※本レポートは2024年8月上旬に英語で作成されたものを8月下旬に日本語に翻訳しています。
毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式に関しては、強気の見通しを維持しています。ファンダメンタルズは良好であるほか、 8 月上旬の調整後、一部のテクニカル指標は「売られすぎ」の水準であることを示しました。
社債に関しては、中立の見通しを維持しています。バリュエーションの割高感が緩和したことや良好な金融情勢を好感しているものの、マクロファンダメンタルズを巡る懸念が高まっていると考えます。
株式 | 国債 | 社債 |
コモディティ (商品先物) |
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強気の見通しを維持しています。ファンダメンタルズは良好であるほか、8月上旬の調整後、一部のテクニカル指標は「売られすぎ」の水準であることを示しました。 |
見通しを弱気に引き下げました。運用チームがベースシナリオとして想定する「ソフトランディング」を踏まえると、短期債を中心にバリュエーションは割高な水準にあると考えます。 |
中立の見通しを維持しています。バリュエーションの割高感が緩和したことや良好な金融情勢を好感しているものの、マクロファンダメンタルズを巡る懸念が高まっていると考えます。 |
全体として中立の見通しを維持しています。経済成長を巡る懸念から広範なコモディティ市場は売り圧力を経験しました。ただし、供給が豊富であるほか、中国の需要減退を踏まえ、中立としています。 |
見通しの表示:●強気 ●中立 ●弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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株式 | 米国 |
米国経済がソフトランディングを達成するとの見方や良好な流動性、利益成長に対する期待感が引き続き支援材料になると考え、強気の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
欧州株式市場では、一部の銘柄が市場を牽引していることや業績期待が後退していることを踏まえ、弱気の見通しを維持しています。 |
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日本 |
8月上旬の調整を受けて上昇余地はあると考えますが、リスク・リターン特性が魅力的ではないとみて、中立の見通しを維持しています。 |
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アジア (除く日本) |
台湾や韓国などは製造業の回復から恩恵を受けるとみており、強気の見通しを維持しています。ただし、中国については、不動産セクターの低迷から経済成長率は減速しており、中立の見通しを維持しています。 |
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新興国 |
多くの新興国はインフレ抑制を実現しており、より信頼性のある財政政策が行われています。製造業の景気サイクルからも恩恵を受けるとみて、強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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国債 | 米国 |
運用チームが想定する「ソフトランディング」を踏まえると、フロントエンドを中心に割高であると考えます。今後、米国債はアンダーパフォームする可能性があるとみて、弱気の見通しを維持しています。 |
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欧州 (ドイツ国債) |
中立の見通しを維持しています。短期金融市場は、既に年内3回程度の利下げを織り込んでいます。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
魅力的なバリュエーションを提供しているようにみえますが、スプレッドの拡大は財政懸念がある少数の国によるものです。これらの国によるボラティリティや個別リスクを懸念し、中立の見通しを維持しています。 |
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インフレ連動債 |
インフレ指標の下振れが続いており、見通しを中立に引き下げました。ただし、消費は依然として堅調で、労働市場も安定していたことから、深刻な景気後退に陥るリスクは低いとみています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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投資適格 社債 |
米国 |
バリュエーションの割高感は緩和したものの、未だに割安ではないと考えます。マクロファンダメンタルズを巡る不確実性がリスクとなっているものの、豊富な流動性を踏まえ、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
米国投資適格社債と比べて優れたリスク・リターン特性を提供しているとみています。バリュエーションは魅力的にみえますが、強弱が入り混じる経済指標を踏まえ、中立の見通しとしています。 |
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新興国 (米ドル建て) |
良好な企業ファンダメンタルズやテクニカル要因が支援材料になる可能性はあるものの、バリュエーションの観点で魅力的ではないとみて、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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ハイイールド 社債 |
米国 |
バリュエーションの割高感は緩和しましたが、割安な水準ではないと考えます。「満期の壁」は上手くコントロールされていますが、企業ファンダメンタルズは悪化基調にあるため、中立の見通しを維持しています。 |
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欧州 |
バリュエーションは相対的に魅力的であると考えますが、マクロ経済に対する懸念が高まりつつあるため、中立の姿勢を維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー |
中国からの需要は減退していますが、OPECによる減産を受けて、需給はバランスを保つ可能性があります。原油相場はレンジ内での取引が続くとみており、中立の見通しを維持しています。 |
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金 |
金利低下環境においては、金の投資魅力は相対的に高まるとみています。そのほか、テクニカル要因が下落余地を限定するとみて、強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 |
製造業関連指標の改善はやや停滞しました。中国当局による政策は支援材料となる可能性がありますが、金属需要の回復には未だ至っておらず、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
通貨 | 米ドル |
強気に引き上げました。米国経済がソフトランディングに向かった場合、金利上昇圧力がかかり、米ドルにとって追い風になるとみています。また、安全通貨としての機能から、景気後退に対するヘッジになると考えます。 |
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ユーロ |
弱気の見通しを維持しています。マクロ経済見通しが軟調であることや、米国との金利差、景気サイクル等を踏まえて先行姿勢を弱めています。 |
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日本円 |
依然として割安な水準にあると考えますが、足元の円高基調のトレンドを追随することには否定的であり、中立の見通しを維持しています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2024年8月上旬に英語で作成されたものを8月下旬に日本語に翻訳しています。
シュローダーはロンドンを本拠地とし、200年以上の歴史を誇る、英国の老舗資産運用グループです。個別企業の調査・分析などのリサーチ力に強みを持つアクティブ運用を中心に、日本株式をはじめ、海外株式・債券、ESG投資、マルチアセット、オルタナティブ投資などのファンドを取り揃えて、日本の投資家の皆さまにグローバルな投資機会を提供しています。
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