毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、短期的には景気後退リスクは低いと判断することから、見通しを強気に引き上げました。米国株式(S&P500)が年末にかけて上昇すると考えています。
社債に関しては、債券市場の下落を受け、米国ハイイールド債券利回りの魅力度が高まったことから、強気の見通しに引き上げました。欧州投資適格債券は、引き続きキャッシュを上回る利回りが見込まれます。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
短期的には景気後退リスクは低いと判断することから、見通しを強気に引き上げました。 |
金利の安定化が見込まれる一方で、当面は景気後退や金融緩和への転換は見込まれないことから、国債よりもクレジット資産を選好しています。 |
債券市場の下落を受け、米国ハイイールド債券利回りの魅力度が高まったことから、強気の見通しに引き上げました。欧州投資適格債券は、引き続きキャッシュを上回る利回りが見込まれます。 |
輸出サイクルが上向いた場合に上昇可能性があることに加え、インフレリスクや地政学リスクに対するヘッジとしての役割が期待されます。 |
見通しの表示:●強気 ●中立 ●弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
株式 | 米国 |
金利の安定化や底堅い米国経済が支援材料となり、年末にかけて上昇が見込まれると考えます。 |
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欧州 |
ユーロ圏PMIは、製造業を中心に引き続き減速しています。バリュエーションは相対的に割安の水準にありますが、高いインフレ率と軟調なファンダメンタルズを背景に、弱気の見通しを維持しています。 |
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日本 |
堅調なファンダメンタルズや、国内の需要が支援材料となると考えており、他国をアウトパフォームすると見込んでいます。 |
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アジア (除く日本) |
中国株式のバリュエーションは魅力的ですが、不動産セクターや中国経済を巡る懸念が残ることから、中国株式は中立の見通しとしています。中国を除くアジア株式については、世界の製造業サイクルに回復の兆候が見られますが、中立の見通しを維持しています。 |
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新興国 |
世界の財のサイクルが引き続き重しですが、インフレが収束する中で、新興国中央銀行による金融緩和が支援材料となると考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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国債 | 米国 |
米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を据え置く中、短期金利が上昇する要因は少ないと考える一方で、長期債については、逆イールドであることに加え、政府債務の水準やインフレを考慮し、魅力度が低いと考えます。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
インフレ圧力の低下と経済成長見通しの減速は、ドイツ国債の支援材料ではありますが、経済の方向感がより明確化するまで、中立の見通しを維持します。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
新興国の利上げサイクルは先進国より進んでおり、インフレは減速していますが、米ドル高のリスクを考慮し、中立の見通しを維持しています。 |
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インフレ連動債 |
FRBがインフレ抑制に注力する姿勢を示していることから、見通しを中立に引き下げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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投資適格 社債 |
米国 |
米国企業のファンダメンタルズは引き続き堅調ですが、キャッシュ対比の利回り水準の魅力度が低く、バリュエーションは割高となっています。 |
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欧州 |
欧州中央銀行(ECB)による利上げサイクルが終盤に近付いていることが支援材料であるほか、キャリーがポジティブであることから、欧州投資適格債券への選好を維持しています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
中国経済は減速していますが、ファンダメンタルズは底堅さを維持しています。供給水準が高くないことがテクニカル面で支援材料ですが、バリュエーションは割高であることから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 |
利回りが魅力的であることに加え、企業と家計のバランスシートが堅調である中、ディフォルト率の大幅な上昇は見込まれないことから、見通しを強気に引き上げました。 |
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欧州 |
デフォルト率は上昇しつつありますが、元の水準が過度に低かったため、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
サウジアラビアとロシアによる減産の影響は市場に織り込み済みであると考えますが、地政学リスクが高まった場合に、エネルギーはヘッジとしての役割が期待されます。 |
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金 |
中央銀行による需要や中国国内の需要は支援材料であり、実質金利がピークアウトした場合、金価格は上昇する可能性があると考えます。 |
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産業用金属 |
供給サイドは引き続きタイトですが、需要の動向が不透明であることから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
通貨 | 米ドル |
米国経済見通しは、他国と比べ堅調であることから、強気の見通しに引き上げました。キャリーやポートフォリオの分散としての役割が魅力的です。 |
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ユーロ |
欧州経済の減速や、米国との金利差を考慮し、弱気の見通しを維持しています。 |
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日本円 |
インフレ圧力の高まりを背景に、金融政策を巡る議論がより活発になることが見込まれますが、今後の金融政策については不透明感が強いことから、中立の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2023年10月上旬に英語で作成されたものを10月下旬に日本語に翻訳しています。
シュローダーはロンドンを本拠地とし、200年以上の歴史を誇る、英国の老舗資産運用グループです。個別企業の調査・分析などのリサーチ力に強みを持つアクティブ運用を中心に、日本株式をはじめ、海外株式・債券、ESG投資、マルチアセット、オルタナティブ投資などのファンドを取り揃えて、日本の投資家の皆さまにグローバルな投資機会を提供しています。
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