毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、企業業績を巡る不透明感はバリュエーションにまだ織り込まれていないと判断することから、やや弱気の見通しを維持しています。
社債に関しては、景気循環モデルは景気減速を示しています。景気減速の局面では、スプレッドの拡大が見込まれますが、足元バリュエーションの改善が進んだことから、中立の見通しを維持しています。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
企業業績を巡る不透明感はバリュエーションに、まだ織り込まれていないと判断することから、やや弱気の見通しを維持しています。 |
米国10年国債はフェアバリューの水準にあると判断していますが、実質金利は低いと考えます。インフレの加速が進み、経済成長見通しが減速するなか、ボラティリティが高まることが見込まれるため、より高い利回り水準が求められます。 |
景気循環モデルは景気減速を示しています。景気減速の局面では、スプレッドの拡大が見込まれますが、足元バリュエーションの改善が進んだことから、中立の見通しを維持しています。 |
世界経済成長の減速に伴い、特にエネルギーセクターにおいて需要の減少の兆候が見られ始めていることから、見通しを中立に引き下げました。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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株式 | 米国 |
米国株式は引き続き、企業業績成長の減速によるバリュエーションの悪化に特に受けやすいと考えます。 |
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欧州 |
欧州の業績モメンタムはプラスの域に入りましたが、欧州中央銀行(ECB)によるタカ派姿勢が重しとなると考えます。 |
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日本 |
日本はインフレが必ずしもマイナス要因と捉えられない数少ない国であることから、他の先進国と比べてアウトパフォーマンスが見込まれます。 |
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アジア (除く日本) |
ロックダウンが緩和され始めたことから、供給ボトルネック問題はある程度緩和されることが見込まれると判断し、中国の見通しをやや強気に引き上げました。中国以外のアジア地域については、やや弱気の見通しを維持しています。 |
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新興国 |
中国を巡る逆風要因は緩和しつつありますが、その他の新興国についてはインフレ圧力が高まっており、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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国債 | 米国 |
年初来の大幅な金利上昇を受け、エントリーポイントとしてはより魅力的となっていますが、見通しを引き上げるためにはインフレ圧力の低下が必要となります。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
ECBは、7月と9月に利上げ実施の意向を示しています。インフレ圧力が高まる中、さらなる利上げが見込まれます。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
スタグフレーション・リスクや景気後退リスクが高まる中、経済環境は引き続き、逆風要因となっています。 |
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インフレ連動債 |
ロシア・ウクライナ情勢を巡る不透明感はピークを過ぎた可能性が高く、米連邦準備制度理事会(FRB)の優先事項はインフレ対応となっています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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投資適格 社債 |
米国 |
消費者関連はインフレ圧力や景気後退リスクに晒されていることから、見通しを中立に引き下げました。 |
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欧州 |
ECBは利上げに転じたとは言え、他国の中央銀行に比べまだ金利水準が高くないことやバリュエーションが相対的に魅力的と判断することから、やや強気の見通しを維持しています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
足元のファンダメンタルズの悪化はスプレッドに十分に反映されておらず、他の国々と比べ、バリュエーションの魅力度が低いと判断しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 |
消費者関連へのエクスポージャーが高いことを考慮してやや弱気の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
スプレッドの水準は相対的に魅力的と判断しますが、ECBによる支援策は見込まれないことから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
供給サイドの問題は織り込み済みと判断されるほか、世界経済の減速を背景に、需要の減速の兆候が見られ始めています。一方で、ロシアの原油については、欧州による需要の減少は、アジアによる需要により相殺されています。 |
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金 |
金は、FRBが利上げを開始し、景気後退懸念が強まる環境下で上昇する傾向があります。ただし、景気後退懸念が、流動性を縮小させ、金にとってマイナス要因となるリスクもあります。 |
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産業用金属 |
中国におけるロックダウンの緩和を背景に、中国による需要が、先進国で減速する需要を相殺すると考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
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通貨 | 米ドル |
世界経済成長は減速が見込まれるほか、足元でのインフレ率上昇を受けFRBはよりタカ派姿勢を取っており、安全通貨としての米ドルにとって支援材料となります。 |
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ユーロ |
ECBは金融引き締めを積極的に進めたい一方、それにより欧州圏の国家間のクレジットの格差が、スプレッドの拡大に跳ね返らないかの配慮も必要であり、今後のECBの政策の舵取りを見極める必要があると考えています。 |
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日本円 |
他国でみられる金利上昇が、日本円には重しとなることから、見通しをやや弱気に引き下げました。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2022年6月上旬に英語で作成されたものを6月下旬に日本語に翻訳しています。
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