本コンテンツでは、マネックス証券の日本株分析ツール「マネックス銘柄スカウター」でメガバンクを含む日本の銀行株を分析します。新NISA成長投資枠で投資する銘柄を探している方や日本株取引を検討している方はぜひお役立てください。
大槻奈那氏「今期の邦銀は『三拍子』そろった好環境に恵まれている」
2024年6月19日付のマネックスみんなのつぶやき(「銀行版マグニフィセント・セブン」の威力)でピクテ・ジャパン株式会社シニアフェローである大槻奈那氏が「「今期の邦銀は『三拍子』そろった好環境に恵まれている」と述べています。三拍子とは、国内金利の上昇・円安の長期化・国内景気の堅調さを指しており、海外大手証券のアナリストが発表した高成長が期待できる米国銀行株のレポートに対して「今期、銀行業界で『マグニフィセント』な成長が期待できるのは邦銀の方では」と指摘しています。国内金利と米ドル/円、国内景気の動向は下図のとおりです。
(出所)QUICK
(出所)内閣府発表データよりマネックス証券作成
※CI指数とは、景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定する目的で算出される指数。上記データは2020年を100としており、100を上回ると景気が拡張局面にあり、100を下回ると景気が後退局面にあると判断される。
日本の銀行株の通期業績の会社予想とアナリスト予想をチェック
マネックス証券の日本株分析ツール「マネックス銘柄スカウター」の10年スクリーニングを使って、大手銀行株の会社予想とアナリスト予想を表示しました。基礎条件で業種を選択し、詳細条件を追加したらそのまま数値を入力せずにスクリーニングボタンを押すと、各条件のデータが一覧で表示できます。基礎条件で指定した全ての銘柄の数値を確認したい場合や、目安となる数値が分からない場合にご活用いただけます。
スクリーニング条件
10年スクリーニングの「新規作成」ボタンを押して基礎条件を設定し、「条件を追加する」ボタンを押して詳細条件を追加してスクリーニングします。
【基礎条件】
- 業種:オリジナル業種>銀行>大手銀行
【詳細条件】(数値指定なし)
- [今期会社予想]経常利益増益率
- [今期会社予想]当期利益増益率
- [今期アナリスト予想]経常利益増益率
- [今期アナリスト予想]当期利益増益率
スクリーニング結果
銘柄名(銘柄コード) | 株価 (6/24終値) |
経常利益増益率 [今期会社予想] |
経常利益増益率 [今期アナリスト予想] |
当期利益増益率 [今期会社予想] |
当期利益増益率 [今期アナリスト予想] |
---|---|---|---|---|---|
楽天銀行(5838) | 2,856円 | 10.1% | 17.8% | 9.8% | 17.8% |
住信SBI銀(7163) | 2,911円 | - | 15.6% | 12.7% | 13.0% |
ゆうちょ銀行(7182) | 1,466.5円 | 5.8% | 7.7% | 2.5% | 6.5% |
あおぞら銀行(8304) | 2,588.5円 | 143.8% | 142.3% | 136.1% | 137.1% |
三菱UFJFG(8306) | 1,579.5円 | - | 2.0% | - | 1.8% |
りそなH(8308) | 1,012.5円 | - | 7.8% | 3.8% | 7.7% |
三井住友FG(8316) | 10,030円 | - | 4.1% | 10.1% | 10.7% |
セブン銀行(8410) | 265円 | -8.3% | 0.4% | -39.0% | -36.5% |
みずほFG(8411) | 3,127円 | - | 11.7% | 10.5% | 9.6% |
(出所)2024年6月25日時点のマネックス銘柄スカウター
一部の銘柄をピックアップして銘柄スカウターで分析
10年スクリーニングで抽出された銘柄のうち、一部の銘柄をピックアップして「マネックス銘柄スカウター」で分析します。
ゆうちょ銀行(7182)
日本郵政グループの銀行子会社。総資産国内4位の巨大銀行であり、預金(貯金)残高は国内1位(194兆円)。予想配当利回りは3.55%(年間1株配当52円、6/24終値1,466.5円で計算)と全業種の中で高めの水準となっており、実績配当性向も51.8%と高水準。
直近の業績は?
2024年3月期の通期売上高は過去10年間の最高を更新しており4期連続の増収。また、親会社株主純利益は前年比9.5%の増益で上場来最高益を更新している。2023年度末の運用資産に占める外国証券等の割合は37.4%と高く、円安のメリットを受けられる可能性がある。また、貸出金の割合は2.9%と低いが2021年度以降少しずつその割合を増やしている。
今後の見通しは?
2025年3月期の通期業績について、経常利益については会社予想では5.8%増益となっており、アナリスト予想コンセンサス(平均値)は会社予想を1.7%上回る数値となっている。当期利益については会社予想では2.5%の増益となっており、アナリスト予想コンセンサスは会社予想を3.9%上回る数値となっている。過去1年間(=52週間)の株価推移と比較して現在の株価がどの程度の水準にあるかを表す52週株価水準は55.7と標準的な水準で、目標株価コンセンサスは6/24終値より19.33%高い1,750円であり、今後の上昇が期待できそう。
通期業績推移
通期業績の会社予想とアナリスト予想コンセンサス
経常利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
---|---|---|---|---|
2025年3月 | 525,000 | 534,120 | 496,059 | |
2026年3月 | - | 557,125 | - | |
当期利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
2025年3月 | 365,000 | 379,178 | 356,133 | |
2026年3月 | - | 402,833 | - |
(出所)マネックス銘柄スカウター、企業IR資料
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行を中核とする国内最大の金融グループ。予想配当利回りは3.17%(年間1株配当50円、6/24終値1,579.5円で計算)と全業種の中では高めの水準で増配が続いていることや、過去10年でほぼ毎年自社株買いを実施していることから株主還元に積極的な姿勢がうかがえる。
直近の業績は?
2024年3月期の通期売上高は過去10年間の最高を更新しており3期連続の増収。また、親会社株主純利益は2005年のMUFG発足以来の最高益を更新している。貸出金末残は国内・海外ともに増加しており、国内預貸出金利回りは0.81%から0.89%まで上昇している。
今後の見通しは?
2025年3月期の通期業績について、経常利益の会社予想は発表されていないが、アナリスト予想コンセンサスは2024年3月期の実績を2.0%上回る数値となっている。当期利益については会社予想では0.6%の増益となっており、アナリスト予想コンセンサスは会社予想を1.2%上回る数値となっている。52週株価水準は80.2と高めだが、目標株価コンセンサスは6/24終値より14.47%高い1,808円であり、今後も上昇が期待できそう。
通期業績推移
通期業績の会社予想とアナリスト予想コンセンサス
経常利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
---|---|---|---|---|
2025年3月 | - | 2,169,471 | 2,127,958 | |
2026年3月 | - | 2,311,367 | - | |
当期利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
2025年3月 | 1,500,000 | 1,517,767 | 1,490,781 | |
2026年3月 | - | 1,611,924 | - |
(出所)マネックス銘柄スカウター、企業IR資料
りそなホールディングス(8308)
りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらいフィナンシャルグループを中核とする金融持株会社であり、地域密着型のリテール中心、フルラインの信託機能を備えたリテールバンキンググループ。予想配当利回りは2.27%(年間1株配当23円、6/24終値1,012.5円で計算)と全業種の中では標準的な水準だが、ここ数年は毎年自社株買いを実施しており、株主還元に積極的な姿勢がうかがえる。
直近の業績は?
2024年3月期の通期売上高は過去10年間の最高を更新しており3期連続の増収。また、フィー収益は4期連続の増益で過去最高益を更新している。貸出金末残は前期比で3.7%増加しており、中小企業向け貸出や自己居住用住宅ローンがその大半を占める。なお自己居住用住宅ローンの90%以上は変動金利での貸出となっている。
今後の見通しは?
2025年3月期の通期業績について、経常利益の会社予想は発表されていないが、アナリスト予想コンセンサスは2024年3月期の実績を7.8%上回る数値となっている。当期利益については会社予想では3.8%の増益となっており、アナリスト予想コンセンサスは会社予想を3.8%上回る数値となっている。52週株価水準は78.7と高めだが、目標株価コンセンサスは6/24終値より5.02%高い1,063円であり、今後も上昇が期待できそう。
通期業績推移
通期業績の会社予想とアナリスト予想コンセンサス
経常利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
---|---|---|---|---|
2025年3月 | - | 240,300 | 222,962 | |
2026年3月 | - | 265,060 | - | |
当期利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
2025年3月 | 165,000 | 171,228 | 158,930 | |
2026年3月 | - | 187,171 | - |
(出所)マネックス銘柄スカウター、企業IR資料
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
三井住友銀行を中核とする大手金融グループ。予想配当利回りは3.29%(年間1株配当330円、6/24終値10,030円で計算)と全業種の中では高めな水準で増配が続いており、数年おきに自社株買いを実施していることから株主還元に積極的な姿勢がうかがえる。
直近の業績は?
2024年3月期の通期売上高は過去10年間の最高を更新しており3期連続の増収。貸出金残高は前期比で7%増加しており、国内では特に法人向け貸出が増加している。海外では全体の貸出金残高はフラットだが、欧州、中東、アフリカででの貸出金が増加傾向にある。
今後の見通しは?
2025年3月期の通期業績について、経常利益の会社予想は発表されていないが、アナリスト予想コンセンサスは2024年3月期の実績を4.1%上回る数値となっている。当期利益については会社予想では10.1%の増益となっており、アナリスト予想コンセンサスは会社予想を6.0%上回る数値となっている。52週株価水準は88.3と高めだが、目標株価コンセンサスは6/24終値より10.55%高い11,088円であり、今後も上昇が期待できそう。
通期業績推移
通期業績の会社予想とアナリスト予想コンセンサス
経常利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
---|---|---|---|---|
2025年3月 | - | 1,526,560 | 1,466,128 | |
2026年3月 | - | 1,642,340 | - | |
当期利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
2025年3月 | 1,060,000 | 1,066,336 | 962,946 | |
2026年3月 | - | 1,139,056 | - |
(出所)マネックス銘柄スカウター、企業IR資料
みずほフィナンシャルグループ(8411)
銀行業務、信託業務、証券業務を中核とする大手金融グループ。予想配当利回りは3.68%(年間1株配当115円、6/24終値3,127円で計算)と全業種の中では高めな水準で増配が続いており、株主還元に積極的な姿勢がうかがえる。
直近の業績は?
2024年3月期の通期売上高は過去10年間の最高を更新しており3期連続の増収。また、連結業務純益の顧客部門は2016年のカンパニー制導入以降の最高益を更新している。国内貸出金平残は前期比で2.2%増加しており、CIBC(国内の大企業法人・金融法人・公共法人向け)の貸出がその大半を占める。
今後の見通しは?
2025年3月期の通期業績について、経常利益の会社予想は発表されていないが、アナリスト予想コンセンサスは2024年3月期の実績を11.7%上回る数値となっている。当期利益については会社予想では10.4%の増益となっており、アナリスト予想コンセンサスは会社予想を0.8%下回る数値となっている。52週株価水準は84.7と高めだが、目標株価コンセンサスは6/24終値より9.94%高い3,438円であり、今後も上昇が期待できそう。
通期業績推移
通期業績の会社予想とアナリスト予想コンセンサス
経常利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
---|---|---|---|---|
2025年3月 | - | 1,021,043 | 914,047 | |
2026年3月 | - | 1,113,183 | - | |
当期利益 (百万円) |
決算期 | 会社予想 | コンセンサス | 前期実績 |
2025年3月 | 750,000 | 743,941 | 678,993 | |
2026年3月 | - | 813,045 | - |
(出所)マネックス銘柄スカウター、企業IR資料
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