各通貨の特色を見ていきましょう。
米ドル
いわずと知れた基軸通貨。米国経済の動向は新聞、ニュースなどでも大きく報道されるため日本にいながらにして入手できる情報も多く、まずは米ドル/円からFXを始めてみる方が多いようです。
ユーロ
EU28か国中、19か国で公式採用されている単一通貨。導入は1999年、紙幣・硬貨の登場は2002年と新しい通貨ですが、早くも「第二の基軸通貨」として存在感抜群。ドル安の際には避難先としてユーロが買われる場面も多く、米ドルと並んで欠かさず値動きをチェックしておきたい通貨です。
※ユーロ加盟国数、通貨利用国数は2019年4月12日現在
英ポンド
ユーロの誕生もあってやや影の薄くなった感はありますが、外為市場の中心地・ロンドンの地位は不動です。中東マネーがロンドンを経由するためか、はたまた原油輸出国としてのイギリスを評価してのものか、原油価格の動向を受けやすい、という声も。FX人気通貨の一つ。
豪ドル
ニュージーランドドルと並んでオセアニアの好金利通貨の代表格。資源国だけに資源価格の影響を受けやすいという声も。
スイスフラン
永世中立国の通貨とあって、有事の際に資金の逃避先として買われる傾向があるようです。日本ほどではありませんが、他の国と比べて相対的に低金利のため、スワップポイント狙いで投資するには妙味が薄いと言えそうです。
カナダドル
米国に隣接、北米自由貿易協定(NAFTA)にも参加しているため米国経済の影響を受けやすいと言われていますが、豊富な資源に恵まれた国だけに、原油・金などの資源価格の影響も大きいようです。
※2018年10月1日、NAFTAに代わる、新たな貿易協定の名称は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」と発表されました。
ニュージーランドドル
豪ドル同様、好金利通貨として人気です。市場規模自体が小さいため、価格変動が大きくなりやすいとの指摘もあります。オーストラリアに対して輸出・輸入とも約2割を依存してるため、価格も豪ドルの影響が大きいようです。
南アフリカランド
好金利通貨として人気です。ダイヤモンド、金といった資源の産出国として注目されており、金をはじめとした商品価格の影響を受けることもあります。また新興国であることから、インフレ率の高さや政治、経済の不安定さを指摘されることも多く、価格変動は大きいです。
香港ドル
1997年に中国に返還されたものの、特別行政区として引き続き香港ドルが流通しています。1983年からドル・ペッグ(米ドル固定)制が導入され、2005年7月以降は完全固定ではなく一定の変動幅(1米ドル=7.75~7.85香港ドル)が認められています。
※変動幅は2018年7月25日現在
シンガポールドル
通貨バスケット制度を採用。変動幅が一定の枠内(通貨バンド)に収まるよう、シンガポール通貨当局(MAS)が運営しているため、変動率は比較的安定しています。シンガポールはアジアの中でも経済成長が安定的に高い国として注目されています。なお、通貨当局により、金融政策の手段として外国為替市場が使われています。
トルコリラ
インフレ防止のために高金利設定をしていたものの、2009年以降少しずつ金利を下げています。鉱物資源の価格相場と採掘量、失業率・財政収支に影響を受けやすい特徴があります。トルコは、ヨーロッパとアジアにまたがり中東地域に隣接するため、古くからの貿易の中継地・要衝地として長い歴史を持ち高い潜在成長力が期待されています。
中国元(オフショア)
高い成長率を誇る中国の本土外で取引される通貨です。管理変動相場制を導入しているため、比較的安定している通貨ともいえます。今後AIIB(アジアインフラ投資銀行)を通してさらに取引量が増える可能性があります。
メキシコペソ
米国経済の影響を大きく受ける、好金利通貨です。銀や鉛、石油など天然資源が豊富です。また、世界有数の原油埋蔵量を誇るメキシコ湾があるため、原油価格も相場に影響を及ぼします。若年層人口が多く、今後の経済成長が期待されます。
各通貨の主な経済指標・イベントをご紹介します。
注目指標・イベント | 発表時期 | |
---|---|---|
米ドル | ISM製造業景況指数 | 毎月 / 第1営業日 |
ISM非製造業景況指数 | 毎月 / 第3営業日 | |
雇用統計 | 毎月/第1金曜日 | |
小売売上高 | 毎月/中旬 | |
生産者物価指数 | 毎月/中旬 | |
消費者物価指数 | 毎月/中旬 | |
GDP(速報値) | 1・4・7・10月/下旬 | |
FOMC政策金利発表 | 年8回 | |
FRB議長議会証言 | 半年に一度 | |
新築住宅販売件数 | 毎月/下旬 | |
個人消費支出 | 毎月/月末 | |
ユーロ | 製造業購買担当者景気指数(PMI) | 毎月/下旬(速報)毎月/上旬(改定) |
サービス部門購買担当者景気指数(PMI) | 毎月/下旬(速報)毎月/上旬(改定) | |
卸売物価指数 | 毎月/上旬 | |
失業率(ドイツ) | 毎月/上旬 | |
小売売上高 | 毎月/下旬から上旬 | |
ECB政策金利発表 | 1・3・4・6・7・9・10・12月/上旬または下旬 | |
消費者信頼感指数 | 毎月/下旬 | |
貿易収支 | 毎月/中旬 | |
経常収支 | 毎月/中旬 | |
ZEW景況感調査指数 | 毎月/中旬 | |
消費者物価指数 | 毎月/中旬 | |
鉱工業生産 | 毎月/下旬から上旬 | |
GDP | 3・6・9・12月/中旬(速報) | |
英ポンド | 製造業購買担当者景気指数(PMI) | 毎月/上旬 |
貿易収支 | 毎月/上旬 | |
BOE政策金利発表(MPC) | 2・3・5・6・8・9・11・12月 | |
RICS住宅価格 | 毎月/上旬 | |
ライトムーブ住宅価格 | 毎月/中旬 | |
鉱工業生産指数 | 毎月/上旬 | |
消費者物価指数 | 毎月/中旬 | |
生産者物価指数 | 毎月/中旬 | |
小売物価指数 | 毎月/中旬 | |
失業保険申請件数 | 毎月/中旬 | |
失業率 | 毎月/中旬 | |
小売売上高 | 毎月/20日頃 | |
GDP | 1・4・7・10月/下旬(速報) | |
スイスフラン | 消費者物価指数 | 毎月/上旬 |
失業率 | 毎月/上旬 | |
貿易収支 | 毎月/下旬 | |
豪ドル | 卸売物価指数 | 1・4・7・10月/下旬 |
消費者物価指数 | 1・4・7・10月/下旬 | |
RBA政策金利発表 | 毎月/上旬 | |
ウエストパック消費者信頼感指数 | 毎月/中旬 | |
住宅建設許可件数 | 毎月/下旬から上旬 | |
貿易収支 | 毎月/上旬 | |
小売売上高 | 毎月/上旬 | |
雇用統計 | 毎月/中旬 | |
NAB企業景況感指数 | 毎月/10日頃 | |
GDP | 3・6・9・12月/上旬 | |
NZドル | 雇用統計 | 2・5・8・11月/上旬 |
製造業売上高 | 3・6・9・12月/10日頃 | |
RBNZ政策金利発表 | 2・3・5・6・8・9・11月 | |
経常収支 | 3・6・9・12月/下旬 | |
GDP | 3・6・9・12月/下旬 | |
貿易収支 | 毎月/下旬 | |
小売売上高 | 3・6・9・12月/下旬 | |
住宅建設許可件数 | 毎月/下旬 | |
カナダドル | 貿易収支 | 毎月/初旬 |
雇用統計 | 毎月/第1金曜日 | |
住宅着工件数 | 毎月/10日頃 | |
新築住宅価格件数 | 毎月/中旬 | |
消費者物価指数 | 毎月/20日頃 | |
小売売上高 | 毎月/20日頃 | |
GDP | 2・5・8・11月/下旬 | |
BOC政策金利発表 | 1・3・4・5・7・9・10・12月/下旬から上旬 | |
中国元 | GDP | 4・7・10・1月/15日頃 |
製造業景気指数 | 毎月/下旬 | |
生産者物価指数 | 毎月/中旬 | |
消費者物価指数 | 毎月/中旬 | |
貿易収支 | 毎月/10日頃 | |
小売売上高 | 毎月/中旬 | |
鉱工業生産 | 毎月/中旬 | |
南アフリカランド | 貿易収支 | 毎月/下旬 |
製造業生産高 | 毎月/上旬 | |
実質小売売上高 | 毎月/中旬 | |
SARB政策金利発表 | 1・3・5・7・9・11月/中旬 | |
メキシコペソ | 原油価格 | 24時間ほぼリアルタイムで変動 |
消費者物価指数 | 毎月/上旬 | |
トルコリラ | 貿易収支 | 毎月/下旬 |
失業率 | 毎月/中旬 | |
消費者物価指数 | 毎月/上旬 | |
シンガポール | 小売売上高 | 毎月/中旬 |
消費者物価指数 | 毎月/下旬 | |
香港ドル | 中国製造業景気指数 | 毎月/下旬 |
GDP(中国) | 4・7・10・1月/15日頃 | |
日本円 | 日銀金融政策決定会合発表 | 1・3・4・6・7・9・10・12月/中旬から下旬 |
全国消費者物価指数 | 毎月/下旬 | |
四半期別GDP速報 | 2・3・5・6・8・9・11・12月/上旬から中旬 | |
景況判断指数DI | 4・7・10月/初旬 12月/中旬 |
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