※本レポートは2025年6月上旬に英語で作成されたものを6月下旬に日本語に翻訳しています。
毎月世界有数の運用会社であるシュローダーのマルチアセット運用チームによる各金融市場の月次見通しをお届けしています。お客様の投資戦略の策定にぜひお役立てください。
今月のポイント
株式については、経済の不透明感が継続する中、企業行動への影響に注視する必要がある一方で、ダウンサイドリスクは、より抑制されていることから、年内の景気後退リスクは減少していると考えます。
社債については、見通しを中立に引き上げました。特に米国においてバリュエーションが割高である一方で、シクリカルなテールリスクが緩和し、消費者心理が底堅く推移する中、経済成長見通しは安定化しつつあります。
株式 | 国債 | 社債 | コモディティ (商品先物) |
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経済の不透明感が継続する中、企業行動への影響に注視する必要がある一方で、ダウンサイドリスクは、より抑制されていることから、年内の景気後退リスクは減少していると考えます。 |
利回り上昇を受け、バリュエーションは改善している一方で、債務水準の上昇や米国のインフレリスクなど、中期的な懸念が残っています。米国以外については、インフレ懸念がより抑制されています。 |
見通しを中立に引き上げました。特に米国においてバリュエーションが割高である一方で、シクリカルなテールリスクが緩和し、消費者心理が底堅く推移する中、経済成長見通しは安定化しつつあります。 |
世界の製造業は依然として低迷しており、需要が抑制されています。供給サイドについては、金属がタイトになっています。地政学リスクを背景に原油価格が急上昇しましたが、生産の増加により中期的には価格が抑制されると考えます。 |
見通しの表示:●強気 ●中立 ●弱気
矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げを示します。
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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株式 | 米国 | ![]() |
米国の経済成長やセンチメントの支援材料となることが見込まれる、経済支援的な政策を市場は重視すると考えることから、年内については楽観的な見方をしており、強気の見通しを維持しています。 |
欧州 | ![]() |
妥当なバリュエーション、内需を反映した力強いインフロー、安定的な業績見通しを背景に、強気の見通しを維持しています。 |
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日本 | ![]() |
インフレ期待の上昇、賃金上昇、緩和的な金融状況など、マクロ環境の下支えと、関税を巡る確実性が増すことによるポジティブなセンチメントは、日本株式に恩恵をもたらすと考えます。 |
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アジア (除く日本) |
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中国については引き続き中立の見通しを維持しています。成長見通しは安定している一方で、国内経済の低迷や、関税によるインフレの影響が懸念されます。アジア市場については、即時の関税は回避したものの、中国からの輸入品への依存はリスクをもたらします。 |
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新興国 | ![]() |
ドル安、貿易交渉、ブラジルやインドにおける支援的な政策などが新興国市場の支援材料となると考えることから、強気の見通しを維持しています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
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国債 | 米国 | ![]() |
国債の供給増加により、利回りがより高い水準で維持される可能性があると考えており、弱気の見通しを維持しています。また、国債市場には、リスクオフ環境で通常みられるディフェンシブな特性がみられなくなっています。 |
欧州 (ドイツ国債) |
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安全資産のポジションとして、ドイツ国債への選好を維持しています。ドイツの財政規律は維持され、インフレは抑制されることが見込まれます。 |
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新興国 (現地通貨建て) |
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新興国債券に対する強気な見通しを維持しています。新興国の中には支援的な政策を実施している国もあるほか、ドル安や高いキャリーも支援材料となると考えます。 |
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米国インフレ 連動債 |
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短期的には地政学リスクを受け、原油価格が上昇する局面がみられるものの、コモディティ価格の低迷は、より高い関税の影響を相殺していることから、中立の見通しとしています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
投資適格 社債 |
米国 | ![]() |
バリュエーションは引き続き割高な水準にあり、関税を巡る不透明感も残っていますが、テールリスクが後退したことから、市場参加者の焦点は規制緩和や財政刺激策に向かうことが見込まれます。 |
欧州 | ![]() |
底堅い経済成長が見込まれることや堅調な需要、ポジショニングの改善などを背景に、欧州の投資適格社債のスプレッドは米国に比べ魅力的であると考えます。 |
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新興国 (米ドル建て) |
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バリュエーションが割高と判断されることから、中立の見通しを維持しています。同市場はアジアに集中していることから、関税の影響を受けやすい資産といえます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
ハイイールド 社債 |
米国 | ![]() |
バリュエーションの魅力度は低いものの、経済成長の安定化や、需要の改善、上向きな消費者心理などが支援材料となると考えます。 |
欧州 | ![]() |
中立の見通しを維持しています。バリュエーションは割高な水準にあるものの、米国に比べるとバリュエーションの魅力度は高いといえます。経済成長見通しは底堅く、需要も回復し始めています。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
コモディティ (商品先物) |
エネルギー | ![]() |
足元、地政学的な懸念から原油価格は急騰しており、不透明感が継続する間は足元の水準で推移する可能性が高いと考えます。ただし、最終的には供給が需要を上回ることが見込まれ、不透明感が後退すると、価格は下落すると考えます。 |
金 | ![]() |
一部の需要の緩和を背景に、金価格は安定化しており、割高感は緩和しています。財政を巡る懸念や地政学リスクが残る中、金の分散資産としての役割を考慮して、強気の見通しを維持しています。 |
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産業用金属 | ![]() |
米国、中国、アジアの弱い製造業データは、金属需要の軟化を示唆しています。足元、供給はタイトな状況とはなっているものの、先行きの潜在的な不均衡を示唆していているといえます。 |
資産クラス | 分類 | 見通し | |
---|---|---|---|
通貨 | 米ドル | ![]() |
ドルの分散資産としての役割が薄れていることや、米国の政策の先行き不透明感を考慮し、米ドルに対する弱気な見通しを維持しています。 |
ユーロ | ![]() |
バリュエーションが魅力的であることから、強気の見通しを維持しています。市場では、米ドルへのエクスポージャーを削減し、ユーロにシフトする流れが続いていると考えます。 |
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日本円 | ![]() |
賃金上昇およびサービス・インフレ率の上昇が継続する場合、日本銀行は金融政策の正常化へ向かうことが見込まれており、円の支援材料となると考えます。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
本レポートは2025年6月上旬に英語で作成されたものを6月下旬に日本語に翻訳しています。
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