毎年秋に開催される日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ」。今年も各社が発表する大型タイトルや新サービスなどの情報を得たい世界中のゲーム業界関係者・ファンから注目を集めています。今回は、ゲーム関連銘柄で直近の業績が好調、かつアナリストが強気判断を出している銘柄のうち、9月25日より開催される同イベントに出展している関連企業を「マネックス銘柄スカウター」を使って分析します。
※イベントの詳細につきましては、下記のウェブサイトをご覧ください
アナリストレーティング強気なゲーム関連銘柄
今年の東京ゲームショウは4083ブースと過去最大規模での開催となる見込み。世界のゲーム市場は、米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると24年の2210億ドル規模が、28年に2660億ドルに達するといわれる成長産業です。今回は成長を続けるゲーム関連銘柄の中から直近の業績が好調で、かつアナリストの評価が高い(「やや強気」以上)銘柄をスクリーニングしました。
業界分析の強い味方!銘柄スカウターの「オリジナル業種」と「銘柄比較」
「マネックス銘柄スカウター」の10年スクリーニングでは、業種を指定して銘柄探しを行うことができます。「機械」「サービス業」など大きな区分で絞る「東証33業種」に加え、「産業用ロボット」「半導体部材」「大手Sier」など、より細かい区分指定が可能な「オリジナル業種」も使用できます。
また、「オリジナル業種」でスクリーニングした複数の銘柄を「銘柄比較」メニューから同業他社の比較を行うことができます。時価総額や配当利回りなどの基礎情報を一覧表で比較することはもちろん、業績推移やPER、PBRなどの指標をグラフ形式で比較することも可能なので、直感的に割安感を把握するのにも活用できます。
今回ピックアップしてご紹介した銘柄を、さらに「銘柄比較」を使って分析してみてはいかがでしょうか。


(出所)マネックス銘柄スカウター
スクリーニング要件
マイスクリーニング : 東京ゲームショウ
[基礎条件]
オリジナル業種:ゲームソフト開発・携帯コンテンツ・おもちゃ・ネット広告など
[詳細条件]
[アナリスト]レーティング:4.00~5.00、[通期]増益率(営業利益):5.0%~、[四半期累積]前年同期比(売上高):5.0%~
スクリーニング結果
銘柄名 (銘柄コード) |
業種 | 株価 (9/16終値) |
対3か月前 騰落率 |
52週株価 相対水準 |
レーティング 平均 |
---|---|---|---|---|---|
サイバーA (4751) | サービス業 | 1,810 | -1.50% | 87.4 | 4.5 |
ハピネット(7552) | 卸売業 | 4,355 | 23.90% | 80.7 | 5.0 |
ブシロード(7803) | その他製品 | 5,263 | -10.30% | 72.3 | 5.0 |
バンダイナムコH(7832) | その他製品 | 2,331 | 1.80% | 69.8 | 4.2 |
タカラトミー(7867) | その他製品 | 8,553 | 2.00% | 22.6 | 4.0 |
サンリオ(8136) | 卸売業 | 1,146 | 2.10% | 64.6 | 4.4 |
カプコン(9697) | 情報・通信 | 1,582 | -12.50% | 51.7 | 4.2 |
コナミG(9766) | 情報・通信 | 10,195 | 6.7% | 69.8 | 4.7 |
(出所)2025年9月16日時点のマネックス銘柄スカウター
※2025年9月16日時点で信用取引の規制措置が行われている銘柄はスクリーニング結果から除外しています。
東京ゲームショウ関連銘柄をピックアップして分析
今回は、スクリーニングした銘柄のうち、2025年9月25日から開催が予定されている東京ゲームショウ出展企業をピックアップして銘柄分析してみました。いずれも売上高が5期連続増収かつ過去10年間の最高値を更新しています。
サイバーエージェント(4751)
企業概要
インターネット総合サービス会社で、「ABEMA」を中心とした動画配信プラットフォームのメディア事業から国内大手のデジタル広告代理店としてインターネット広告を手掛ける。東京ゲームショウに出展予定のサイバーエージェントの連結子会社である株式会社サイゲームスはゲームやアニメ、漫画等のエンターテイメントを提供。スマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」「グランブルーファンタジー」等が人気。
業績・直近トレンド・権利確定月
売上高10年連続増収かつ10年間で過去最高を記録。また配当についても6期連続増配を達成。権利確定月は9月。
売り上げ構成比としては主力事業であるインターネット広告が5割を超えるものの、ゲーム事業が23.4%と次いでランクインする。利益の構成比ではゲーム事業がインターネット広告事業を上回る約61%を占めており、ゲーム事業の今後の拡大も期待できる。通期業績推移も順調な右肩上がり。

海外構成比
海外展開については、現段階で売上高情報の詳細は示されていないが、一部のアナリストからは「海外でアニメ「ウマ娘」英語版のストリーミング配信が好調で、アニメを見た人がゲームも楽しむようになっているとのこと。この手法はアニメとゲームの連動によるグローバル展開進展に期待する」などのコメントも出てきており、今後に期待が持てそう。なお、アニメ事業では「ウマ娘」に加え、日本テレビなどで放送中の「光が死んだ夏」が好評を博しており、同社は「グローバル市場におけるメディアミックス展開の中核を担う存在になる」との見通しを示した。
ハピネット(7552)
企業概要
業界最大手のエンターテイメント商社で玩具・映像・音楽・ゲームなど幅広い分野をカバー。バンダイナムコグループの一員で、主力商品にキャラクター商材の「鬼滅の刃」「仮面ライダー」、今人気の高いカプセル玩具においても業界最大手である。多角的な事業ポートフォリオを持っており、今後の成長市場の取り込みに期待できる。
業績・直近トレンド・権利確定月
2025年にハピネットが初めて行ったトレーディングカードゲームの大人需要に関する調査によると、コレクションのために購入している大人が多く、大人になってからの購入者のうち3割が2~3年前からの購入とトレーディングカードゲーム市場を盛り上げている。人気商品の購入をめぐる行列や店頭での売り切れなどが社会的に注目されていることが新規ユーザーの獲得につながっていると述べており、通期業績推移も右肩上がりを示している。なお、権利確定月は3月。

海外構成比
2025年8月22日(金)、株式会社ハピネットの子会社である Happinet America Inc.は、「ガシャポン®」の専門店『GASHAPON BANDAI Official Shop』3号店を米国テキサス州ダラスにNDAI Official Shop US Firewheel Town Center』に開業。現地で高まるカプセルトイ需要を背景に、北米市場への出店拡大する取り組みは、同社グループの海外展開の着実な進捗を示すものと言えそう。
バンダイナムコホールディングス(7832)
企業概要
玩具の最大手で、主要なIPとして「機動戦士ガンダム」「ドラゴンボール」「ワンピース」「仮面ライダー」「アンパンマン」などを持っており、アミューズメント施設「花やしき」の親会社でもある。また、世界的なIPのファンに、遊ぶ・観る・触れる・体験するといった様々な接点からコンテンツ・サービスを提供できるのが強み。
業績・直近トレンド・権利確定月
映像配信等の普及がグローバル市場における日本のIPの人気拡大を継続させ、大阪・関西万博での「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」出展はさらなるIP人気を再熱させ、新たなファン層の獲得に繋がった。第1四半期連結累計期間の経営成績は売上高300,430百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益51,921百万円(前年同期比17.9%増)を記録しており、IP事業の盛り上がりを示している。なお、権利確定月は3月。

海外構成比
グローバル展開にも力を入れており、海外売上高構成比として日本が約56%、次いでアメリカが19%、ヨーロッパも13%を占めるなど、日本:海外比率が比較的高いのも特徴である。傘下のバンダイの社長によると、「開発段階から海外を意識し、それぞれの市場でローカライズを進めている」とのことで、ペット育成デジタルトイ「たまごっち」の出荷数は1億個を超えるなど人気を示している。海外売上比率の高さに加え、開発段階からグローバル市場を意識した戦略が成果を上げており、「たまごっち」に代表される世界的ヒット商品の存在が、同社の国際競争力を高めている。
カプコン(9697)
企業概要
日本を代表する大手ゲームソフト会社でアミューズメント機器&ソフトとしてシリーズ累計販売本数は全世界で1億7,400万本を出荷した「バイオハザード」(2025年6月30日時点)や、海外でも人気の高い「ストリートファイター」が代表作。自社タイトルの長期販売戦略を持ち、継続的に収益を生む体制がある。
業績・直近トレンド・権利確定月
配当は9期連続増配を達成(権利確定月は3月)しており、「バイオハザード」新作シリーズである「バイオハザード レクイエム」を2026年2月27日にニンテンドースイッチ2向けに発売することも発表。通期業績推移も好調で、2026年度第1四半期によるとの売上高は455億2百万円(前年同期比53.7%増)、営業利益は245億97百万円(前年同期比90.8%増)を記録した。

海外構成比
eスポーツビジネスも好調で、「CAPCOM Pro Tour 2025」が5月から世界各地域で開催され熱戦が繰り広げられた。サウジアラビア政府は30年までにゲームやeスポーツ産業に380億ドルを投じる計画を打ち出しており、カプコンは同国で開催するスポーツイベント「Esports World Cup」(EWC)と3年間にわたる提携を行うことを今年発表している。
また、米国での売上高が約25%を占めるなど、海外売上高は全体の約6割を占めており、今後も海外市場での成長が期待される。eスポーツの国際的な盛り上がりと各国の政策的支援が追い風となる中、カプコンは既に高い海外売上比率を背景に、グローバル展開を一層加速できるポジションに位置している点に注目したい。
コナミグループ(9766)
企業概要
1969年創業の総合エンターテイメント会社で、家庭用ゲームを中心にスポーツクラブ、トレーディングカード等幅広い事業を展開する。売上高構成比ではデジタルエンターテインメント部門の比率が高く、海外においてはカジノ機、カジノ管理システムなどを出荷しているのが特徴。
業績・直近トレンド・権利確定月
売上高は8期連続増収で、配当も5期連続増配(権利確定月は3月)。
エンタメ市場の拡大を背景に、「METAL GEAR SOLID Δ」や「SILENT HILL f」など新作・リメイクを発表し、世界同時配信番組で大きな反響を獲得した。
また、「遊戯王」アニメ配信や「eFootball」の累計8.5億DL突破など、既存タイトルも順調に拡大。
さらに「プロスピA」10周年施策やMLBとの連動イベントなど、スポーツゲーム分野でも話題を広げており、デジタルエンターテイメント事業における2026年度第1四半期連結累計期間の売上高は733億1千5百万円(前年同期比14.2%増)となった。

海外構成比
事業別利益でみると、前述したデジタルエンターテイメント産業の成長率が高く、海外売上高構成比では米国が2割を占める。2026年度第1四半期決算短信によるとゲーミング市場では、「北米市場及び豪州市場が安定的に推移しており、カジノ施設の新規開業や既存施設の入替需要などによりカジノ機器の新たな設置機会が生まれ、競合各社が続々と新しい製品を投入している」とのこと。デジタルエンターテインメントの高成長に加え、ゲーミング市場でも堅調な需要環境が継続しており、北米を中心とする安定収益と新規需要の取り込みが注目される。
マネックス銘柄スカウターとは
マネックス銘柄スカウターとは、2017年10月の提供開始以来数多くのご好評をいただいている銘柄分析ツールです。「通常発表されない3か月に区切った業績推移」「10年スクリーニング」「業績予想修正履歴」「理論株価」「保有銘柄・配当情報」など投資判断に役立つ様々な情報をご提供しています。
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