | 8.4% | 10回 | 9回 |
SHIFT(3697) | 22,290円 | 2,229,000円 | 55.2% | 58.8% | 10回 | 8回 |
GMOPG(3769) | 10,960円 | 1,096,000円 | 26.7% | 24.9% | 10回 | 10回 |
オービック(4684) | 20,720円 | 2,072,000円 | 6.3% | 11.7% | 10回 | 10回 |
コーセー(4922) | 15,490円 | 1,549,000円 | 5.6% | 6.6% | 7回 | 7回 |
MARUWA(5344) | 17,230円 | 1,723,000円 | 9.8% | 20.0% | 8回 | 7回 |
ディスコ(6146) | 14,160円 | 1,416,000円 | 11.0% | 24.0% | 8回 | 8回 |
SMC(6273) | 67,130円 | 6,713,000円 | 7.8% | 10.0% | 7回 | 7回 |
ローツェ(6323) | 10,750円 | 1,075,000円 | 20.6% | 42.0% | 7回 | 8回 |
ダイキン工業(6367) | 22,145円 | 2,214,500円 | 9.8% | 14.6% | 9回 | 8回 |
キーエンス(6861) | 59,780円 | 5,978,000円 | 14.0% | 15.6% | 7回 | 7回 |
レーザーテック(6920) | 21,555円 | 2,155,500円 | 22.0% | 26.5% | 9回 | 8回 |
シマノ(7309) | 22,400円 | 2,240,000円 | 9.8% | 15.2% | 9回 | 8回 |
SCREENH(7735) | 10,980円 | 1,098,000円 | 5.1% | 16.3% | 7回 | 7回 |
東京エレクトロン(8035) | 15,400円 | 1,540,000円 | 12.2% | 25.8% | 8回 | 8回 |
ゴールドウイン(8111) | 12,300円 | 1,230,000円 | 7.3% | 30.7% | 9回 | 9回 |
ニトリH(9843) | 15,820円 | 1,582,000円 | 9.4% | 9.1% | 10回 | 10回 |
ファーストリテ(9983) | 29,065円 | 2,906,500円 | 9.5% | 8.9% | 9回 | 7回 |
(出所)2023年4月10日時点のマネックス銘柄スカウター
※投資金額は2023年4月7日の終値を元に算出しています(手数料や消費税等の諸経費は含まれていません)。
アナリストによる銘柄解説
10年スクリーニングで抽出された銘柄の一部を、マネックス証券のマーケット・アナリスト益嶋裕の解説付きでご紹介いたします。
九州を地盤に展開するドラッグストア。人口1万人規模の商圏に大型店を1店舗展開する「小商圏型メガドラッグストア戦略」を取る。近年は近畿や関東にも徐々に進出。食品や日用品などを常に安く販売する「Every Day Low Price戦略」を取る。近年は利益の伸び悩みや利益率の低下が嫌気されてか株価は大きく調整した。株価の調整により予想PERは20倍程度と同社の過去5年間の平均(約26倍)を下回る水準まで低下しており、割高感はなくなっている。足元は3四半期連続で増収増益を保つなど業績には底打ち感が出ている。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
業務用・家庭用エアコンの世界最大手企業。その他にも空気清浄機や冷凍機、化学製品なども手掛ける。売上高の約8割は海外で米国の比率が最も高い。その他に欧州、アジア・オセアニアでも高い売上をあげており、それぞれ堅調に成長している。決算発表前だが2023年3月期も最高益を更新したと見られている。予想PERは約27倍と同社の過去5年間の平均(約30倍)を下回っているとともに、2024年3月期が増益見込みであれば実質的なPERはもっと低いこととなる。今後の世界的な人口増加等が追い風になりやすい業種で、長期的な成長を期待したい。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
自転車部品及び釣り具用品の世界的メーカーで売上の構成比率は自転車部品が約80%、釣具が約20%。コロナ禍で高まった自転車需要を取り込む形で、大きく業績は伸長してきた。その反動や高インフレ懸念もあってか今期(2023年12月期)は大幅な減収減益を見込んでいる。ただ、アナリストの業績予想コンセンサスは会社予想を大幅に上回っており、会社予想がかなり保守的な可能性も。今期も配当は増配予定で、創業100周年の記念配当(200円分)があった2020年12月期を除くと配当は過去最高を上回る見込み。自己資本比率が90%近いなど財務状況も非常に良好。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
家具用品国内最大手のニトリを展開。2021年にはホームセンター大手の島忠と経営統合を行った。元々高成長企業として有名だが、近年は円安によるコスト増やコロナ禍での巣篭もり需要の反動等により売上・利益ともやや伸び悩んでいる。この数年間は中国や韓国等、海外出店を加速させており次の成長ドライバーとして期待したい。予想PERは約19倍と過去平均から割安な水準にある。投資の際は海外事業の成長や国内事業の持ち直しを見極めつつ、下値を拾いたい。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
ユニクロやジーユー、セオリーなどの各種ブランドを展開する世界的なアパレル小売企業。コロナ禍で業績が大きく落ち込んだものの短期間でV時回復し、同社ブランド製品への需要の強さを示す結果となった。主力のユニクロ事業は既に国内売上高を海外売上高が上回るなど海外事業の成長が目立つ。予想PERは約39倍と水準としては高いが、同社の過去平均と同程度で過度な割高感はない。今後は市場規模の大きい中国に注力することを表明しており、成功すれば成長余地は大きいと見る。
通期業績推移
(出所)マネックス銘柄スカウター
ワン株のご紹介
マネックス証券の単元未満株取引サービス「ワン株」をご紹介します。最低投資金額が大きいからと見送っていた銘柄がある方や、まずは少額から株式投資をしてみたい方などにおすすめのサービスです。主な特徴は以下のとおりです。
1株から取引できる
ワン株(単元未満株)では、通常100株単位での取引となる株式を1株からお取引いただけます。
例えば、単元株だと多額の投資資金が必要になる株式を少ない金額で保有することができます。
また、一定の金額を決めて定期的に買い足していくことでドルコスト平均法のような効果を得ることも可能です。
少額で分散投資ができる
ワン株(単元未満株)では、ほぼ全ての銘柄を1株からお取引いただけます(一部非対称銘柄はこちら)。
さまざまな銘柄に分散投資することで、価格変動リスクなどを抑えることができます。
マネックス銘柄スカウターとは
マネックス銘柄スカウターとは、2017年10月の提供開始以来数多くのご好評をいただいている銘柄分析ツールです。「10年スクリーニング」「アナリスト予想」「通常発表されない3ヶ月に区切った企業業績」「セグメント業績」「業績予想修正履歴」「理論株価」など投資判断に役立つ様々な情報をご提供しています。
マネックストレーダー株式スマートフォンからもアクセス可能です。詳細はご利用方法をご覧ください。
企業が決算短信等では発表しない3ヶ月に区切った業績を表示
理論株価と想定される株価の上値目途・下値目途を表示
「10年スクリーニング」の使い方
「10年スクリーニング」とは、2019年4月の提供開始以来ご好評をいただいている機能です。過去10年間の業績や直近の四半期業績、アナリスト予想などで高度なスクリーニングが可能です。下記では簡単な使い方をご説明します。
銘柄スカウターを開いたら上部の黄色いメニューの「10年スクリーニング」を押す。
※スマートフォンでご利用の場合は右上の三本線のメニューよりご選択ください。
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