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米国株の税金はいくら?配当金や節税対策・確定申告について解説

「米国株の税金はいくら?」と知りたい方へ、先に結論をお伝えすると、
譲渡益(譲渡所得)は日本国内のみで税率20.315%課税され、配当金(配当所得)は米国で税率10%が源泉徴収され、差し引かれた後の金額に対して日本で税率20.315%の源泉徴収が行われます。

税金を考慮しないで取引していると、
「お金を使ってしまい税金が支払えない」
「税金を考慮すると思ったより利益が少なかった」
……といった問題の原因になりかねません。

米国株やその他の投資をする上で税金の知識はぜひとも身につけておきたいものです。本記事では、これから米国株の投資を始める初心者の方に向けて、「米国株の税金」を解説します。

なお、本記事で解説しているのは2023年8月時点の一般的な米国株の税金のルールについてであり、税率は所得金額等の個別事情に応じて変わる場合があるほか、法令の改正等により税率が変わっている場合などがございますので、最新の情報を最寄りの税務署等で必ずご確認ください。

本記事のポイント

  • ● 米国株の取引でどんな税金がかかるのかわかる
  • ● 確定申告が必要なケース・不要なケースを解説
  • ● 知っておきたい節税対策についてもお伝え

必要な税金をしっかり納めると同時に、税金の払いすぎが起きないよう定められている制度についてもご紹介します。
正しく知識を身につけてトラブルを避け、安心して米国株の取引をできるようになりましょう。

米国株の税金の納税方法は「証券会社の口座」よって違う

「一般口座/特定口座」の違い

証券会社の口座を開設する際に、「特定口座」を開設するかどうかを選択します。特定口座は証券会社に口座開設後でも開設することができます。

特定口座は、個人投資家の申告・納税手続きの負担を軽減するために設けられた制度です。

一般口座の場合は、顧客自身で損益管理を行い、売買の都度、証券会社から交付される取引報告書等で確定申告手続きをする必要があります。

特定口座であれば、納税に必要な年間の損益の計算を、証券会社がしてくれます。また、「特定口座年間取引報告書」を証券会社が作成・交付します。特定口座年間取引報告書とは、特定口座内での1年間(1月1日~12月31日)の譲渡損益等を受渡日を基準として集計し、記載した書類です。

一般口座の取引については「特定口座年間取引報告書」は作成されないため、ご自身で損益を計算して納税手続きをする必要があります。

特定口座はさらに「源泉徴収あり/なし」を選ぶ

特定口座の開設届出時に、次年度以降は、初回譲渡時(売却)等前までに「源泉徴収あり/なし」のどちらかを選択します。この2択で一般的に納税手続きが簡単なのは「源泉徴収あり」です。

「源泉徴収あり」であれば、税務署への納税を、証券会社が徴収した年間の税金をお客様に変わって納付して手続きが完結します。

「源泉徴収なし」は確定申告をして自分で納税しなければなりませんが、「源泉徴収あり」なら原則として確定申告不要です。

特別な事情がなければ「特定口座+源泉徴収あり」がオススメ

特別な事情がなければ「特定口座+源泉徴収あり」で証券口座を開設するのがオススメです。

ここまでの話を図解にまとめておきましょう。

特定口座を開設する際の選択の基準の図
選択1
特定口座を開設するかどうかを選択します。
選択2
「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」のどちらを申込むかを選択します。
(年ごとに選択できます)
選択3
源泉徴収ありの特定口座内に上場株式等の配当等を受け入れるかどうかを選択します。
選択4
年間の譲渡損益の状況から、確定申告を行う必要があるかどうかを確認します。
「源泉徴収あり」を選択していても、確定申告をすることができます。一般口座や他の証券会社の譲渡損益と損益通算したいとき、または「譲渡損失の繰越控除」を利用する場合は確定申告が必要です。また、特定口座内に受け入れなかった上場株式等の配当等を譲渡損失と損益通算したい場合も確定申告が必要です。

厳密にはこの図の選択3にあるように配当金を特定口座の損益通算に含めるかの選択も必要です。希望する場合は証券会社と「上場株式配当等受領委任契約」を結ぶことで配当金の受領額が利益として特定口座の損益計算に含まれることになります。その場合は税金が源泉徴収されます。

米国株の取引でかかる税金とは?

米国株で生じる税金の納税方法が理解できたところで、次は「どうなると、いくらの税金が課税されるのか?」について見ていきましょう。

利益が出ると利益に対して所得税と住民税が合わせて税率20.315%課税される

原則として、株式投資で課せられる税金は所得税と住民税です。
株式投資によって利益が出ると、その利益に対して以下の税率で課税されます。

  • ● 所得税:15%
  • ● 復興特別所得税:0.315%
  • ● 住民税:5%
  • ● 合計【20.315%】

例えば、米国株に投資して100万円儲かったとしましょう。すると原則として【203,150円】を納税する必要があります。

前述の「特定口座/源泉徴収あり」で口座を開設していると、あらかじめ税金分が差し引かれた金額が入金されます。
実際に証券口座に入金されるのは【796,850円】です。

これは投資に使用していた米ドルを円貨に為替振替を行ったと仮定して計算を行った例です。
米国株を売却した時点では米ドル建てで計算し譲渡益(譲渡損)が出ていても、円貨に換算した時に為替差損(為替差益)が発生している場合があるため注意が必要です。※

例えば、1株100米ドルの株を1米ドル140円の時に1株買った後、株価が上がって130米ドルになったが、1米ドルが100円になっていた場合、
売却時受渡金額 13,000円(130米ドル×100円)-購入時受渡金額 14,000円(100米ドル×140円)=▲1,000円の損失になります。

株取引で出る利益(1)配当金(インカムゲイン)

続いて米国株の取引を行った際に発生する利益について解説します。利益の1つに配当金(インカムゲイン)があります。配当金とは、株式の保有者に対して企業が現金で利益を還元するものです。

【重要】米国株の配当金はアメリカでも課税される

ここで重要なポイントは、米国株の配当は、米国現地でも課税されるという点です。

先ほどの「所得税・住民税=20.315%」は日本の法律で定められた税金ですが、米国株の配当は支払いが米国現地で行われます。

そのため、米国の法律に基づいてまず10%の税金が差し引かれます。「特定口座/源泉徴収あり」の場合、米国の税金が差し引かれた後の90%に対して、さらに20.315%の日本の税金が差し引かれるのです。

▼米国株である株式を200株保有し、1株あたりの配当金が0.69米ドルの場合の受取配当金の計算方法。(申告レート:1ドル=140円とする)

【米国の源泉徴収税(10%)の計算例】

0.69米ドル×200株=138米ドル

138米ドル×10%(米国源泉徴収税率)=13.8米ドル (小数第3位を四捨五入)

現地源泉徴収後の金額 138米ドル-13.8米ドル=124.2米ドル

【国内の源泉徴収税(20.315%)の計算】

国内の税金は現地税を差し引いた金額から算出します。

  • 所得税15.315%
    124.2米ドル×140円×15.315%=2,662円(円未満切捨)
    2,662÷140円=19.01米ドル(小数第3位以下切捨)
  • 住民税5%
    124.2米ドル×140円×5%=869円(円未満切捨)
    869円÷140円=6.2米ドル(小数第3位以下切捨)

【現地と国内税を差し引いた受取金額】

138米ドル-13.8米ドル-19.01米ドル-6.2米ドル=98.99米ドル

これでは米国と日本のそれぞれで課税されている「二重課税」の状態です。そのため、確定申告を行うと米国で課税分(10%)が還付金として戻ってくる「外国税額控除」という制度が設けられています。

還付を受けたい方は確定申告を行って外国税額控除を利用すると良いでしょう。詳しくはこの後に解説する「確定申告して「外国税額控除」を適用する」にてご確認ください。

非課税取引(NISA)については確定申告をすることができず、外国税額控除の適用を受けることができません。

株取引で出る利益(2)譲渡益(キャピタルゲイン)

株取引で出る利益にはもうひとつ、譲渡益(キャピタルゲイン)があります。配当金と比較すると、譲渡益の方が利益額が大きくなるケースが多いかもしれません。

譲渡益とは、簡単にいえば株式を安く買って高く売ったときの差額のことです。

日本の居住者が得た米国株の譲渡益は、米国では非課税で、日本国内でのみ所得税+住民税(合わせて20.315%)が課税されます。

補足:利益確定していない含み益に税金はかからない

補足として、購入した株式の株価が上昇して含み益が出たとしても、その株式を売却して利益確定しない限りは、税金はかかりません。

課税されるのは、あくまでも「利益」として現金が入金された場合のみです。

米国株の節税対策 3つの方法

ここまでお読みいただき、「意外と税金が高いんだな」と驚いた方もいるかもしれません。

そこで知っておきたいのが節税対策です。3つの方法をご紹介します。

  • ● 非課税になる「NISA口座」を利用する
  • ● 確定申告して「外国税額控除」を受ける
  • ● 確定申告して「損失の繰越控除」や「損益通算」をする

利益が非課税になる「NISA口座」を利用する

1つ目は利益が非課税になる「NISA口座」を利用する方法です。

NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、投資で得られた利益(配当・譲渡益の両方)が非課税になる仕組みです。

節税対策として利用したいおトクな制度です。まだNISA口座を開設していない方は、NISA口座を開設するところからスタートしましょう。

NISAには非課税で投資できる金額(非課税投資枠)の上限(※)があります。非課税投資枠の上限まではNISAで投資して、上限を超える分を通常の口座で運用する方法がオススメです。

非課税取引(NISA)については、損益通算並びに外国税額控除の対象外となります。また、為替取引で発生した為替損益についてはNISAの制度対象外となります。

2024年から新NISA制度が始まります。詳細はこちらをご覧ください。

確定申告して「外国税額控除」を受ける

2つ目は確定申告して「外国税額控除」を受ける方法です。

「米国株の配当は、米国と日本の二重課税になる」ことは先に述べたとおりですが、この二重課税を解消するための措置として「外国税額控除」があります。

外国税額控除を受けると、米国で源泉徴収された10%の金額を、還付金として受け取れます。

外国税額控除は、確定申告で申請します。

非課税取引(NISA)については、損益通算並びに外国税額控除の対象外となります。また、為替取引で発生した為替損益についてはNISAの制度対象外となります。

参考:No.1240 居住者に係る外国税額控除|国税庁

確定申告して「損失の繰越控除」や「損益通算」をする

3つ目は確定申告して「損失の繰越控除」や「損益通算」をする方法です。

  • ● 損失の繰越控除:株の損失を3年間繰り越して利益と相殺できる
  • ● 損益通算:日本株や他の証券会社の口座の取引などと通算して損益を計算する

例えば、昨年100万円の損失が出て今年80万円の利益が出た場合、「損失の繰越控除」が適用されていれば▲20万円の損失なので、今年の利益に税金は発生しません。

「損益通算」は、例えば「証券会社A社で行った米国株の取引の利益と、B社で行った日本株の損失を相殺する」といったことが可能です。

どちらも適用には確定申告が必要です。詳しくは以下のページをご覧ください。

米国株の税金についてのまとめ

米国株の税金の納税方法は「証券口座の種類」によって異なります。

これから口座を開設する投資初心者の方であれば「特定口座・源泉徴収あり」を選ぶのがオススメです。

米国株の取引では、利益に対して所得税と住民税あわせて【20.315%】が課税されます。

配当金の場合、米国の法律によって源泉徴収される10%の税金もかかります。

米国株の節税対策として3つの方法をご紹介しました。

  • ● 利益が非課税になる「NISA口座」を利用する
  • ● 確定申告して「外国税額控除」を受ける
  • ● 確定申告して「損失の繰越控除」や「損益通算」をする

特にNISAは節税効果が高く、積極的に活用したい制度です。まだ利用していない方は、ぜひご検討ください。

なお、本記事で解説しているのは2023年8月時点の一般的な米国株の税金のルールについてであり、税率は所得金額等の個別事情に応じて変わる場合があるほか、法令の改正等により税率が変わっている場合などがございますので、最新の情報を最寄りの税務署等で必ずご確認ください。

NISAをはじめるには

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NISAのお取引は、NISA口座を開設するとご利用いただけます。

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米国上場有価証券等のお取引に関する重要事項

<リスク>

米国株式および米国ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「米国株式等」)の売買では、株価等の価格の変動、外国為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化等により、元本損失が生じるおそれがあります。米国ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じるおそれがあります。国外株式等の場合には、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために、元本損失が生じるおそれがあります。米国株式等は、国内金融商品取引所に上場されている場合や国内で公募・売出しが行われた場合等を除き、日本の法令に基づく企業内容等の開示が行われておりませんので、取引を行うにあたっては十分にご留意ください。外国為替相場の変動により、外貨お預り金の円換算価値が下がり、円ベースでの元本損失が生じるおそれがあります。

<保証金の額または計算方法>

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<その他>

お取引の際は、当社ウェブサイトに掲載の「上場有価証券等書面」「契約締結前交付書面」「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」を必ずお読みください。

NISAおよびジュニアNISAにおける国内外上場有価証券取引に関する重要事項

  • 国内株式および国内ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「国内株式等」)の売買では、株価等の価格の変動や発行者等の信用状況の悪化等により元本損失が生じることがあります。また、国内ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じることがあります。NISA口座およびジュニアNISA口座(未成年者口座)での国内株式等(単元未満株を除く)のインターネット売買手数料は無料です。課税未成年者口座での国内株式等(単元未満株を除く)のインターネット売買手数料は、約定金額3,000万円以下のときは、最大921円(税込:1,013円)、約定金額3,000万円超のときは、973円(税込:1,070円)かかります。単元未満株のインターネット売買手数料は、買付時は無料です。売付時は約定金額に対し0.5%(税込:0.55%)(最低手数料48円(税込:52円))を乗じた額がかかります。国内ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。国内株式等の新規公開、公募・売出し、立会外分売では、購入対価をお支払いただきますが、取引手数料はかかりません。
  • 国外株式および国外ETF、REIT、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等(以下「国外株式等」)の売買では、株価等の価格の変動、外国為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化等により元本損失が生じるおそれがあります。国外ETF等の売買では、裏付けとなっている資産の株式相場、債券相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等(これらの指数を含む。)や評価額の変動により、元本損失が生じることがあります。国外株式等の場合には、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために、元本損失が生じることがあります。また、国外株式等は、国内金融商品取引所に上場されている場合や国内で公募・売出しが行われた場合等を除き、日本の法令に基づく企業内容等の開示が行われておりませんので、取引を行うにあたっては十分にご留意ください。なお、外国為替相場の変動により、外貨お預り金の円換算価値が下がり、円ベースでの元本損失が生じることがあります。中国株式等の売買では、約定金額に対し0.25%(税込:0.275%)(最低手数料45香港ドル(税込:49.5香港ドル)、上限手数料450香港ドル(税込:495香港ドル))の売買手数料がかかります。また、中国ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。米国株式等の売買では、約定金額に対し0.45%(税込:0.495%)(ただし、手数料上限20米ドル(税込:22米ドル))の国内取引手数料がかかります。IFAコースをご利用のお客様について、IFAを媒介した取引の取引手数料は、1注文の約定金額により異なり、最大14,000米ドル(税込:15,400米ドル)かかります。また、上記取引手数料のほか売却時のみ現地取引費用がかかります。現地取引費用は、市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、その金額等および手数料等の合計額等をあらかじめ表示することはできません。また、米国ETF等の売買では、保有期間に応じて信託報酬その他手数料がかかることがあります。その他、円貨お預り金と外貨お預り金の交換時に所定の為替手数料がかかります。
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当社の口座開設・維持費は無料です。口座開設にあたっては、「契約締結前交付書面」で内容をよくご確認ください。