毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、短期的にはバリュー株に投資機会が存在する可能性があると考えますが、中期的な指標はネガティブであることから、中立の見通しを維持しています。
社債に関しては、米国のバリュエーションが割高となっていることから、見通しを中立に引き下げました。一方で、欧州の魅力度は相対的に高いと考えます。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
短期的にはバリュー株に投資機会が存在する可能性があると考えますが、中期的な指標はネガティブであることから、中立の見通しを維持しています。 |
金利はピークに近付いている可能性が高く、利上げを停止する動きもみられていることから、強気の見通しを維持しています。 |
米国のバリュエーションが割高となっていることから、見通しを中立に引き下げました。一方で、欧州の魅力度は相対的に高いと考えます。 |
サウジアラビアとロシアが原油の減産を継続していることから、エネルギーを中心に上昇する可能性が高いと考えており、強気の見通しを維持しています。 |
見通しの表示:●強気 ●中立 ●弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
株式 | 米国 |
底堅い企業業績が支援材料となっている一方で、インフレ圧力は継続しており、中期的には経済の減速が見込まれることから、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
ドイツの経済指標が軟調であることや、欧州全般的にサービスセクターおよび製造業セクターの減速がみられることから、弱気の見通しを維持しています。 |
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日本 |
堅調なファンダメンタルズや、他国に比べて緩和的な金融政策が支援材料となると考えます。 |
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アジア (除く日本) |
中国市場には過度に悲観的な見方が織り込まれていると考えるものの、直近の貿易統計は予想以上に軟調であったことから、中立の見通しとしています。 |
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新興国 |
新興国市場は原油価格と正の相関となる場合が多いとされていますが、供給制限がエネルギー輸入国にネガティブな影響を与える可能性が高いことから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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国債 | 米国 |
利上げサイクルは終了に近付いていると考えることから、強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
欧州中央銀行(ECB)が利上げサイクルを停止する可能性はありますが、ドイツ国債が他の市場をアウトパフォームする可能性は低いと考えることから、見通しを中立に引き下げました。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
新興国の利上げサイクルは先進国より進んでおり、インフレは減速していますが、対米ドルの通貨リスクを考慮し、見通しを中立に引き下げました。 |
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インフレ連動債 |
さらなるインフレの減速には労働市場の緩和が必要となりますが、米国雇用や賃金データには減速の兆候がまだ見られていないことから、強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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投資適格 社債 |
米国 |
キャッシュと比べた利回り水準の魅力度は低いですが、企業のファンダメンタルズは引き続き堅調であることから、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
金利が安定化した場合に恩恵を受けることが見込まれるほか、キャリーがポジティブであることから、欧州投資適格債券への選好を維持しています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
バリュエーションは割高の水準となっています。ファンダメンタルズは引き続き底堅い一方で、新興国市場は中国の経済成長や世界のコモディティサイクルから影響を受けることから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 |
供給水準が低く、市場が縮小方向にあることが、スプレッドの支援材料となっています。銘柄間のバラつきが高まっていることには注視が必要です。 |
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欧州 |
欧州のバリュエーションは米国よりも魅力的な水準となっていますが、デフォルト率は過度に低い水準から上昇しつつあります。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
OPECプラスは減産を継続していますが、需要は底堅さを保っています。エネルギー価格は上昇していますが、強気の見通しを維持しています。 |
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金 |
実質金利は高位の水準で推移しており、足元の市場環境下、金のダウンサイドリスクは限定的と考えます。 |
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産業用金属 |
供給サイドは引き続きタイトですが、需要の動向が不透明であることから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
通貨 | 米ドル |
インフレ指標のサプライズに対しては、脆弱性が高いですが、株式との相関が低く、キャリーが魅力的であることから、ポートフォリオの分散としての役割が期待されます。 |
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ユーロ |
経済減速、高いインフレ率、高金利が欧州の企業にもたらす影響がマイナス要因となることから、見通しを弱気に引き下げました。 |
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日本円 |
日本銀行はイールドカーブ・コントロールを調整しましたが、短期的には円高が進む可能性は低いと考えます。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2023年9月上旬に英語で作成されたものを9月下旬に日本語に翻訳しています。
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