インサイダー取引とは、会社の内部情報に接する立場にある会社役員等が、その特別な立場を利用して会社の重要な内部情報を知り、情報が公表される前にこの会社の株式等を売買することを言います。
当社では、お客様がインサイダー取引規制に抵触されることを未然に防止する為に、お客様が上場会社や上場投資法人等の役員、又は役員に準ずる役職である場合や、上場会社等の大株主である場合、勤務先の親会社または子会社が上場会社や上場投資法人等である場合に、内部者の登録をお願いしております。
「内部者」に該当する場合、お客様がご勤務先等の株式等の売買をされる際に、インサイダー取引に抵触するおそれがないかどうか等、売買の理由を確認させていただく場合があります。
新たに内部者になられた場合、またはご登録いただいている内部者の情報に変更がある場合には、ログイン後の「保有残高・口座管理」→「登録内容確認・変更」の内部者登録より変更をお願いしております。
「インサイダー取引」は「内部者取引」とも言います。どちらもまったく同じ意味です。
このインサイダー取引規制については、法令上細かい規定が設けられていますが、規制の骨子は比較的シンプルです。
インサイダー取引規制をもっともシンプルに言い表すと、以下のようになります。
上場会社および上場投資法人等の役職員や大株主等の「会社関係者(および会社関係者から重要事実の伝達を受けた者=情報受領者)」は、その株券や上場投資証券等の特定有価証券等の価格に重大な影響を与える「重要事実を知って」、その重要事実が「公表される前に」、「特定有価証券等の売買をしてはならない」。
インサイダー取引は金融商品取引法により、金融商品市場における不公正取引として禁止されています。その理由は、大きく以下の2つがあると言われています。
会社関係者とは、上場会社等の役員等、株価に影響を与える未公表の会社の内部情報に近い立場にいる方のことです。
また以下に該当するお客様については、内部者登録をお願いしております。
また、上記に該当するお客様に対しては、書面にてお取引の確認をさせていただく場合がありますので、その際には、お手数ですが、ご協力お願いいたします。
なお、法人のお客様で会社関係者(上場会社等の親会社または主な子会社)に該当する場合は、お手数ですが、コールセンターへご連絡いただきますようお願いいたします。
当社では、内部者取引の防止のために、また内部者の情報を正しく把握するために、日本証券業協会が構築するJ-IRISSにより、適宜内部者情報の把握に努めています。
重要事実とは、投資者の投資判断(簡単に言えば、当該会社の株価)に影響を与える可能性のある重要な会社情報のことです。
具体的には法令で細かく規定されています。重要事実は「決定事実」、「発生事実」、「決算情報」、「その他」に分類され、さらに、上場会社に係わる重要事実と上場会社の子会社に係わる重要事実に分類されます。
(1)と(2)の重要事実の一部および(3)の重要事実には、具体的な数値基準が内閣府令上定められています。
例えば、株式分割については、10%以上の増加割合のものだけが重要事実とされます。
(1)決定事項 | 株式の募集、自己株式の取得、株式分割、業務提携、合併、新製品・技術の企業化 |
---|---|
(2) 発生事実 | 業務遂行の過程に生じた損害、債権者による債務の免除 |
(3) 決算情報 | 業績予想の大幅な修正(売上高、経常利益、当期純利益)、配当予想の大幅な修正 |
(4) その他 | (1)から(3)以外で上場会社の運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの |
(5) 子会社に係わる重要事実 |
子会社の情報であっても企業集団全体の経営に大きな影響を与えるもの |
株券、社債券、優先出資証券、新株予約権証券の他、これらの証券に係るオプション等を表示する、いわゆるカバードワラントや他社株転換条項付社債券等が含まれます。
特定有価証券等は、上場会社等が発行する有価証券に限られますが、その有価証券自体の上場・非上場を問うものではありません。
「公表」には、3つの方法があります。
インサイダー取引規制の違反は刑事罰の対象です。
個人がインサイダー取引規制に違反した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科されるか、又は懲役と罰金が併科されます。
また、法人の代表者や使用人等が、その法人の業務又は財産に関してインサイダー取引を行った場合には、その行為者を罰するだけでなく、その法人に対しても5億円以下の罰金が科せられます。
また、インサイダー取引で得た財産はすべて没収され、没収することができないときはその価額が追徴されます。
さらに、刑事罰とはならないものであっても、行政上の措置として課徴金制度が適用された場合には、一定額を課徴金として国庫に納付することが命じられることとなります。
上場会社等・上場投信法人等・上場投資法人等の資産運用会社の役員および主要株主等が当該上場会社等の特定有価証券等の売買について、金融商品取引業者に委託等をして行った場合は、金融商品取引法の規定によりその売買等に関する「役員又は主要株主の売買報告書」について、売買のあった日の属する月の翌月15日までに取扱金融商品取引業者を経由して、内閣総理大臣に提出しなければなりません。
当社にて上場会社等の役員又は主要株主等として内部者登録をされているお客様には、該当する特定有価証券等の売買等を行った際に、当社より「役員又は主要株主の売買報告書」に関して必要な手続きをご案内しています。
金融商品取引法(第164条、165条)は、上場会社等の役員又は主要株主が行う、当該上場会社等の特定有価証券等の売買に関し、短期売買利益の当該上場会社等による返還請求権を規定し、また空売り等を制限しています。
インサイダー取引規制については、金融商品取引法第166条を中心に規定されています。
内部者登録については、日本証券業協会自主規制規則「協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則」第15条を中心に規定されています。