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【ブラックロック】利回りが魅力的な優先株式ETFとは

【ブラックロック】利回りが魅力的な優先株式ETFとは

マネックス証券の米国株取引では、2019年7月22日(月)現地約定分より最低取引手数料を0米ドル(無料)に引き下げしたことで、少額での投資がより低コストで行えるようになりました。

今回は米国ETFの運用会社として数多くのETFを提供しているブラックロックに、優先株式に着目したETF(上場投資信託)についてご紹介いただきました。
相対的に小さな価格変動で、利回りに魅力があるETFへの分散投資を考えてみても良いかもしれません。

利回りが魅力的な優先株式ETFとは?

日本のみならず、世界的に低金利政策が継続されている中で、高い配当が支払われる企業、いわゆる高配当株式への関心が高まってきているようです。高配当株式といった場合、なじみのある普通株式を思い浮かべる方が多いかと思います。しかしながら、株式には普通株式以外にもいくつかの種類があり、性質上、高配当となるものも存在します。その株式は優先株式です。

利回りが魅力的な優先株式ETFとは?

低金利下で高い利回りに注目が集まる優先株式とは

優先株式(※1)とは、株式と債券の中間に位置する有価証券のことです。優先証券やハイブリッド証券などとも呼ばれており、企業の配当の支払いにおいて、普通株式よりも優先される株式です。配当の支払いにおいては有利な扱いを受ける株式ではあるものの、株主総会での議決権はありません。このような株式を発行する企業にとっては、配当を多く支払っても、議決権を持たないことで経営に干渉しない株主から資金を集めることができるというメリットがあります。

※1広義の優先株式(優先証券)についての説明です。

図1. 優先株式のイメージ(※2)

図1. 優先株式のイメージ(※2)

※2上図は優先株式(優先証券)に関する一般的なイメージを示したものであり、当てはまらない場合があります。必ずしも全ての事例について当てはまるものではありません。

優先株式投資の特徴

① 高い利回り

優先株式の利回り傾向は、上述の優先株式の発行形態を反映しています。証券を発行する企業(発行体)がデフォルト(債務不履行)した時の法的弁済順位が普通社債よりも下位であるため(図1)、一般的な社債と比べて高い利回りが期待されます(図2)。

図2. 代表的な資産クラスの利回り(5年)(※3)

図2. 代表的な資産クラスの利回り(5年)(※3)

(出所:ブルームバーグよりブラックロック作成、2019年6月末時点)

※312ヶ月ローリング利回り(過去12ヶ月に上記指数を保有し続けていた場合に得られた利回り(年率))

優先株式指数:ICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 インデックス
米国国債:S&P 米国債 7-10 年 インデックス
米国投資適格社債:Bloomberg Barclays米国投資適格社債 インデックス
米国ハイイールド債:Bloomberg Barclays 米国ハイイールド社債 インデックス
新興国債券:J.P. Morgan EMBI グローバル コア インデックス
実際には上記指数に投資することはできません。また将来の投資成果を保証・約束するものではありません。

② 相対的に小さい価格変動幅(ボラティリティ)

優先株式の配当は固定されており、普通株式よりも価格の変動が小さい傾向があります(図3)。ただし、優先株式の多くが金融系企業から発行されていることから、金融危機等の金融セクターに大きな株価変動が生じるような局面では、想定以上に価格変動の幅が大きくなる可能性がある点には注意が必要です。

図3. 代表的な資産クラスの価格推移(5年)(※4)

図3. 代表的な資産クラスの価格推移(5年)(※4)

(出所:ブルームバーグよりブラックロック作成、2019年6月末時点)

※42014年6月末を100としてリターンを算出。

優先株式指数:ICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 インデックス
米国国債:S&P 米国債 7-10 年 インデックス
米国投資適格社債:Bloomberg Barclays米国投資適格社債 インデックス
米国ハイイールド債:Bloomberg Barclays 米国ハイイールド社債 インデックス
新興国債券:J.P. Morgan EMBI グローバル コア インデックス
実際には上記指数に投資することはできません。また将来の投資成果を保証・約束するものではありません。

③ 分散投資効果

過去5年間の優先株式の価格推移を代表的な資産クラスと比較すると、S&P500や米国債等とは異なる値動きをすることが分かります(図3)。このことから、一般的に優先株式は、分散投資効果に有効とも言われています。

優先株式に手軽に投資できる手段とは

日本の投資家のみなさまは、あまり優先株式に投資をしたことが無いかもしれません。
そこで、ここでは利便性やコストの観点から、手軽にお取引可能なETFのご紹介をします。

名称は「iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF」(ティッカーシンボル:PFF)。米国市場に上場された優先株式を組入れたETFです。売買単位は1口からとなっており、40米ドル程度でお取引可能となっています(2019年6月末時点)。直近1年間の配当利回りは5.78%(過去12ヶ月分配金:2.127米ドル、基準価額(6/28時点):36.77米ドル)、原則毎月分配となっています。なお、ETFのため、一般的な投資信託のような特別分配金はありません。

表1. 当ETFの基本情報(2019年6月末時点)

銘柄コード PFF 総経費率 0.46%
銘柄名称 iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF 純資産残高 15,366百万米ドル
連動を目指す指数 ICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 トランジション インデックス(※5) 発行済口数 418百万口
設定日 2007年3月26日 組入れ銘柄数 466銘柄
上場市場 米国 分配頻度 原則毎月
売買単位 1口 過去12ヶ月分配金利回り 5.78%

※52019年2月1日より、当ファンドの名称をiシェアーズ米国優先株式ETFからiシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETFに変更しております。同様に、当ファンドは連動対象指数をS&P 米国優先株式インデックスからICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 トランジション インデックスへと変更しました。
なお、2019年11月1日より、当ファンドは指数移行期間(2019年2月1日から2019年10月31日)を経て、ICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 トランジション インデックスからICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 インデックスに連動する予定です。

当ETFにおける直近5年間の基準価額の動きは、図4のとおりです。上述した優先株式の特徴のひとつである、価格変動幅の小ささをお分かりいただけるのではないでしょうか。

図4. PFF基準価額と分配金基準価額の推移(5年)(※6)

図4. PFF基準価額と分配金基準価額の推移(5年)(※6)

(出所:ブラックロック作成)

※6上記データは過去の運用実績を示すものであり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

また、投資家の皆様が投資の目安のひとつとされるトータル・リターンは、表2のとおりです。

表2. 当ETFのトータル・リターン(年率/2019年6月末時点)(※7)

1年 3年 5年 10年 設定来
3.61% 3.07% 4.25% 7.96% 4.18%

※7税引前分配金を再投資したものとして算出した累積投資基準価額により計算しています。
税引前分配金を再投資したものとして算出した累積投資基準価額により計算しています。上記データは過去の運用実績を示すものであり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

おわりに

株式と呼ばれるものの中には、普通株式よりも配当の高い優先株式というものがあるということ、そして優先株式を投資対象としたETFが存在することをお分かりいただけたかと思います。ご覧いただいた内容が皆様の今後の資産形成の一助となれば幸いです。
なお、ブラックロックでは、優先株式の特徴をお伝えする際に比較として用いた米国国債、米国投資適格社債等を投資対象としたETFも取り揃えております。詳細はブラックロックのウェブサイトをご確認ください。

表3. ブラックロックのETF(一部抜粋)

投資対象 銘柄名称(連動指数) ティッカーシンボル 経費率(年率)(※8) トータル・リターン(1年)(※9)
米国国債 iシェアーズ 米国短期国債 ETF
(バークレイズ 米国短期国債インデックス)
SHV 0.15% 2.35%
米国国債 iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF
(ICE 米国国債(1-3年)インデックス)
SHY 0.15% 3.84%
米国国債 iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF
(ICE 米国国債(7-10年)インデックス)
IEF 0.15% 10.00%
米国国債 iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF
(ICE 米国国債(20年超)インデックス)
TLT 0.15% 12.07%
米国投資適格社債 iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF(Markit iBoxxR 米ドル建てリキッド 投資適格指数) LQD 0.15% 12.50%
米国ハイイールド債 iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF(Markit iBoxxR 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数) HYG 0.49% 7.62%
新興国債券 iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF(J.P. モルガン EMBI グローバル・コア・インデックス) EMB 0.39% 12.42%
米国株式 iシェアーズ・コア S&P 500 ETF(S&P 500指数) IVV 0.04% 10.38%

※82019年6月末時点。

※92019年6月末時点。税引前分配金を再投資したものとして算出した累積投資基準価額により計算しています。上記データは過去の運用実績を示すものであり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

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