マネックス証券の日本株分析ツール 「銘柄スカウター」 の、10年スクリーニングを使って「業績が好調で、売上高が過去最高を更新している外食企業」を簡単に絞り込めます。誰もが知る有名外食チェーン運営企業や関連企業の中にも、着実に成長を続ける銘柄があります。普段利用するお店を切り口にすれば、企業の経営体制や成長の裏側が自然と理解でき、銘柄分析を始めたばかりの第一歩にもぴったりです。
売上高過去最高更新が期待される外食関連銘柄
近年、インバウンド需要で注目が高まる『外食産業』。売上高・営業利益が過去最高を更新する企業や複数ブランドを展開しながら成長を続ける企業を、マネックス証券の『銘柄スカウター』で絞り込みました。こうした企業の成長過程を知ることで、日常生活にある外食チェーンが投資対象としてどのように位置づけられるのかが見えてきます。
外食産業を支えるインバウンド需要の規模については以下の記事もご参照ください。
スクリーニング要件
【基礎条件】
外食
【詳細条件】
- [通期]成長率(3/5/10年)(売上高):5年・10.0%~
- [今期コンセンサス]10年間の最高更新(売上高):最高更新が予想される銘柄
- [今期コンセンサス]10年間の最高更新(営業利益):最高更新が予想される銘柄
※豆知識:営業利益とは企業が本業の活動(商品の製造・販売など)で得た利益のことで、企業の経済活動の中でも本業における稼ぐ力を測る重要な指標です。
スクリーニング結果
銘柄名 (銘柄コード) |
業種 | 株価 (8/20終値) |
対3ヶ月前 騰落率 |
52週株価 相対水準 |
レーティング 平均 |
---|---|---|---|---|---|
インフォマート(2492) | サービス業 | 400 | -1.50% | 71.4 | 5 |
物語C(3097) | 小売業 | 4,355 | 26.20% | 86.6 | 4.7 |
トリドールH(3397) | 小売業 | 5,263 | 22.70% | 93.6 | 2.7 |
串カツ田中ホールディングス(3547) | 小売業 | 2,331 | 70.30% | 98.8 | 5 |
FOOD & LIFE COMPANIES(3563) | 小売業 | 8,553 | 39.90% | 94.9 | 4.7 |
シンメンテホールディングス(6086) | サービス業 | 1,146 | 54.30% | 78.8 | 30 |
鈴茂器工(6405) | 機械 | 1,582 | -15.20% | 20.8 | 5 |
ゼンショーホールディングス(7550) | 小売業 | 10,195 | 21.3% | 89.3 | 4.7 |
(出所)2025年8月21日時点のマネックス銘柄スカウター
※2025年8月21日時点で信用取引の規制措置が行われている銘柄はスクリーニング結果から除外しています。
一部の銘柄をピックアップして分析
10年スクリーニングの上記要件で抽出された銘柄のうち、一部をピックアップして「マネックス銘柄スカウター」で分析します。
物語コーポレーション(3097)
企業概要
「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」といった馴染みのあるブランドを運営する外食チェーン。愛知県を拠点に、「お好み焼き本舗」「ゆず庵」など多彩な業態を全国へ広げている。2025年6月時点での店舗数は、直営・フランチャイズ・海外を合わせて810店舗。幅広い顧客層に対応しながら、全国規模で事業を拡大している。
企業の成長率・売上
過去10年間、コロナ禍での一時的な落ち込みはあったものの、営業利益は右肩上がりで成長を続けている。中期経営ビジョンでは既存店成長と新規出店により「物語ビジョン2025」で掲げていた経営目標の一つであるグループ売上高1500億円を1年前倒しで達成。17期連続増配も実現。2025年6月期の当期利益は前年同期比9%増の61億円となった。海外展開も積極的で、国内の「ゆず庵」では高付加価値商品の導入等により売上高は8%増に。

トリドールホールディングス(3397)
企業概要
外食チェーンを展開。国内外でセルフスタイルの讃岐うどん専門店「丸亀製麺」「MARUGAME UDON」を中核に、炭火焼き鳥の「とりどーる」、ラーメンの「ずんどう屋」、豚カツの「豚屋とん一」などを運営。看板ブランドである「丸亀製麺」は、打ちたて・茹でたてにこだわった「できたて感・手作り感」を重視した店舗づくりを特徴とし、セルフうどん業界のトップに位置している。
企業の成長率・売上
右肩上がりの売上高を更新しており、8/14に発表した第1四半期決算は、売上収益が698億6200万円(前年同期比6.1%増)、営業利益が80億5200万円(同2.3倍)だった。同社では中核の丸亀製麺では今年4月に行った「だし」のリニューアルや、5月9日から開始した無料の薬味とトッピング種類拡大(6種類→8種類)などの施策で、「自分だけの一杯をつくる」食の楽しみの提供を行ったことが好調の要因と分析している。

串カツ田中ホールディングス(3547)
企業概要
串カツ専門店チェーンを展開。「大阪伝統の味 串カツ田中」を関東圏(東京都、神奈川・埼玉・千葉・群馬・茨城・栃木)を中心に全国へ出店。大阪の伝統的なB級グルメである串カツを、常時30品以上、1本130円~310円(180円以下が中心)で提供している。近年ではとんかつ市場が活発になっており、同社も新事業として3月に1号店「厚切りとんかつ 厚とん」をオープン。
企業の成長率・売上
串カツ田中では継続的な店舗拡充に加え、4月に投入した1本55円の「無限ニンニクホルモン串」が引き続き客を呼び込んだ。低価格品の好調で客単価は2.4%下落したが、来店客数は18.7%増となり、客数の伸びによる増収効果が大きく8/6に3年8か月ぶりの高値を付けた後、本記事執筆中の8/22時点でも5営業日連続で上昇し高値を更新するなど、足元の株価は好調な推移を続けている。

FOOD & LIFE COMPANIES(3563)
企業概要
回転寿司チェーンの国内最大手。直営方式による回転寿司店「スシロー」(にぎり1皿120円~)を中核に、テイクアウト専門の「京樽」、回転寿司「みさき」、寿司居酒屋「杉玉」などを運営している。近年は回転寿司店「スシロー」をはじめとする海外事業も加速している。
企業の成長率・売上
海外事業の好調が成長を大きく押し上げている。東南アジアを中心に出店を増やし、直近の決算では海外の売上収益が41%増の931億円、営業利益は2.2倍の111億円と国内を上回る利益率を確保した。商品単価を高めに設定する戦略や、回転レーンをモニターに映し出す「デジロー」が支持され、中国市場の回復も追い風になっている。
国内の「スシロー」も品質向上が功を奏し、来店客数が順調に伸びており、アナリスト7人が強気の見通しを示すなど注目度も高い。今期営業利益は前年比49.7%増の350億円と予想され、海外の成長と国内の安定基盤を背景に、さらなる株価上昇への期待が膨らんでいる。

ゼンショーホールディングス(7550)
企業概要
国内最大手の外食チェーンで、グループ全体で1万5千店舗超を展開。子会社にお馴染みの牛丼チェーン「すき家」、和風ファストフード「なか卯」、回転寿司「はま寿司」、ファミリーレストラン「ココスジャパン」、パスタ専門店「ジョリーパスタ」、ハンバーガーチェーン「ロッテリア」などを擁している。
企業の成長率・売上
国内の外食産業において時価総額が初めて1兆円を超えた企業で、全体として好調な売上を維持。「すき家」は異物混入による全店一時休業等の影響を受け利益減となったが、市場予想ほどではなかった。同ブランドは異物混入の再発防止として24H営業を23H営業に変更し、清掃の時間を集中的に確保する施策や老朽化店舗の改装を行うなど今後の動向にも注目したい。

マネックス銘柄スカウターとは
マネックス銘柄スカウターとは、2017年10月の提供開始以来数多くのご好評をいただいている銘柄分析ツールです。「通常発表されない3か月に区切った業績推移」「10年スクリーニング」「業績予想修正履歴」「理論株価」「保有銘柄・配当情報」など投資判断に役立つ様々な情報をご提供しています。
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