毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、経済成長の観点でアップサイドのサプライズが継続しており、見通しを強気に引き上げました。
社債に関しては、バリュエーションは割高な水準にあると見ていますが、社債に対する旺盛な需要と良好な企業ファンダメンタルズを考慮し、中立の見通しを維持しています。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
---|---|---|---|
経済成長の観点でアップサイドのサプライズが継続しており、見通しを強気に引き上げました。 |
早期利下げ期待が後退し、バリュエーションの観点で投資妙味は高まりましたが、足元の底堅い経済を踏まえるとハードランディングのリスクが残っており、中立の見通しを維持しています。 |
バリュエーションは割高な水準にあると見ていますが、社債に対する旺盛な需要と良好な企業ファンダメンタルズを考慮し、中立の見通しを維持しています。 |
地政学リスクが高まっているものの、供給は十分であるため中立の見通しを維持しています。ただし、金については、金利低下の恩恵を受けると考え、強気の見通しを維持しています。 |
見通しの表示:●強気 ●中立 ●弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
株式 | 米国 |
米国の底堅い労働市場、消費者信頼感の改善、そしてコアインフレ率の低下を踏まえ、見通しを強気に引き上げました。 |
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欧州 |
製造業の関連指標は、欧州経済が最悪期を脱し、好転に向かう兆候を示唆していることから、見通しを強気に引き上げました。 |
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日本 |
業績の上方修正が相次ぐ等、企業ファンダメンタルズが良好であることから、見通しを強気に引き上げました。日経平均は、1989年に付けた史上最高値付近で取引されていますが、割高な水準ではないと考えています。 |
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アジア (除く日本) |
中国株式については、当局の景気刺激策が不十分であることや不動産セクターの不透明性を懸念していますが、割安な水準にあるため中立の見通しを維持しています。台湾および韓国株式については、製造業の回復から恩恵を受けると考え、強気としています。 |
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新興国 |
製造業は回復の兆候が見られますが、その恩恵は国や地域によって様々です。新興国全体に対しては、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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国債 | 米国 |
早期利下げ期待は後退し、バリュエーションの観点で投資妙味は高まりましたが、十分に割安な水準にあるとは考えておらず、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
インフレ圧力は緩和している一方、賃金上昇率は高水準にあります。欧州経済が低迷を続けた場合のヘッジとして働く可能性がありますが、中立の見通しを維持しています。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
ソフトランディングは米ドル安、エマージング国の金利低下につながると見ています。しかし、米国の労働市場は依然として底堅く、ハードランディングのリスクが残っていることから、中立の見通しを維持しています。 |
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インフレ連動債 |
ベース効果が薄れる中、インフレが再加速する可能性を踏まえ、強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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投資適格 社債 |
米国 |
割高な水準にありますが、良好な企業ファンダメンタルズと社債に対する旺盛な需要を考慮し、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
バリュエーションはフェアな水準にありますが、指数構成銘柄のクオリティが高いことやインタレスト・カバレッジ・レシオが健全な水準にあることを踏まえ、中立の見通しを維持しています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
全般的に割高であり、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 |
割高な水準にあると考えているものの、ダウンサイドリスクは限定的であると考えており、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
ECBのハト派的なコメントを受けて、欧州ハイイールド社債は上昇しました。割安な状態で残っている銘柄は、財務的リスクが高い企業のみであり、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
中東情勢は悪化していますが、OPEC+はさらなる追加減産の合意には至っていません。OPEC非加盟国からの原油供給も底堅いと見て、中立の見通しを維持しています。 |
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金 |
今年後半に実質金利が正常化することを見込んでいるほか、金はインフレ目標への回帰が難航した場合のヘッジになり得る可能性があり、強気の見通しを維持しています。その他、中国からの金需要が増加していることも追い風となっています。 |
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産業用金属 |
供給は引き続きタイトですが、中国の不動産セクターや再生可能エネルギーセクターからの需要は低迷すると見ています。中国以外の地域からの需要も減速傾向であることから、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
通貨 | 米ドル |
市場予想と比較し、FRBによる利下げ開始時期は後ずれし、2024年の利下げ幅も限定的となる可能性があるほか、キャリーはプラスであるため、強気の見通しを維持しています。 |
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ユーロ |
製造業は好転の兆候を示しており、欧州経済の景気サイクルは底を打った可能性があります。ただ、ECBのコメントはハト派に変わりつつあり、中立の見通しを維持しています。 |
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日本円 |
日本銀行がイールドカーブコントロールを解除する時期については未だ不透明であり、円高を招く新規材料にも欠ける中、中立の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2024年2月上旬に英語で作成されたものを2月下旬に日本語に翻訳しています。
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