企業業績や財務内容に注目、今の株価は割高か?割安か?などを見ていくファンダメンタルズ分析。
今回はさまざまな指標のうち、特に頻出の「PER」、「PBR」、「配当利回り」の3つについてご案内いたします。
投資判断に用いられる指標のうち、おそらく最も有名と思われるPER(株価収益率)。
現在の株価が1株あたり純利益(EPS)の何倍まで買われているかを表し、一般にはPERが低いほど株価は割安、PERが高いほど株価は割高、と考えられます。
現在の株価
1株あたり純利益(EPS)
1株あたり純利益がともに100円のA社とB社があり、現在のA社の株価は1,000円、B社の株価は2,000円だったと仮定します。この場合、A社のPERは10倍、B社のPERは20倍となり、単純に考えるとA社株の方が割安ということに。
もっとも、他の業種よりもPERが高めになる業種、低めになる業種などもあり、PERの数値だけを盲信して割高・割安を論じるのは、ちょっと危険。通常は同じ業種、似たような規模の会社などと比較し、参考とする方が多いようです。また、今後の成長が期待される会社は人気を集め、PERも高めとなる傾向があるようです。
なお、その企業単独ではなく、子会社や関連会社も含めた連結ベースでPERを見たものが「連結PER」です。
近年は連結ベースの決算が非常に重要視されているうえ、企業グループの全体像を見ると単独の場合とは異なった実像が見えてくる場合もあるので、要チェック!
ちょっと横道
先ほどの式で、分母となっている「1株あたり純利益(EPS)」に注目!
前回このコーナーで決算について学んだ際、「純利益」が登場しましたが、この「1株あたり純利益(EPS)」は純利益をその会社の発行済み株式数で割ったものです。
1年間にあげる純利益(最終利益、当期利益、あるいは単純に利益とも)が同じなら、発行済み株式数の小さな会社ほど、1株あたり純利益(EPS)は大きくなります。
PERと並ぶ頻出指標が、PBR(株価純資産倍率)です。
会社の資産に着目して株価の割安さを計り、一般にはPBRが低いほど株価は割安、と考えられます。株価はどの水準まで下がるか?といった、下値メドを探る際に参考とする投資家が多いようです。
現在の株価
1株あたり株主資本(純資産)(BPS)
会社の資産から負債(借入金など)を差し引いたものを「株主資本(純資産)」と呼びますが、これをその会社の発行済み株式数で割ったものが上の計算式に登場する分母、「1株あたり株主資本(BPS)」です。
会社が解散した場合、株主資本は持株数に応じて株主に返還されることになっているため、BPSは「会社が解散した場合にもらえる1株あたりの理論上の金額」、すなわち解散価値、といえます。
その1株あたりの解散価値に比べ、現在の株価が何倍まで買われているかを表しているのがPBR。この値が1倍を割り込んだ場合、現在の株価は理論上の解散価値より低いということになるため、割安な状態と考えられます。ただし、財務内容や業績に不安のある企業の場合、株主資本(ひいては解散価値)が今後どんどん小さくなって倒産・・・なんて懸念もありますし、PBRだけを見て投資判断するのは、やはり早計。
他の指標と併用しながら、「PBRが1倍近辺まで下がってきたから、そろそろ下げ止まるかな?」というように、下値メドを模索する方が多いようです。
なお、好業績企業や優良企業は株主資本や解散価値よりも成長性が重視され、PBRの水準とは無関係に株価上昇する場合が。「どこまで上がるか?」というように上値メドを探る指標としては、PBRは適していると言えません。
「値上がり益」と並び、企業からの「配当金」も株式投資の魅力の一つ。
投資金額に対し、1年でどれぐらいの配当をもらえるかを示す指標が「配当利回り」です。超・低金利の時代だけに、要チェック!
1株あたり配当金
現在の株価
配当利回りは大きければ大きいほどおトクと言えますが、配当金の額は固定されているものではなく、業績等により増減するので注意しましょう。場合によっては配当の額が減ってしまったり(減配)、まったく支払われない「無配」になってしまう場合も!
上の式から分かるとおり、1株あたり配当金の額が変わらないとすると、株価が安くなれば安くなるほど配当利回りは上昇します。株価が極端に安い企業の場合、非常に高い配当利回りとなる場合がありますが、業績の悪さを反映して株価が低迷している企業の場合、これから減配や無配になってしまう可能性も高く、特に注意が必要です。
なお、業績の安定している企業や信頼性の高い企業の場合、配当利回りが高ければそれが評価され、株価の下降局面でも下げに一定の歯止めがかかる場合があるようです。
ファンダメンタルズ分析に使われる指標は、今回ご紹介したものの他にもまだまだいっぱい!
次回はこれらの指標についてご案内いたします。
国内上場有価証券取引に関する重要事項
<リスク>
国内株式および国内ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「国内株式等」)の売買では、株価等の価格の変動や発行者等の信用状況の悪化等により元本損失が生じるおそれがあります。また、国内ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じるおそれがあります。<保証金の額または計算方法>
信用取引では、売買代金の30%以上かつ30万円以上の保証金が必要です。信用取引では、元本(保証金)に比べ、取引額が最大3.3倍程度となる可能性があるため、価格、上記各指数等の変動、または発行者の信用状況の悪化等により元本を上回る損失(元本超過損)が生じるおそれがあります。レバレッジ型商品等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合があります。<手数料等>
国内株式等のインターネット売買手数料は、「取引毎手数料」の場合、約定金額3,000万円以下のときは、最大921円(税込:1,013円)、約定金額3,000万円超のときは、973円(税込:1,070円)かかります。ただし、信用取引では、「取引毎手数料」の場合、約定金額が50万円以下のときは、成行・指値の区分なく最大180円(税込:198円)が、約定金額50万円超のときは、成行・指値の区分なく最大350円(税込:385円)がかかります。また、「一日定額手数料」の場合、一日の約定金額300万円ごとに最大2,500円(税込:2,750円)かかります。約定金額は現物取引と信用取引を合算します。(非課税口座では「取引毎手数料」のみ選択可能ですのでご注意ください。)単元未満株のインターネット売買手数料は、買付時は無料です。売付時は約定金額に対し0.5%(税込:0.55%)(最低手数料48円(税込:52円))を乗じた額がかかります。国内ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。国内株式等の新規公開、公募・売出し、立会外分売では、購入対価をお支払いただきますが、取引手数料はかかりません。IFAコースをご利用のお客様について、IFAを媒介した取引の売買手数料は、1注文の約定金額により異なり、2億円超の約定金額のとき最大手数料345,000円(税込:379,500円)かかります。詳しくは当社ウェブサイトに掲載の「IFAコースの手数料」をご確認ください。<その他>
お取引の際は、当社ウェブサイトに掲載の「契約締結前交付書面」「上場有価証券等書面」「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」を必ずお読みください。