毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、先進国の金利上昇や流動性引き締めに加え、ロシアのウクライナ侵攻は、市場の不透明感を強め、株式市場のボラティリティをさらに高めることにつながり、やや弱気の見通しに引き下げました。
国債に関しては、地政学リスクがもたらす供給サイドの崩壊を背景に、中央銀行は、経済成長とインフレの双方を考慮する必要があり、今後の金融政策の舵取りの課題となることが見込まれます。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
先進国の金利上昇や流動性引き締めに加え、ロシアのウクライナ侵攻は、市場の不透明感を強め、株式市場のボラティリティをさらに高めることにつながります。 |
地政学リスクがもたらす供給サイドの崩壊を背景に、中央銀行は、経済成長とインフレの双方を考慮する必要があり、今後の金融政策の舵取りの課題となることが見込まれます。 |
足元でのスプレッドの拡大を考慮して、見通しを中立に引き上げました。欧州と新興国の投資適格債券市場で小幅なスプレッドの縮小が見込まれると考えます。 |
足元での地政学リスクと不均衡な需給バランスを背景に、やや強気の見通しを維持しています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 |
金融政策の引き締め開始に伴い、軟調な動きとなっています。ロシア・ウクライナ情勢は、不透明感を高めるものの、米国株式市場への影響度として主要な要素は、インフレと金融引き締めであると考えています。 |
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欧州 |
インフレ率の上昇やロシアへの制裁の影響が表面化するに伴い、短期的に、欧州株式は調整する可能性があると判断しています。 |
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日本 |
日本株式には、世界の経済回復が不可欠であるものの、ロシア・ウクライナ情勢による影響は、限定的と考えます。 |
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アジア太平洋 (除く日本) |
世界でスタグフレーション圧力が強まる中、世界経済の減速は中国の輸出の減速につながることから、中立の見通しに引き下げました。 |
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新興国 |
バリュエーションが魅力的であるものの、地政学リスク、中国におけるロックダウン、エネルギーや食品価格の上昇などが景気後退のリスク要因となることから、見通しを中立に引き下げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 |
米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑制に注力する必要があり、今後も利上げが続く可能性が高いことから、やや弱気の見通しを維持しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
欧州におけるエネルギー価格の上昇がもたらすインフレの影響により、欧州中央銀行(ECB)は、金融政策引き締めのペースを減速させると考えています。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
スタグフレーションや景気後退のリスクが高まりつつあることから、見通しをやや弱気に引き下げました。 |
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インフレ連動債 |
FRBの優先事項はインフレ対応であることから、やや弱気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 |
欧州とは異なり、FRBによる金融政策が、クレジット市場の支援策となる可能性は低いと考えています。 |
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欧州 |
欧州およびグローバルでみられるインフレ圧力や金利上昇環境下、ECBは支援的な政策を当面は維持すると考えています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
引き続き地政学リスクはリスクではあるものの、魅力的なバリュエーションや低いデフォルト率は支援材料と考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 |
年初来軟調な動きとなっており、スプレッドはさらに拡大する可能性があると判断しています。 |
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欧州 |
ファンダメンタルズのモメンタムはピークに差し掛かりつつある可能性が高いと判断しており、企業業績の不透明感や経済成長懸念が重しとなると考えています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
ロシアによるウクライナ侵攻以降、さらに需給の逼迫懸念が高まってしており、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化が価格上昇につながっています。 |
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金 |
スタグフレーション・リスクの上昇や中央銀行のタカ派姿勢のピーク感を背景に、中立の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 |
中国以外の国々による需要の回復が継続しているほか、中国政府による金融緩和・景気刺激策が支援材料と考えています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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通貨 | 米ドル |
安全通貨としての需要や、FRBとECBの金融政策の相違の拡大を背景に、見通しをやや強気に引き上げました。 |
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ユーロ |
欧州のインフレリスク上昇や、経済成長モメンタムの減速、ロシア・ウクライナ情勢を背景に、ECBはよりハト派姿勢を取ることが見込まれると考えています。 |
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日本円 |
安全通貨としての需要を考慮し、見通しを中立に引き上げました。また、米国の利上げペースの減速可能性も支援材料と考えます。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2022年3月上旬に英語で作成されたものを3月下旬に日本語に翻訳しています。
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