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信用取引の銘柄選び入門 信用残高ランキングとテクニカル分析の活用法

信用取引で銘柄を選ぶ際、株価のトレンドだけではなく「需給」に注目することも手掛かりの一つになります。今回は、信用取引の売り残高・買い残高の増減が分かる「信用残高ランキング」とテクニカル分析を組み合わせた銘柄の探し方を株式会社インベストラスト代表取締役の福永 博之氏が解説します。

本コンテンツは情報提供が目的であり、掲載している銘柄の取引を推奨するものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。

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前回のコラムを読む「信用取引の銘柄選び入門 移動平均線の活用法」

ランキング情報とテクニカル分析を組み合わせて銘柄を選ぶ

前回のコラムでは、テクニカル分析でトレンドを確認してから売買を判断する方法について解説しました。今回は、ランキング情報とテクニカル分析を組み合わせた銘柄選びについて解説します。
ランキング情報を組み合わせることで、トレンド分析だけでは判断に迷う場合にも、銘柄選びの材料を増やすことができます。今回活用するのは、「需給」に関するランキング情報です。株価の値動きに影響を与える要因には、「業績」のほかに「需給」などがあります。業績発表後から次の発表までの期間など、企業業績に大きな変化がない局面でも、需給が株価の値動きに影響することがあります。
そこで、数ヶ月といった短期的な値動きを考える際には、需給を銘柄選びに取り入れ、トレンド分析と組み合わせて売買判断の材料として活用します。

ランキング情報とテクニカル分析を組み合わせて銘柄を選ぶ

信用取引の銘柄選びに活用する需給とは?

では、需給とはどのようなものなのでしょうか?
株式市場における需給とは、株式を買いたい投資家と売りたい投資家の需要と供給のバランスを指します。ここでは、その需給を考える材料の一つとして、信用取引の残高に注目します。
制度信用取引には原則6ヶ月の返済期限があるため、信用買い残高や信用売り残高は、将来の反対売買につながる可能性があります。例えば、信用買いは反対売買で返済する場合には売り注文につながるため、買い残高は将来の売り圧力となる可能性があります。
一方、信用売りは反対売買で返済する場合には買い戻しが必要となるため、売り残高は将来の買い需要につながる可能性があります。こうした信用残高の状況が、株価の値動きに影響を与えることがあります。
そこで、信用取引の需給から銘柄候補を探し、その後にトレンドを確認することで、売買判断の材料として活用します。
では、こうした信用取引の需給を確認できる情報はどこで見られるのでしょうか?

ウェブサイトで信用残高が見られる!

マネックス証券に口座をお持ちの方は、「信用残高ランキング」を無料でご覧いただけます。信用残高ランキングには、売り残高・買い残高の増減をもとにした「売残増加」「売残減少」「買残増加」「買残減少」の4種類があります。
例えば、「売残増加」では1週間で売り残高が増加した銘柄、「買残増加」では買い残高が増加した銘柄を、増加の大きい順に確認できます。
ランキングのもととなる信用取引残高は、東京証券取引所が原則として毎週火曜日に前週末時点の残高を公表しています。信用残高ランキングでは、このデータをもとに売り残高や買い残高の増減が大きい銘柄を確認できます。
では、この信用残高ランキングを銘柄選びにどのように活用すればよいのでしょうか?

ランキングの見方と銘柄選びのポイント

具体的に見てみましょう。
ランキングには、銘柄名のほか、業種、現在値、売残、売残(前週比)、買残、買残(前週比)、取組倍率などが表示されています。

今回は、これらの項目のうち「売残(前週比)」に注目します。ここでポイントとなるのが、「売残増加ランキング」から買い候補となる銘柄を探すという考え方です。

総合取引口座にログイン後、投資情報>株式ランキング>信用残高の順に選択

イメージ図

  • 出所:マネックス証券ウェブサイト
  • 2026年8月21日時点

実際のランキングではNTT(9432)がトップとなっており、売り残高は前週から7,097,600株増加し、22,319,100株となっています。
信用売りは、反対売買で返済する場合には買い戻しが必要となるため、売り残高の増加は将来の買い需要につながる可能性があります。そのため、売り残高の増加は、今後の需給を考えるうえで一つの注目材料となります。
このように「売残増加ランキング」を活用することで、需給の観点から買い候補となる銘柄を探す手掛かりになります。
では、単純に売残増加ランキングの上位銘柄から買い候補を決めればよいのでしょうか?そこで組み合わせたいのが、前回解説したトレンド分析です。

ランキングで選んだ銘柄のトレンドを分析する

実際にランキング1位となっているNTT(9432)の日足チャートを見ると、株価が5日・25日・75日移動平均線を上回り、各移動平均線も上向きとなっていることから、上昇トレンドにあることが分かります。
このように、売残増加ランキングで銘柄候補を探したうえで、移動平均線を使って株価のトレンドを確認することで、需給とテクニカルの両面から買い候補を検討することができます。

NTT(9432)日足チャート

NTT(9432)日足チャート

  • 出所:マネックス証券ウェブサイト
  • 2026年8月21日時点。移動平均線(緑色:5日、黄色:25日、橙色:75日)
    過去の一定期間のデータであり、将来の投資成果を保証するものではありません。

ただし注意点も…

ただし、売り残高が増加している銘柄が、必ずしも上昇トレンドにあるとは限りません。下のチャートをご覧ください。これは売残増加ランキングの17位の日経平均ブル2倍上場投信(1579)です。チャートを見るとトレンドが明確ではないことが分かります。

日経平均ブル2倍上場投信(1579)日足チャート

日経平均ブル2倍上場投信(1579)日足チャート

  • 出所:マネックス証券ウェブサイト
  • 2026年8月21日時点。移動平均線(緑色:5日、黄色:25日、橙色:75日)
  • ベンチマーク:日経平均レバレッジ・インデックス
  • 東証:委託保証金率60%以上、現金保証金率:0%以上(2026年8月28日時点)
    過去の一定期間のデータであり、将来の投資成果を保証するものではありません。

売残増加ランキングに掲載されている銘柄は、いずれも売り残高が増加しています。しかし、売り残高が増加していても、買い残高とのバランスによって需給の状況は異なります。
そこで確認したいのが「取組倍率」です。取組倍率は、買い残高を売り残高で割って算出した数値で、数値が大きいほど売り残高に対して買い残高が多いことを示します。この銘柄の取組倍率は6.59倍となっており、ランキングに掲載されている他の銘柄と比べても突出して大きいことが分かります。
これは、売り残高に対して買い残高が多く、将来の売り圧力となる可能性があることを示します。この比率が大きい銘柄で、かつトレンドがはっきりしていない銘柄は、この時点では除外した方がよいということになるのです。

売残増加ランキング

売残増加ランキング

  • 出所:マネックス証券ウェブサイト
  • 2026年8月21日時点

まとめ

いかがだったでしょうか?今回解説したように、需給を確認して銘柄を選び、テクニカル分析を組み合わせて売買判断を行うことができれば、信用取引初心者やトレンド分析だけでは自信が持てない投資家でも複数の観点から銘柄を検討することができます。ぜひ活用してみてください。

福永 博之 氏の写真

株式会社インベストラスト 代表取締役

福永 博之 氏

日本テクニカルアナリスト協会副理事長、国際テクニカルアナリスト連盟、国際検定テクニカルアナリスト。勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust(アイトラスト)」を運営し、セミナー講師を務めるほか、毎日マーケットコメントを発信。また、大前研一氏のビジネス・ブレイクスルー大学株式・資産形成実践講座の講師を務める。
テレビ、ラジオでは、日経CNBC「朝エクスプレス」、テレビ東京「モーニングサテライト」、TokyoMX「東京マーケットワイド」、ラジオ日経「ウィークエンド株」「スマートトレーダーPLUS」などの番組にレギュラー出演中。また、「四季報オンライン」や「ダイヤモンドZAI」などのマネー雑誌にも連載を持つ。
近著に、2018年6月発売『テクニカル分析 最強の組み合わせ術』(日本経済新聞出版社)、『ど素人が読める株価チャートの本』(翔泳社)、『信用取引の基本と儲け方ズバリ!新取引ルール対応』(すばる舎)、『FX一目均衡表ベーシックマスターブック』(ダイヤモンド社)など多数。また、『ど素人が読める株価チャートの本』は、2016年8月に台湾でも翻訳されて出版される。
テクニカル指標の特許「注意喚起シグナル」を取得、投資&ビジネスメモツールi-tool(アイツール)を提供。

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