これまで米国株式は上昇してきましたが、これが継続する積極的な理由が見当たらないと判断しています。米国経済はこれまでのところ拡大が継続していますが、現在の株価水準には割高感があると考えます。

魅力的なバリュエーション、堅調な企業のバランスシート、中国経済の再開が支援材料となると考えます。また、エネルギー供給を巡る懸念も短期的には後退していることもプラス要因です。

バリュエーションが魅力的であるほか、中国経済の再開も支援材料となると考えます。但し、円高の進行は重しとなる可能性があります。

中国の経済再開が考えられていたよりも早く進んでおり、バリュエーションにも割安感があることから、中国の見通しをやや強気に引き上げています。一方、中国以外のアジア地域については、中国の経済再開は支援材料となる一方で、世界経済の減速が重しとなることから、中立の見通しを維持しています。

景気後退のリスクの高まりは、歴史的には新興国株式に影響を及ぼしてきました。しかし、現在の新興国株式のバリュエーションはこのリスクを概ね反映しており、中国の景気回復や、これまでのドル高の流れが落ち着いたことは支援材料になると考えます。

12月末までの金利上昇を受け、米国債は概ねフェアバリューの水準に戻ったことに加え、市場の懸念はインフレリスクから景気減速にシフトしていることから、見通しをやや強気に引き上げました。

ECB（欧州中央銀行）の金融政策スタンスがタカ派的になっていると解釈されています。しかしながら、ドイツ国債の金利は、概ねこれらの情報を織り込んだ水準にあると考えられます。

足元の上昇で魅力度は低下したものの、先進国債券に対する実質利回りの魅力度が高く、選別的な投資機会を創出していると考えます。

米国10年ゾーンの実質金利が1.25％近傍にあり、足元の下落により、フェアバリューの水準に近づいたと考えます。

長期的にはある程度ポジティブな見通しを持っていますが、スプレッドは欧州が米国に比べ魅力度が高いと判断しています。

現在の欧州のスプレッド水準は、新型コロナウイルスの発生時に見られた水準に近いと考えられ、現在想定される悪材料を大方織り込んだ水準にあると考えています。

新興国のファンダメンタルズは比較的堅調に推移しています。金利水準はここもとの地政学的リスクを織り込んだ水準にあると考えられることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。

これまでスプレッドが縮小してきたことや米国のハイイールド債券市場が相対的に大きいことを考えると、今後米国経済が悪化した場合、米国ハイイールド債券市場が脆弱になる可能性が考えられます。

米国と比較して、欧州ハイイールド債券市場の構成銘柄は、クオリティが高いと判断でき、かつバリュエーション面での魅力度もあると判断しています。

暖冬の影響で、天然ガス価格は下落していますが、天候は変わりやすいことには留意する必要があるほか、欧州は長期的に供給懸念が存在します。また、中国の経済再開は支援材料ですが、経済減速はマイナス要因となります。

米国実質金利と金の連動性は薄れているほか、ロシアのウクライナ侵攻以来、金価格が下落しています。米ドルの今後の方向性を巡る不透明感からも、中立の見通しを維持しています。

中国の経済再開はプラス材料になると考えますが、経済の減速は金属価格の圧迫要因になると考えます。

米ドルはピーク近傍と考えているほか、他国中銀の政策金利との金利差が縮小していることも米ドルにとっては重しとなります。

域内の経済成長見通しは明るくはないものの、現在のユーロには、市場参加者のネガティブな見通しが織り込まれていることやECBのタカ派姿勢を背景に、反転の可能性もあると考えています。

先般行われた日銀のイールドカーブ・コントロールの見直しが金融政策引き締めの始まりとなる可能性もあり、日本円にとっては支援材料であることから、見通しをやや強気に引き上げました。