※本レポートは2025年5月上旬に英語で作成されたものを5月下旬に日本語に翻訳しています。
毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式については、米中が90日間、相互関税を停止することで合意したことを受け、急激な貿易量の縮小や失業率の急上昇のリスクが低下したことから、株式の見通しを強気に引き上げました。
社債については、米国市場のテクニカル指標が低迷し、支援材料が低下しつつあることから、弱気の見通しを維持しています。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
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米中が90日間、相互関税を停止することで合意したことを受け、急激な貿易量の縮小や失業率の急上昇のリスクが低下したことから、株式の見通しを強気に引き上げました。 |
利回りは上昇しているものの、債務水準の上昇や米国のインフレの粘着性など、中期的な懸念が残っていることから、中立の見通しを維持しています。米国債よりもドイツ国債を選好しています。 |
米国市場のテクニカル指標が低迷し、支援材料が低下しつつあることから、弱気の見通しを維持しています。 |
エネルギー市場は、供給の増加により依然として不均衡な状態が続いているほか、成長リスクがある中、すべてのセクターで需要の低迷が続いています。分散効果が期待される金の選好を維持しています。 |
見通しの表示:●強気 ●中立 ●弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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株式 | 米国 | ![]() |
米国株式の見通しを強気に引き上げました。関税の不確実性が低下したことで、短期的には市場の主要な懸念が緩和されました。加えて、支援的な財政政策や企業業績の上方修正が今後の支援材料となると考えます。 |
欧州 | ![]() |
拡張的な財政政策の実施は、米欧間の経済成長格差の縮小に寄与すると予想されるため、欧州株式に対する強気な見通しを維持しています。 |
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日本 | ![]() |
インフレ期待の上昇、賃金上昇、緩和的な金融状況など、マクロ環境の下支えと、関税の確実性が増すことによるポジティブなセンチメントは、日本株式に恩恵をもたらすと考えます。 |
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アジア (除く日本) |
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中国については引き続き慎重な見通しを維持しています。成長予測は安定している一方で、国内経済の低迷や、関税によるインフレの影響が懸念されます。アジア市場は即時の関税を回避したものの、中国からの輸入品への依存はリスクをもたらします。 |
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新興国 | ![]() |
米中間の相互関税が90日間停止されたことで、短期的な通商環境は改善されたことから、新興国株式の見通しを強気に引き上げました。魅力的なバリュエーションとドル安が引き続き支援材料となると考えます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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国債 | 米国 | ![]() |
労働市場のひっ迫、潜在的な関税の影響、ドル安などの要因から、米国のインフレ期待は高まっています。加えて、債務水準の上昇を考慮し、米国債の見通しを弱気に引き下げています。 |
欧州 (ドイツ国債) |
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ドイツ国債には安全資産としての魅力があるほか、キャリーとロールもポジティブとなっています。さらに、ドイツの財政規律は維持され、インフレは抑制されることが見込まれます。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
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新興国債券に対する強気な見通しを維持しています。新興国市場の経済活動は堅調を維持しており、米ドル安と高いキャリーが支援材料となると考えます。 |
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米国インフレ 連動債 |
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米国では、ひっ迫した労働市場、持続的な賃金上昇、関税によるインフレへの影響の可能性などから、インフレ上昇のリスクが高いと考えます。米国インフレ連動債はこのような圧力に対する有用なヘッジであることから、見通しを強気に引き上げました。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 | ![]() |
弱気な見通しを維持しています。バリュエーションは極端な水準にあり、クレジットを取り巻く環境が下向き始めていることが懸念材料です。 |
欧州 | ![]() |
欧州の投資適格社債のスプレッドは米国に比べ魅力的であることから、中立の見通しを維持しています。テクニカル環境は良好であるほか、需要の改善が見受けられます。 |
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新興国 (米ドル建て) |
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バリュエーションが割高と判断されることから、中立の見通しを維持しています。同市場はアジアに集中していることから、関税の影響を受けやすい資産といえます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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ハイイールド 社債 |
米国 | ![]() |
米国ハイイールド社債については、引き続き弱気の見通しを維持しています。特に、テクニカル指標が弱含みで推移していると認識しています。 |
欧州 | ![]() |
中立の見通しを維持しています。バリュエーションが米国に比べ魅力的ですが、テクニカル環境は弱まる兆候が見られ始めています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー | ![]() |
エネルギーについては弱気の見通しを維持しています。OPEC+は2回目の大幅増産を発表し、今年の市場はさらに供給過剰に転じるとの見方が強まっています。 |
金 | ![]() |
ボラティリティは高い一方、中央銀行による積極的な買いが継続しているほか、中国の家計による需要は引き続き高く、ETFへの資金流入も勢いを増していることから、強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 | ![]() |
産業用金属の構造的な見通しは強気ですが、堅調な経済成長を前提としており、関税の発表を受けてこの前提に疑問が生じています。したがって、中立の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
通貨 | 米ドル | ![]() |
インフレ圧力や貿易不均衡の是正に向けた取り組みが、さらなるドル安につながる可能性があるため、米ドルに対する弱気な見通しを維持しています。 |
ユーロ | ![]() |
ユーロについては強気な見通しを維持しています。米国から他国への投資資金の移動の流れが継続するとみていることから、グロース・モメンタムは続くと考えています。 |
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日本円 | ![]() |
日本円は、世界的なセンチメントの低下を受けて、安全資産としての資産流入の恩恵を受けていることから、強気の見通しを維持しており、ポートフォリオでは信頼できるヘッジ手段となっています。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2025年5月上旬に英語で作成されたものを5月下旬に日本語に翻訳しています。
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