「米国株の配当はいつ受け取れるの?」
という疑問への回答を結論からお伝えすると、多くの米国企業は「年に4回・四半期(3ヶ月ごと)」のタイミングで配当金を出しています。
例えば、マイクロソフト(MSFT)であれば、3月・6月・9月・12月です。
日本企業の配当回数は多くの場合年に1~2回であるのに対し、米国企業は配当回数が多いのが大きな魅力。
米国株の配当金がいつ支払われるかに着目しながら投資すれば、定期的な収入を配当金から得ることも可能です。
そこで本記事では、米国株投資の初心者に向けて、米国株の配当はいつもらえるのか、具体的に解説していきます。
「米国株に投資してみたい」
「いつ配当がもらえるのか知りたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説をお読みいただければ、米国株の知識がない初心者の方でも、配当金について具体的に把握できます。
配当が支払われる決算スケジュールについて詳しく見ていきましょう。
米国企業の配当は、四半期決算で支払われるのが一般的です。四半期決算とは、1年を3ヶ月ごとの4期に分けて、3ヶ月ごとに公表する決算のことです。
例えばマイクロソフト(MSFT)であれば、1年を通して行う本決算が6月に行われ、四半期決算が9月・12月・3月に行われます。
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
---|---|---|---|---|
期間 | 7~9月 | 10~12月 | 1月~3月 | 4月~6月 |
決算期 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 (本決算) |
期間 | 決算期 | |
---|---|---|
第1四半期 | 7~9月 | 9月 |
第2四半期 | 10~12月 | 12月 |
第3四半期 | 1月~3月 | 3月 |
第4四半期 | 4月~6月 | 6月 (本決算) |
一方、日本企業は本決算後の1回または中間決算後を加えた2回が一般的です。
もうひとつ挙げられるのは、日本企業より米国企業の方が、決算期が分散していることです。
以下は資本金1億円以上の法人の決算期を示した表です。
日本企業は、3月決算への集中が顕著なのがわかります。
月 | 資本金階級別法人数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1億円超 | 5億円超 | 10億円超 | 50億円超 | 100億円超 | 合計 | 割合 | |
4月 | 190 | 21 | 20 | 3 | 6 | 240 | 1.5% |
5月 | 294 | 41 | 59 | 7 | 7 | 408 | 2.5% |
6月 | 531 | 58 | 94 | 13 | 17 | 713 | 4.3% |
7月 | 199 | 24 | 29 | - | 4 | 256 | 1.6% |
8月 | 239 | 35 | 47 | 13 | 3 | 337 | 2.0% |
9月 | 687 | 93 | 107 | 25 | 13 | 925 | 5.6% |
10月 | 206 | 22 | 38 | 8 | 5 | 279 | 1.7% |
11月 | 177 | 23 | 41 | 5 | 11 | 257 | 1.6% |
12月 | 1,993 | 280 | 549 | 152 | 157 | 3,131 | 19.0% |
1月 | 197 | 24 | 45 | 9 | 11 | 286 | 1.7% |
2月 | 347 | 58 | 116 | 27 | 37 | 585 | 3.6% |
3月 | 5,439 | 828 | 1,705 | 430 | 625 | 9,027 | 54.9% |
計 | 10,499 | 1,507 | 2,850 | 692 | 896 | 16,444 | ー |
※令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間に事業年度が終了した内国普通法人
一方、米国企業は12月決算が多いのですが、日本企業に比べれば分散しています。
この特性を活かして、決算期に配慮しながら米国株を購入し、毎月配当金の収入を受け取れる仕組みを作っている投資家もいます。
前章では「米国企業の決算スケジュール」について解説しました。
次に気になるのが、
「自分が米国株を買うと、いつ手元に配当金が入金されるのか」
ではないでしょうか。
米国株を買ってから配当金が入金されるまでのスケジュールを見ていきましょう。
米国株を買ってから入金までのスケジュールを把握するうえでは、最初に覚えておきたい3つの用語があります。
「権利確定日・権利落ち日・権利付最終日」です。
権利確定日 | 株主権利が確定する日。 この日時点の株主名簿に登録されている株主に対して配当が支払われる。 |
---|---|
権利落ち日 | 権利確定日と同日。 |
権利付最終日 | 権利確定日の1営業日前。株主権利が得られる最終売買日。 配当を受け取るためにはこの日までに株式を購入しなければならない。 |
例を見てみましょう。以下は実際のマネックス証券の投資情報「銘柄スカウター米国株」で表示されるマイクロソフト(MSFT)の配当履歴です。
タイプ | 1株配当 | 権利落ち日 | 現地支払日 |
---|---|---|---|
現金配当 | 0.56 USD | 2021/2/17 | 2021/3/11 |
現金配当 | 0.56 USD | 2021/5/19 | 2021/6/10 |
現金配当 | 0.56 USD | 2021/8/18 | 2021/9/9 |
現金配当 | 0.62 USD | 2021/11/17 | 2021/12/9 |
現金配当 | 0.62 USD | 2022/2/16 | 2022/3/10 |
現金配当 | 0.62 USD | 2022/5/18 | 2022/6/9 |
現金配当 | 0.62 USD | 2022/8/17 | 2022/9/8 |
現金配当 | 0.68 USD | 2022/11/16 | 2022/12/8 |
現金配当 | 0.68 USD | 2023/2/15 | 2023/3/9 |
現金配当 | 0.68 USD | 2023/5/17 | 2023/6/8 |
現金配当 | 0.68 USD | 2023/8/16 | 2023/9/14 |
現金配当 | 0.75 USD | 2023/11/15 | 2023/12/14 |
現金配当 | 0.75 USD | 2024/2/14 | 2024/3/14 |
(出所)マネックス証券の「銘柄スカウター米国株」
例えば、「2023年12月14日」に現地支払いとなる配当は、権利落ち日が「2023年11月16日」です。ということは「2023年11月15日」が権利付最終日となります。
「12月14日に支払われる配当を受け取るためには、11月15日までにマイクロソフトの株を買う必要がある」ことがわかります。
※後述のように現地支払い日と証券会社に配当が入金される日付は異なります。
なお、権利付最終日は「権利確定日と権利落ち日の1営業日前」と、単なる日数ではなく営業日ベースで計算する点に注意しましょう。米国株式市場が営業していない日には、取引ができないためです。
営業日について詳しくは米国株営業日カレンダー/マネックス証券にてご確認ください。
購入した米国株の配当金は、現地支払い後に証券会社を通して、証券会社の口座に入金されます。
証券会社によっても異なりますが、現地支払日から約1週間後の入金が目安となります。
一方で、日本株の場合は権利落ち日から入金まで2~3ヶ月かかります。
米国株は権利落ち日から入金まで、おおよそ1ヶ月強程度なので、米国株の方が入金までの期間が短いことがわかります。
権利落ち日から入金まで | |
---|---|
米国株 | 約1ヶ月程度 |
日本株 | 約2~3ヶ月程度 |
さて、ここで具体的に米国株の配当がいつ支払われているのか、見てみましょう。
NASDAQ時価総額ベスト10の銘柄(2023年12月25日時点)のうち、現金配当履歴がある企業の直近4回の現地支払日は、以下のとおりです。
銘柄名 | 時価総額 | 直近4回の配当金の現地支払日 | |||
---|---|---|---|---|---|
アップル(AAPL) | 3,011,013 百万USD | 2023/11/16 | 2023/8/17 | 2023/5/18 | 2023/2/16 |
マイクロソフト(MSFT) | 2,783,977 百万USD | 2023/12/14 | 2023/9/14 | 2023/6/8 | 2023/3/9 |
エヌビディア(NVDA) | 1,206,101 百万USD | 2023/9/28 | 2023/6/30 | 2023/3/29 | 2022/12/22 |
ブロードコム(AVGO) | 525,244 百万USD | 2023/9/29 | 2023/6/30 | 2023/3/31 | 2022/12/30 |
コストコ・ホールセール(COST) | 298,008 百万USD | 2023/11/17 | 2023/9/8 | 2023/5/19 | 2023/2/17 |
(出所)「銘柄スカウター米国株」のデータを基にマネックス証券作成
仮に上記5銘柄を保有していた場合、2023年は8ヶ月も配当金を受け取れたことになります。
※配当金が現地支払日から約1週間後に証券口座に入金されたものとして計算
米国株の配当月一覧は「米国株配当金でポートフォリオ作成」にてご紹介しています。毎月の配当金収入を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、米国株の配当の時期に関して注意したいポイントを2つ、お伝えしましょう。
1つめの注意点は「為替変動に注意する」ことです。
米国株の配当金が米ドルで証券口座に入金されたあと、どのように対処するかは、投資家によってもさまざまです。
例えば、円に両替する場合には、いつ両替するかによって日本円の金額が変わります。
為替の状況を見ながら、そのまま米ドルで保有するか、ほかの金融商品を購入するか、円に両替するかなど、より良い方法を考えていきましょう。
2つめの注意点は「配当は支払われない場合や回数が変わる場合もある」ことです。
米国株の配当は非常に魅力的ではありますが、しかしながら確実に約束されたものではありません。
企業の業績などにより、支払われない・回数が減る・金額が減るといった可能性もあることは、認識しておきましょう。
なお、どんな米国株を買えばいいか選ぶのが難しいという方は、「どんな米国株を買えばいいの?」を参考にしてみてください。
米国株の配当は3ヶ月ごと・年4回もらえるのが基本です。年1~2回の日本株よりも回数が多く、配当金を目的とした投資に適しています。
配当金が証券口座に入金されるまでのタイミングは「権利落ち日の約1ヶ月後」となります。日本株の配当金が入金されるのは権利落ち日の2~3ヶ月後ですから、米国株は入金の早さも魅力です。
注意点としては以下が挙げられます。
米国株の配当について、より詳しく知りたい方は「米国株の配当でかかる税金と二重課税」もあわせてご覧ください。
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米国上場有価証券等のお取引に関する重要事項
<リスク>
米国株式および米国ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「米国株式等」)の売買では、株価等の価格の変動、外国為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化等により、元本損失が生じるおそれがあります。米国ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じるおそれがあります。国外株式等の場合には、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために、元本損失が生じるおそれがあります。米国株式等は、国内金融商品取引所に上場されている場合や国内で公募・売出しが行われた場合等を除き、日本の法令に基づく企業内容等の開示が行われておりませんので、取引を行うにあたっては十分にご留意ください。外国為替相場の変動により、外貨お預り金の円換算価値が下がり、円ベースでの元本損失が生じるおそれがあります。<保証金の額または計算方法>
米国株式等の信用取引では、売買代金の50%以上かつ30万円を下回らない範囲で当社が定める米ドル額以上の保証金が必要です。信用取引では、元本(保証金)に比べ、取引額が最大2倍程度となる可能性があるため、価格、上記各指数等の変動、または発行者の信用状況の悪化等により元本を上回る損失(元本超過損)が生じるおそれがあります。<手数料等>
<その他>
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