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iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる?方法、メリットを解説

「iDeCo(イデコ)とふるさと納税って、どちらも利用することはできる?」
「ふるさと納税をやっていて、iDeCo(イデコ)も始めたいけれど、両方利用すると損するって本当?」
節税を考える方で、そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。結論からいえば、iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できますし、併用しないよりしたほうがおトクです。この記事では、iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用するにあたって知っておくべきことを解説していきます。

iDeCo(イデコ)とふるさと納税の違い

iDeCo(イデコ)は「公的年金に加えて個人が任意で加入する私的年金」で、

  • 掛金全額が所得控除の対象になる
  • 利息も運用益も非課税で再投資できる
  • 受取るときにも「公的年金等控除」の対象になる

といった大きな節税効果が期待できる制度です。

一方ふるさと納税は、「自分が選んだ自治体に寄付を行うことで、その寄付金額の一部が税控除される制度」です。どちらも税金がおトクになることは共通で、あわせて利用しても法的にも何も問題ありません。

ただ、「併用すると損をする」と言われるのにも理由があって、ふるさと納税で税控除を受けられる金額が、iDeCo(イデコ)を併用することで減ってしまうというデメリットはあります。両方を利用したいなら、この点に注意しなければいけません。

まず最初に、

  • iDeCo(イデコ)やふるさと納税の仕組み

などの基礎知識を説明します。それを踏まえて、

  • iDeCo(イデコ)とふるさと納税の併用について
  • 併用するメリット・デメリット

を解説していきます。

iDeCo(イデコ)とふるさと納税の基本知識

iDeCo(イデコ)とは

まずはiDeCo(イデコ)についてです。

iDeCo(イデコ)は、老後の資金をより豊かにするために、公的年金に加えて個人が任意で加入する私的年金制度です。2001年から運用が始まり、2023年8月末時点での加入者は約306万人(※)まで拡大しています。

出典:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」

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iDeCo(イデコ)の仕組み

iDeCo(イデコ)は、加入者が自分で決めた額の掛金を定期的に積立てて、それを金融商品などで運用し、その「積立金+運用益」を60歳以降に年金または一時金として受取る仕組みになっています。

そして、iDeCo(イデコ)の最大のメリットは、以下の3つの税制優遇を受けられる点です。

  • 掛金全額が所得控除の対象になる
  • 運用益も非課税で再投資できる
  • 受取るときにも「公的年金等控除」の対象になる
    (一時金で受取る場合も「退職所得控除」の対象)

ふるさと納税とは

次にふるさと納税について、基本的な知識をおさえておきましょう。「ふるさと納税」とは、自分が選んだ自治体に寄付を行うことで、その寄付金額の一部が税控除される制度です。「納税」という名称ですが、実際には「寄付」なので注意してください。

寄付先の自治体は、自分のふるさとや思い出の場所、応援したい町など好きなところを選べます。そして、多くの自治体では、寄付をした人に対して特産品などを「返礼品」として送付しています。この返礼品を目当てに寄付する人も多いようですが、本来はモノ目当てではなく、思い入れのある自治体に対する応援やお礼の意味がある制度だということを知っておいてください。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税もまた、節税効果が期待できる制度です。自分で選んだ自治体に寄付をすると、寄付金のうち2,000円を超える部分に対して所得税・住民税の控除が受けられます。

例えば、年収700万円の給与所得者(扶養家族は配偶者のみ)が3万円のふるさと納税を行ったと仮定しましょう。その場合、2,000円を超える部分=2万8000円が所得税と住民税から控除されます。

控除外:適用下限額2,000円。控除額:所得税の控除額(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率。住民税の控除額(基本分)(ふるさと納税額-2,000円)×住民税率(10%)。住民税の控除額(特例分)住民税所得割額の2割を限度。

【控除額の計算方法】

ふるさと納税(寄附金)全体に対する、控除額内訳の表。自己負担額2,000円を引いた残りが控除額となり、さらに控除額は(1)所得税からの控除と住民税控除にわかれます。所得税からの控除は、ふるさと納税を行った年の所得税から控除されます。住民税控除は(2)住民税からの控除(基本分)と(3)住民税からの控除(特例分)の合算で、ふるさと納税を行った翌年度の住民税から控除されます。
  1. ① 所得税からの控除 = (ふるさと納税額 - 2,000円) × 「所得税の税率」

    控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限です。

    • 令和19年中の寄付までは、所得税の税率は復興特別所得税の税率を加えた率となります。
    • 所得税の税率は、課税所得の増加に応じて高くなるように設定されており、その納税者に適用される税率を用います。

    →住民税からの控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれ以下のように決まります。

  2. ② 住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額 - 2,000円) × 10%

    控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。

  3. ③ 住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額 - 2,000円) × (100% - 10%(基本分) - 所得税の税率)

    住民税からの控除の特例分は、この特例分が住民税所得割額の2割を超えない場合は、上記③の計算式で決まります。③における所得税の税率は、個人住民税の課税所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額により求めた所得税の税率であり、上記①の所得税の税率と異なる場合があります。

  4. ③' 住民税からの控除(特例分) = (住民税所得割額) × 20%

    ③の特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は、上記③'の計算式となります。この場合、①、②及び③'の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質負担額は2,000円を超えます。

出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税のしくみ(税金の控除について)

外部サイトを表示します。

また、ふるさと納税で全額控除を受けられる寄付金額には上限額があり、それを超えた分については控除されません。この限度額を求める計算式は以下です。

【全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の計算式】

控除限度額

個人住民税所得割額 × 20%

100% - 10%(基本分) - 所得税の税率(※)

+ 負担金 2,000円

令和19年中の寄付までは、所得税の税率は復興特別所得税の税率を加えた率となります。

iDeCo(イデコ)とふるさと納税の併用

iDeCo(イデコ)とふるさと納税それぞれについて説明しました。では、これを踏まえた上で、いよいよiDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用するケースについて解説していきましょう。

iDeCo(イデコ)とふるさと納税は併用できる

iDeCo(イデコ)もふるさと納税も、どちらも節税効果が期待できる制度です。そもそもこの2つは併用できるのでしょうか?答えは「YES」です。iDeCo(イデコ)とふるさと納税両方を利用しても問題ないですし、その場合はどちらでも税金の優遇を受けられます。

ただ、iDeCo(イデコ)を利用することで、ふるさと納税の税控除を受けられる上限額が下がってしまうため、ふるさと納税のメリットを最大限に受けることはできなくなってしまいます。これについては、次節で詳しく解説します。

iDeCo(イデコ)と併用するとふるさと納税の税控除の上限額が下がる

前述したように、ふるさと納税には、税控除を受けられる上限額が定められています。この上限額は、課税所得=収入のうち課税される部分の金額によって変わります。課税所得が多いほど上限額が大きく、少なくなると上限額が下がるわけです。

一方でiDeCo(イデコ)は、掛金が全額所得控除されます。そのため、ふるさと納税にiDeCo(イデコ)を併用すると、iDeCo(イデコ)の所得控除によって課税所得が減ります。となると、ふるさと納税の上限額が下がってしまうというデメリットが生じるのです。

iDeCoなし:税金がかかる収入。iDeCo加入:iDeCoの積立金=税金がかからない。税金がかかる収入。

ただ、「ふるさと納税の限度額が減る」というデメリットと、「iDeCo(イデコ)による節税効果+ふるさと納税の返礼品」というメリットを比較すると、一般的にはメリットの方が大きいと思われます。

実際にどの程度限度額が変わるのかは、総務省のふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税のしくみ(税金の控除について)」ページ(※外部サイトを表示します。)に掲載されている一覧表などで確認できますので、確認してみるといいでしょう。次節でも、実際にシミュレーションしてみますので、参考にしてください。

iDeCo(イデコ)とふるさと納税の併用シミュレーション

では、実際にiDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用した場合の、ふるさと納税の上限額がどう変わるかを、総務省のふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税のしくみ(税金の控除について)」ページ(※外部サイトを表示します。)に掲載されている一覧表をもとにシミュレーションしてみましょう。

独身者/夫婦共働き(扶養範囲外)の場合のふるさと納税上限額(目安)

年収\iDeCo掛金 iDeCoなし 1万円/月 2万円/月 2万3000円/月
400万円 4万2000円 3万9000円 3万6000円 3万5000円
500万円 6万1000円 5万8000円 5万5000円 5万4000円
600万円 7万7000円 7万4000円 7万1000円 7万円
700万円 10万8000円 10万4000円 10万1000円 10万円

片働き夫婦/子供(15歳以下)一人の場合のふるさと納税上限額(目安)

年収\iDeCo掛金 iDeCoなし 1万円/月 2万円/月 2万3000円/月
400万円 3万3000円 3万円 2万8000円 2万7000円
500万円 4万9000円 4万6000円 4万3000円 4万2000円
600万円 6万9000円 6万6000円 6万3000円 6万2000円
700万円 8万6000円 8万3000円 8万円 7万9000円
  • 上記は、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていない給与所得者のケースとなります。年金収入のみの方や事業者の方、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けている給与所得者の方の控除額上限は表とは異なりますのでご注意ください。
  • 社会保険料控除額について、給与収入の15%と仮定しています。
  • 出所:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「2,000円を除く全額が控除できる寄附金額の一覧(目安)」(※外部サイトを表示します。)を基にマネックス証券作成

このように、iDeCo(イデコ)と併用すると数千円ですが控除上限額が下がっています。ふるさと納税は、上限額を超えた分は控除されませんので、「ふるさと納税をできるだけたくさんしたい」という場合はデメリットに感じるかもしれません。ただ、前述したようにこの数千円の違いとメリット=「iDeCo(イデコ)の節税効果+ふるさと納税の返礼品」とを比べると、メリットの方が大きいかと思います。

上記のふるさと納税の上限額をもとに、iDeCo(イデコ)の掛金によって「ふるさと納税の上限額が減る額」と「iDeCo(イデコ)で軽減される税金の額」を比べてみましょう。

独身者がiDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用した場合(目安)

年収\iDeCo掛金 iDeCoなし 2万円
400万円 ふるさと納税:4万2000円
iDeCoによる税軽減:なし
ふるさと納税:3万6000円
上限額 -6,000円
iDeCoによる税軽減:3万6000円
500万円 ふるさと納税:6万1000円
iDeCoによる税軽減:なし
ふるさと納税:5万5000円
上限額 -6,000円
iDeCoによる税軽減:4万8000円
600万円 ふるさと納税:7万7000円
iDeCoによる税軽減:なし
ふるさと納税:7万1000円
上限額 -6,000円
iDeCoによる税軽減:4万8000円
700万円 ふるさと納税:10万8000円
iDeCoによる税軽減:なし
ふるさと納税:10万1000円
上限額 -7,000円
iDeCoによる税軽減:7万2000円

出所:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「2,000円を除く全額が控除できる寄附金額の一覧(目安)」、iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」(※外部サイトを表示します。)を基にマネックス証券作成

これは簡易的なシミュレーションなので、厳密な金額は個別のケースによって変わってきますが、おおよその目安にはできると思います。

例えば、年収400万円の人がiDeCo(イデコ)に月2万円掛けた場合、1年間で軽減される税金の額は約3万6000円です。同じ条件でふるさと納税の上限額を見ると約3万6000円で、iDeCo(イデコ)を併用したことによって上限額は6,000円しか下がっていません。

3万6000円の税金を節約するか、6,000円多くふるさと納税するかを比較すれば、前者を選ぶ人が多いでしょう。となると、iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用することには、やはり節税メリットがあるというわけです。

ただし、前述したようにふるさと納税は、上限額を超えた分には控除がありません。ですから、iDeCo(イデコ)をメインに利用して、ふるさと納税は上限額内に収めるという方法が良いのではないでしょうか。

まとめ

iDeCo(イデコ)は、公的年金に加えて個人が任意で加入する私的年金制度で、

  • 掛金全額が所得控除の対象になる
  • 運用益も非課税で再投資できる
  • 受取るときにも「公的年金等控除」または「退職所得控除」の対象になる

という税制優遇が受けられます。

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付を行うことで、その寄付金額のうち2,000円を超える部分に対して所得税・住民税の控除が受けられます。

  • iDeCo(イデコ)とふるさと納税を併用するメリットは、「一方だけを利用するより節税額が大きくなる」
  • デメリットは「ふるさと納税の控除上限額が下がる」
  • 両方をうまく利用するポイントは、「iDeCo(イデコ)をメインに利用して、ふるさと納税は上限額内に収める」

ご注意

当コンテンツにて提供する情報は、作成時または提供時現在のものとなります。確定申告等にご利用の際は、お客様ご自身で国税庁のウェブサイト等にてご確認ください。

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iDeCo(個人型確定拠出年金)に関する留意事項

  • マネックス証券のiDeCoは、証券総合取引口座の開設がなくても申込みできますが、加入者資格条件を満たしている必要があります。
  • 確定拠出年金は加入者が自己責任で運用する年金制度です。運用成績によって、年金資産額が掛金や移換金の総額を下回る場合があります。
  • 運用の実績が将来の年金額に反映されます。将来の年金受給額は定まっていません。
  • 掛金は60歳まで原則引き出すことができません。
  • 国民年金基金連合会、信託銀行に対する一定の手数料がかかります。マネックス証券に対する運営管理手数料は無料です。
  • 運用商品についての詳細は個別の「商品説明資料」をよくお読みください。

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