「将来、値上がりする株を見つけたい!」「この株はこの先、値上がりするの?」
将来の株価を予測する際に役立つ、銘柄分析。もちろん必ず当たってくれるものではありませんが、投資家の間で広く使われている分析手法を覚えることは、投資上達の近道です。
銘柄分析にはさまざまな方法がありますが、大きくは以下の2種類に大別されます。
どちらが優れているとは一概には言えませんが、企業の成長力などに期待する長期投資にはファンダメンタルズ分析が、値上がり・値下がりのタイミングを重視した短期売買にはテクニカル分析が向いている、という声もあります。
この両者を併用し、ファンダメンタルズ分析で企業の実力をチェック、そこで有望と思われる銘柄の売買タイミングをテクニカル分析でチェック・・・という形が理想的かもしれません。
今回スタートのこのコーナー、第1回目はファンダメンタルズ分析の基礎の基礎から勉強していきます。
ファンダメンタルズ分析で頻繁に出てくるのが「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」、「ROE(自己資本利益率)」などの指標。
ちょっと遠回りになりますが、これらの説明に入る前に、今回はまず企業の決算についてカンタンにご案内いたします。
前述のPERなど、ファンダメンタルズ分析に出てくる指標は基本的に決算の予想値や実績値が使われているため、まず決算のルールを理解しておくことが重要です。
それぞれの会社は年に1度の本決算期(事業年度の末日)が決まっています。
現在、日本の上場企業の約6割は、4月1日~翌年3月31日までを1事業年度とする「3月期決算」です。3月期決算の会社にとって、2010年4月1日~2011年3月31日の間は「2011年3月期」。
仮に今日を2010年8月1日とすると、これは3月期決算の会社にとって「2011年3月期」の真っ最中。
ファンダメンタルズ分析では、その会社の売上高や利益、配当金などについて「今期予想」という言葉が頻繁に出てきますが、この場合における「今期」とは来年3月末日までの「2011年3月期」の予想数字であることをまず確認しておきましょう。
なおこの場合、「直近期」や「前期」と呼ばれるのは「2010年3月期」ということになり、この2010年3月期決算で発表された数字は「直近期実績」などと呼ばれます。
また、現在日本の上場企業は四半期決算(つまり3ヵ月ごと)の開示が義務づけられており、3月期決算企業の場合、2010年4月~6月は「2011年3月期 第1四半期」、2010年7月~9月は「2011年3月期 第2四半期」と呼ばれます。
さて、決算に関する記事を読んだり、ファンダメンタルズ分析を行っていると、「売上高」や「営業利益」、「経常利益」、「純利益」という言葉がよく出てきます。
この4つの数字について、大雑把にイメージをつかんでおきましょう。
文字通り、その会社が「1年間にどれだけ売上をあげたか」という金額です(この売上高をはじめ、通常特にことわりのない場合は1年間を通じた値を使います)。
なお、業種によっては「営業収入」、「営業収益」など呼び方が違う場合もあります。
先ほどの「売上高」から、売上原価と販売費、一般管理費を引いた値です。
会社の本業で稼いだ利益とされます。売上高から原材料費や仕入れ費用、人件費、広告宣伝費などを引いたものとイメージしておきましょう。
先ほどの「営業利益」から、営業外費用を引き、営業外収益をプラスした値です。
本来の営業の範囲外の収支をプラスマイナスしたものとなります。営業外費用としては借入金がある場合の金利負担、営業外収益として預金がある場合の受取利息などが挙げられます。
先ほどの「経常利益」に特別利益をプラスし、特別損失や法人税などを引いたものです。特別利益には土地や投資有価証券の売却益、特別損失には土地や投資有価証券の売却損などがあります。税金など、差し引かれるものは全て差し引いた後の利益なので、純利益は「最終利益」と呼ばれたり、あるいは単に「利益」、「当期利益」とも呼ばれます。
4つの数字についてまとめると、以下のような流れとなります!
売上高 1年間にあげた売上金額
営業利益 売上高から売上原価と販売費、一般管理費を引いたもの
経常利益 営業利益に営業外収益をプラス、営業外費用をマイナスしたもの
純利益 経常利益に特別利益をプラス、特別損失や法人税などをマイナスしたもの
決算の基礎を押さえたら、次はいよいよ本格的にファンダメンタルズ分析!
次回、第2回は「PER」や「PBR」など各種指標について見ていきます。
国内上場有価証券取引に関する重要事項
<リスク>
国内株式および国内ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「国内株式等」)の売買では、株価等の価格の変動や発行者等の信用状況の悪化等により元本損失が生じるおそれがあります。また、国内ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じるおそれがあります。<保証金の額または計算方法>
信用取引では、売買代金の30%以上かつ30万円以上の保証金が必要です。信用取引では、元本(保証金)に比べ、取引額が最大3.3倍程度となる可能性があるため、価格、上記各指数等の変動、または発行者の信用状況の悪化等により元本を上回る損失(元本超過損)が生じるおそれがあります。レバレッジ型商品等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合があります。<手数料等>
国内株式等のインターネット売買手数料は、「取引毎手数料」の場合、約定金額3,000万円以下のときは、最大921円(税込:1,013円)、約定金額3,000万円超のときは、973円(税込:1,070円)かかります。ただし、信用取引では、「取引毎手数料」の場合、約定金額が50万円以下のときは、成行・指値の区分なく最大180円(税込:198円)が、約定金額50万円超のときは、成行・指値の区分なく最大350円(税込:385円)がかかります。また、「一日定額手数料」の場合、一日の約定金額300万円ごとに最大2,500円(税込:2,750円)かかります。約定金額は現物取引と信用取引を合算します。(非課税口座では「取引毎手数料」のみ選択可能ですのでご注意ください。)単元未満株のインターネット売買手数料は、買付時は無料です。売付時は約定金額に対し0.5%(税込:0.55%)(最低手数料48円(税込:52円))を乗じた額がかかります。国内ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。国内株式等の新規公開、公募・売出し、立会外分売では、購入対価をお支払いただきますが、取引手数料はかかりません。IFAコースをご利用のお客様について、IFAを媒介した取引の売買手数料は、1注文の約定金額により異なり、2億円超の約定金額のとき最大手数料345,000円(税込:379,500円)かかります。詳しくは当社ウェブサイトに掲載の「IFAコースの手数料」をご確認ください。<その他>
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