毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、足元での金利の安定化が株式バリュエーションの支援材料となることから、見通しを中立に引き上げました。
ただし、2023年に向かうにあたり、景気後退リスクや、楽観的過ぎる企業業績見通しを背景に、慎重な姿勢は維持しています。
社債に関しては、バリュエーションの魅力度が高く、キャリーが高いことから、やや強気の見通しに引き上げました。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
足元での金利の安定化が株式バリュエーションの支援材料となることから、見通しを中立に引き上げました。ただし、2023年に向かうにあたり、景気後退リスクや、楽観的過ぎる企業業績見通しを背景に、慎重な姿勢は維持しています。 |
労働市場の需給の緩和の兆候は一時的にみられ始めていますが、緩和基調がより明確になるまで注視する必要があると考えており、足元では中立の見通しを維持しています。 |
バリュエーションの魅力度が高く、キャリーが高いことから、やや強気の見通しに引き上げました。 |
需要は減速しつつありますが、エネルギーや農作物セクターを中心に供給は引き続きタイトであることから、強気の見通しを維持しています。 |
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
株式 | 米国 |
バリュエーションは引き続き重しとなりますが、短期的には金利の安定化や予想を下回るインフレを受け、市場のネガティブ度合いが緩和すると考えることから、見通しを中立に引き上げました。 |
||
欧州 |
ユーロ安が輸出の追い風となってきた一方で、ネガティブなニュースの大部分が織り込まれ済みと判断することから、見通しを中立に引き上げました。 |
|||
日本 |
円安や魅力的なバリュエーションは、他の地域と比べると、中期的に支援材料となると考えます。 |
|||
アジア (除く日本) |
バリュエーションの魅力度が高いことや、中国では新型コロナウイルス感染を巡る規制の一部緩和の動きもみられることから、見通しを中立に引き上げました。 |
|||
新興国 |
米ドル高が進む環境下では新興国株式は軟調となる傾向があります。米ドル高はピークに近いと判断することから、見通しを中立に引き上げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
国債 | 米国 |
米国10年国債のバリュエーションは、フェアバリューの水準となっています。歴史的には、コアインフレ率が低下するペースは遅く、長期に亘り、高い水準で推移する傾向があると考えています。 |
||
欧州 (ドイツ国債) |
欧州中央銀行(ECB)の相対的にハト派寄りの姿勢は、インフレ圧力が高まる中、イールドカーブのスティープ化を招く可能性があると考えます。 |
|||
新興国 (現地通貨建て) |
中立の見通しを維持しており、特にインフレのピークアウトの兆候がみられているラテンアメリカを選好しています。 |
|||
インフレ連動債 |
コモディティ価格上昇に伴い、ブレークイーブンインフレ率は上昇しました。ブレークイーブンインフレ率は今後も高水準での推移が継続すると考えており、バリュエーションはフェアな水準と考えることから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 |
バリュエーションは引き続き魅力的であるほか、企業は設備投資を削減し、自社株買いを行っています。企業業績は減速していることも加え、企業のより慎重な姿勢は、支援材料となると考えます。 |
||
欧州 |
足元のスプレッド水準が魅力的であることに加え、天然ガス価格が落ち着きつつあることが支援材料と考えています。 |
|||
新興国 (米ドル建て) |
グローバルでみられる流動性の縮小は、新興国市場にとって短期的なリスクとなりますが、バリュエーションや利回り水準が魅力的であることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 |
供給がタイトであるほか、足元でのインフローによりスプレッドが大幅に縮小したことから、バリュエーションの魅力度は低下、見通しを中立に引き下げました。 |
||
欧州 |
リファイナンスリスクが低位であることや、欧州の天然ガス在庫を巡るテールリスクの後退を背景に、やや強気の見通しに引き上げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
需要は底堅く、OPECプラスの減産により、さらに供給はタイトとなっていることから、やや強気の見通しを維持しています。 |
||
金 |
引き続きドル高が金の重しとなると考えます。足元の逆風の中でも、金は耐性を示していますが、実質金利が高い環境下、魅力度は高くないと判断しています。 |
|||
産業用金属 |
コモディティセクターの中でも最もシクリカルなセクターであり、供給よりも需要から受ける影響が強いといえます。景気後退リスクを考慮し、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | ||
---|---|---|---|---|
通貨 | 米ドル |
センチメントがネガティブである場合、米ドルは有効なヘッジ手段と考えます。ただし、10月の米国インフレ率は、インフレがピークである可能性を示唆しています。 |
||
ユーロ |
エネルギー供給懸念の後退に伴い、ボラティリティの低下が見込まれ、ファンダメンタルズや金利差が為替の変動要因となると考えます。 |
|||
日本円 |
為替介入が行われましたが、日本以外の中央銀行が利上げを継続する限り、円安が止まる可能性は低いと考えることから、やや弱気の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2022年11月上旬に英語で作成されたものを11月下旬に日本語に翻訳しています。
シュローダーはロンドンを本拠地とし、200年以上の歴史を誇る、英国の老舗資産運用グループです。個別企業の調査・分析などのリサーチ力に強みを持つアクティブ運用を中心に、日本株式をはじめ、海外株式・債券、ESG投資、マルチアセット、オルタナティブ投資などのファンドを取り揃えて、日本の投資家の皆さまにグローバルな投資機会を提供しています。
シュローダー日本株ESGフォーカス・ファンド
ファンドの特長
詳細・お申込みはこちらから
シュローダー・アジアパシフィックESGフォーカス・ファンド(資産成長型)
ファンドの特長
詳細・お申込みはこちらから
シュローダーYENターゲット(年2回決算型・年1回決算型)
ファンドの特長
シュローダー・インカムアセット・アロケーション(1年決算型) Aコース(為替ヘッジなし)・Bコース(為替ヘッジあり)
ファンドの特長
マザーファンド受益証券への投資を通じて、実質的に、複数のインカムアセット(世界の高配当株式、債券等)に投資し、市場環境に合わせて機動的に資産配分の調整を行う投資信託証券、および海外の債券等に投資する投資信託証券への投資を行います。
Aコース(為替ヘッジなし)の実質外貨建て資産については、為替ヘッジは行いません。
Bコース(為替ヘッジあり)の実質外貨建て資産については、原則として、為替ヘッジにより米ドルと円との間の為替変動リスクの低減を図ることを基本とします。
運用はファミリーファンド方式で行います。マザーファンドの運用にあたっては、ファンド・オブ・ファンズ形式で行います。
詳細・お申込みはこちらから
シュローダー厳選グロース・ジャパン
ファンドの特長
詳細・お申込みはこちらから
情報提供に関するご留意事項
投資信託取引に関する重要事項
<リスク>
投資信託は、主に値動きのある有価証券、商品、不動産等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた有価証券、商品、不動産等の値動き等(組入商品が外貨建てである場合には為替相場の変動を含む)の影響により上下するため、これにより元本損失が生じることがあります。また、外貨建て投資信託においては、外貨ベースでは投資元本を割り込んでいない場合でも、円換算ベースでは為替相場の変動により投資元本を割り込むことがあります。投資信託は、投資元本および分配金の保証された商品ではありません。<手数料・費用等>
投資信託ご購入の際の申込手数料はかかりませんが(IFAを媒介した取引を除く)、購入時または換金時に直接ご負担いただく費用として、約定日の基準価額に最大0.75%を乗じた額の信託財産留保額がかかります。また、投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用として、純資産総額に対して最大年率3.1%(税込:3.41%)を乗じた額の信託報酬のほか、その他の費用がかかります。また、運用成績に応じた成功報酬等がかかる場合があります。その他費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額等を示すことができません。手数料(費用)の合計額については、申込金額、保有期間等の各条件により異なりますので、事前に料率、上限額等を表示することができません。なお、IFAコースをご利用のお客様について、IFAを媒介した取引から投資信託を購入される際は、申込金額に対して最大3.5%(税込:3.85%)の申込手数料がかかります。詳しくは当社ウェブサイトに掲載の「ファンド詳細」よりご確認ください。<その他>
投資信託の購入価額によっては、収益分配金の一部ないしすべてが、実質的に元本の一部払い戻しに相当する場合があります。また、通貨選択型投資信託については、投資対象資産の価格変動リスクに加えて複雑な為替変動リスクを伴います。投資信託の収益分配金と、通貨選択型投資信託の収益/損失に関しては、以下をご確認ください。【本資料に関するご留意事項】