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【第2回】金投資を知る!金に注目する理由

金に注目する理由を物価・金利から読み解く

金投資の魅力をお届けするため、コモディティ市場に詳しい江守哲氏(エモリファンドマネジメント株式会社 代表取締役)に「金に注目する理由」について解説していただきました。ぜひ最後までお読みください。

【第1回】金投資を知る 金の歴史と価値とは?

【第3回】金投資を知る 金のおすすめ投資方法

エモリファンドマネジメント株式会社 代表取締役

江守 哲(えもり てつ) 氏

大手商社、外資系企業、投資顧問会社等を経て独立。コモディティ市場経験は25年超。現在は、為替・株式・コモディティ市場に関する情報提供・講演などを行っている。
著書に『LME(ロンドン金属取引所)入門』(総合法令出版)など
共著に『コモディティ市場と投資戦略』(勁草書房)

インフレ期待が高まると金価格は上昇しやすい

金への関心が高まっている。その背景には、インフレ傾向が強まっていることがある。後述するように、インフレ期待が高まると、金価格は上昇しやすくなる。この点に着目する投資家が徐々に増え始めているのである。まずは最近の状況を振り返り、金に注目する理由と今後の見通しについて解説したい。

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2020年以降の振り返り

新型コロナウイルスと景気

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大で、世界は大混乱に陥り、経済は大きく落ち込んだ。これを回復させるため、世界各国は財政出動を行い、経済を支えようとした。また、世界の主要中銀も大胆な金融緩和策を実施し、金融面から経済支援を行った。この結果、2020年後半には早くも景気は回復に転じ始め、2021年に入るとその傾向はより顕著になり、世界経済は劇的に改善し始めている。依然としてコロナからの回復が遅れている部分も残っているが、一時期大きく落ち込んでいた水準からの回復ぶりは顕著である。

需要の回復にともないコモディティ価格は高騰

しかし、この劇的な改善の裏では、インフレ傾向の強まりも目立ち始めている。需要の回復で、コロナ禍で低迷していたコモディティ価格が劇的に上昇し始めたのである。コモディティの中でも主力の原油は、景気回復に伴って需要が回復し、価格が大きく上昇している。コロナ危機の際には一時マイナス価格を付ける場面も見られたWTI原油先物価格は、2021年10月には1バレル=85ドルまで上昇するなど、価格高騰が顕著になっている。原油価格高騰の背景には、需要の回復だけでなく、産油国の減産が継続されていることで、需給逼迫の状況が改善されていないこともある。原油価格が上昇することで、インフレ高進の初動に入ることが多い。今回はまさにその典型的なパターンになっている。ちなみに、米消費者物価指数(CPI)と原油価格はほぼ同じように変動する。今回の原油価格高は、米CPIの上昇に大きく影響を与えているのである。

インフレが進む背景:労働環境

また、そのほかにもインフレ高進の理由がある。それは、新型コロナウイルスの蔓延で、労働環境が劇的に変化したことである。つまり、コロナへの感染を懸念して、これまでの労働環境に懸念を持った労働者がそれまでの職に就かなくなったり、労働者そのものが減少している業種が少なくない。その結果、主要港では人手不足で荷捌きができず、荷物を積んだ船が港の沖で滞船するなどの事態が発生している。また、港でも混雑がみられ、荷捌が進まない状況が起きている。この結果、コンテナ運賃が上昇するなど、船積費用が劇的に上昇している。こうなると、この費用はいずれ物資の価格に上乗せされることになり、モノの価格は必然的に上昇することになる。

インフレが進む背景:人件費

また、人件費も高騰し始めている。前述のように、労働環境の変化による人材不足が起きていることにより、会社側は人材引き留めのために給与の引き上げを図っている。これまでは低賃金の労働者を多く抱えることで、コストを抑えて企業は成長してきた面がある。しかし、いまはこれまでの労働環境が劇的に変化し、賃金を上げないと人材流出につながる状況になっている。これもコストの上昇につながることになる。これらのような、コロナ禍をきっかけとした経済構造および労働環境の変化は、少なからずインフレ高進に大きく影響を与えているといえる。この状況はそう簡単には解消されないだろう。

インフレは日本も例外ではない

このように、世界的にインフレ傾向が強まっているのだが、日本国内でも徐々にその傾向がみられ始めている。ガソリン価格は大きく上昇しており、年初から5割以上も上昇している。国内のガソリン価格は、原油価格高に加え、為替相場が円安基調にあることも影響を受けている。日本には資源がなく、ほとんどのコモディティを輸入に頼っている。その際、為替相場が円安になると、輸入コストが上昇することになる。1ドル=110円台半ばまで上昇しているドル円相場が日本の輸入コストを大幅に押し上げている。このことも、日本のCPIの上昇につながることになる。ちなみに、日本のCPIは、円建て原油価格の高騰に1年程度遅れて顕著になる傾向がある。来年前半から半ばごろには、日本のCPIも相応に上昇しているはずである。

インフレに強い「金」

このような状況がある程度見えている中で、日本を含む世界の消費者の生活コストは着実に上昇することになる。インフレの状況下で資産を守るためには、インフレに強い資産を保有しておく必要がある。その資産が金というわけである。金には金利がつかない。したがって、現在のように金利が上昇し始めている状況では、上がりづらくなる。直近で金価格が顕著に上昇し始めたのは、2019年6月以降である。この背景には、米金利の低下傾向があった。金には金利がつかないため、低金利は金価格を押し上げる効果がある。当時は米景気を支えるため、米金融当局が低金利政策を継続したことが金利の低下につながり、金価格を支えたのである。その結果、2020年8月には史上最高値の2,055ドルまで上昇した。

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今後の見通し

金利上昇とインフレ

しかし、米金利は同時期に底打ちし、上昇に転じ始めた。その結果、金相場は高値を何度か試したものの、徐々に上値は重くなっている。一方の金利は、1980年にピークを付けたあと、40年間も低下し続けたが、その傾向が2020年で終了した可能性が指摘できる。つまり、「低金利時代」が終わろうとしているのである。と同時に、低インフレ時代も終わろうとしているといえる。多くの先進国でインフレ率は3%を超えている。2020年の新型コロナウイルス感染拡大で世界的に経済活動は停滞したが、その後の経済構造の変化により、サプライチェーンに問題が生じ始めるなど、インフレ的な構造が出来上がりつつある。これに加え、原油価格高による原材料コストの上昇もインフレに拍車をかけ始めており、これが金利の上昇につながっているのである。

なぜ金利の上昇が金価格の上昇をもたらすのか

金利の上昇は、理論上は金利の付かない金の価格を押し下げることになる。しかし、一方でインフレ率が上昇すると、実質的な金利は低下することになる。実質金利の低下は金の押し上げ要因になる。これから起きようとしていることは、インフレ率の上昇に伴う実質金利の低下による金価格の上昇である。この点に着目する投資家は、徐々に金を買い始めている。つまり、将来のインフレに備えて、資産の一部を金に換え始めているのである。インフレが高進すれば、日本人が好きな現金・預金は価値が実質的に目減りすることになる。このような状況を回避するためにも、資産の1割程度は金に換えておくとよいというのが筆者の考えである。

おわりに

インフレ的な経済環境は今後かなり長い期間、継続すると考えている。40年間低下したインフレ率は、今後20年程度上昇する可能性があると考えている。コロナ危機をきっかけとした経済構造の変化は、まさに「歴史的変化」でもある。これが市場金利やインフレにも大きく影響を与えることは言うまでもない。将来の持続的なインフレ傾向に備えるためにも、金への関心をこれまで以上に高めておくことは、資産防衛のためにも不可欠であると考える次第である。また、金は株式などのペーパー資産と違い、実物資産である。「誰の負債でもない」「唯一の無国籍通貨」などとも呼ばれることもある。つまり無価値になることはないと考える。この点も併せて理解しておくとよいだろう。

【第1回】金投資を知る!金の歴史と価値

【第3回】金投資を知る!金におすすめの投資方法

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