個人の資産運用を支援するための制度であるNISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)。
NISAは投資から得られた利益が非課税となり、iDeCoはそれに加えて、毎年投資する金額に応じて所得税等が軽減されます。両制度ともに大きな税制上のメリットがありますので、目的に合った制度を選んで、積極的に利用しましょう。
iDeCoは老後資金をつくることに特化した年金制度です。そのため、他の運用目的には適していません。
NISAは、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAと3つの制度に分かれており、そこから運用目的に合ったものを選ぶかたちとなります。
まずは運用目的と各制度の相性を確認し、次にそれを利用できる資格があるかチェックして、利用する制度を決めましょう。
NISAとiDeCoの併用は可能ですが、NISA同士の併用はできませんので、3つの中から一つに決めなくてはいけません。
NISA | iDeCo | ||||
---|---|---|---|---|---|
つみたてNISA | 一般NISA | ジュニアNISA | |||
節税対象 | 運用益 | 運用益 | 運用益 | 運用益+所得税等 | |
利用開始可能な期間 | 2037年まで | 2023年まで | 2023年まで | 60歳になるまで | |
年間投資上限額 | 40万円 | 120万円 | 80万円 | 職業等により異なる | |
運用益が非課税になる期間 | 20年間 | 5年間 | 5年間 | 制度脱退まで | |
金融商品の購入方法 | 積立 | 自由 | 自由 | 積立 | |
資産が引き出せるタイミング | いつでも | いつでも | 原則、18歳以降 | 原則、60歳以降 | |
運用目的との相性 | 老後資金をつくる | ○ | △ | ✕ | ◎ |
時間を掛けて資産をつくる | ◎ | △ | △ | 〇 | |
手元にある資産を増やす | ✕ | ◎ | ○ | ✕ | |
子供や孫のためのお金をつくる | 〇 | 〇 | ◎ | ✕ |
iDeCo
一般NISA/つみたてNISA
※一般NISAとつみたてNISAは併用できません。毎年、どちらのNISAを利用するのか選ぶ必要があります。
ジュニアNISA
※ジュニアNISAは、お子様・お孫様の名義で利用します。
は、つみたてNISAから始めた方が良いです。
iDeCoには、毎年投資する金額に応じて所得税等が軽減されるという節税メリットの代償として、原則60歳になるまでは、お金を引き出せないという年金制度ならではの制約があります。そのため、いざという時に使える蓄えが十分にない方は、まずは資産をいつでも引き出すことができる、つみたてNISAを優先するのが望ましいでしょう。つみたてNISAで半年~1年程度の生活費が蓄えられてから、iDeCoを始めても遅くはないはずです。
また、iDeCoは制度加入に伴う手数料171円/月(税込)等がかかることにも注意しなければなりません。収入が少なく、所得税や住民税を納めていない方は、iDeCoの節税効果をフル活用できない一方で、この手数料は支払うことになるため、制度利用に伴う手数料のかからない、つみたてNISAを選んだ方が良いでしょう。
資産運用で老後資金をつくるなら、両方とも利用するのが理想的です。
iDeCoにおける毎月の積立上限額は、職業や加入している企業年金制度等によって異なりますが、会社員なら毎月12,000~23,000円、公務員なら毎月12,000円までとなります。下表のとおり、毎月2万円の積立投資を30年間継続すると、到達金額は約1,165万円。決して少ない額ではありませんが、悠々自適な老後を過ごしたいとなると、心許ないかもしれません。
つみたてNISAは年間40万円が上限ですので、毎月の積立上限額は約33,000円。これをiDeCoに上乗せすることで、毎月4~5万円の積み立てが可能になり、運用益の非課税メリットを使いながら、より多くの老後資金をつくるれるようになります。
■積立投資の到達金額(年間利回り3%、税引前)
積立投資の継続期間 | |||
---|---|---|---|
10年 | 20年 | 30年 | |
毎月1万円 | 139万円 | 328万円 | 582万円 |
毎月2万円 | 279万円 | 656万円 | 1,165万円 |
毎月3万円 | 419万円 | 984万円 | 1,748万円 |
毎月4万円 | 558万円 | 1,313万円 | 2,330万円 |
毎月5万円 | 698万円 | 1,641万円 | 2,913万円 |
また、iDeCoの節税メリットを活用したいけれども、60歳まで引き出せないのは不安という方にも併用はオススメです。ただし、iDeCoは手数料がかかりますので、毎月の積立額が少ないと運用益よりも手数料の出費の方が大きくなり、なかなか資産が増えないということになるかもしれません。
「つみたてNISA・iDeCoシミュレーション」は、通常の積立シミュレーションに、どちらの制度がお客様の投資目的に適しているのか、簡単なアドバイスをさせていただく機能を付け加えたマネックス証券のオリジナルサービスです。
これから積立投資をはじめようと検討されている方は、是非こちらのアドバイスを参考にしてみてください。
NISA口座の開設およびお取引に関するご留意事項
<口座開設および金融機関変更に関して>
NISA口座は、同一年(1月~12月)において、1人1口座(1金融機関)までの開設となります。その年の買付けがすでに行われている場合、金融機関変更はできません。また、NISA口座の残高を他金融機関へ移管することはできません。<お取引に関して>
投資信託取引に関する重要事項
<リスク>
投資信託は、主に値動きのある有価証券、商品、不動産等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた有価証券、商品、不動産等の値動き等(組入商品が外貨建てである場合には為替相場の変動を含む)の影響により上下するため、これにより元本損失が生じることがあります。また、外貨建て投資信託においては、外貨ベースでは投資元本を割り込んでいない場合でも、円換算ベースでは為替相場の変動により投資元本を割り込むことがあります。投資信託は、投資元本および分配金の保証された商品ではありません。<手数料・費用等>
投資信託ご購入の際の申込手数料はかかりませんが(IFAを媒介した取引を除く)、購入時または換金時に直接ご負担いただく費用として、約定日の基準価額に最大0.75%を乗じた額の信託財産留保額がかかります。また、投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用として、純資産総額に対して最大年率3.1%(税込:3.41%)を乗じた額の信託報酬のほか、その他の費用がかかります。また、運用成績に応じた成功報酬等がかかる場合があります。その他費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額等を示すことができません。手数料(費用)の合計額については、申込金額、保有期間等の各条件により異なりますので、事前に料率、上限額等を表示することができません。なお、IFAコースをご利用のお客様について、IFAを媒介した取引から投資信託を購入される際は、申込金額に対して最大3.5%(税込:3.85%)の申込手数料がかかります。詳しくは当社ウェブサイトに掲載の「ファンド詳細」よりご確認ください。<その他>
投資信託の購入価額によっては、収益分配金の一部ないしすべてが、実質的に元本の一部払い戻しに相当する場合があります。また、通貨選択型投資信託については、投資対象資産の価格変動リスクに加えて複雑な為替変動リスクを伴います。投資信託の収益分配金と、通貨選択型投資信託の収益/損失に関しては、以下をご確認ください。iDeCo(個人型確定拠出年金)に関する留意事項
確定拠出年金運営管理機関登録票
確定拠出年金運営管理業 登録番号784
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